言付いひつ)” の例文
けません、けません! 那樣事そんなことせてもいとはたれからも言付いひつかりません。御存ごぞんじでせう。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
博士は中單チヨキの鈕を半分掛けた儘で、手早く式部職へ當てた所勞の屆を書いて、用箪笥の抽出ひきだしから、御門鑑を出して、女中を呼んで、車夫に持たせて遣るやうに言付いひつけた。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたし此處こゝからきますよ、きみ。』と、かれはイワン、デミトリチにふた。『こゝあかりつてるやうに言付いひつけますから……奈何どうして這麼眞暗こんなまつくらところにゐられませう……我慢がまん爲切しきれません。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)