いひつ)” の例文
名さへ響かぬのつそりに大切だいじの仕事を任せらるゝ事は檀家方の手前寄進者方の手前も難しからうなれば、大丈夫此方こちいひつけらるゝに極つたこと
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
中馬が力まかせに時々乱暴をするので、南天棒和尚が海清寺から退散をいひつけた事があつた。
「ウム」と首肯うなづきたる侯爵「先年、彼等が社会民主党を組織した時、我輩は末松にいひつけてただちに禁止させたのぢや、我輩が憲法取調の為め独逸ドイツに居た頃、丁度ビスマルクが盛に社会党鎮圧をりおつた、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
二人の願ひを双方とも聞き届けては遣りたけれど、其は固より叶ひがたく、一人に任さば一人の歎き、誰に定めていひつけんといふ標準きめどころのあるではなし
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
京都大学から欧米漫遊をいひつけられて、今米国に居る筈の内田銀蔵博士は、例のきちやうめんな性質たちから、今度の旅行ぜんに、手帳を幾冊かひ込むで、自分が往つて見たいと思つてる土地ところ
高士世に容れられざるの恨みも詮ずるところはかはることなし、よし/\、我図らずも十兵衞が胸に懐ける無価の宝珠の微光を認めしこそ縁なれ、此度こたびの工事を彼にいひつ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
Uneユヌ portionポルシヨン de bifteckビフテク aux pommeオーパム de terreテル”(馬鈴薯じやがいもつきのビフテキ)と一皿いひつけて、「うだ、うまからう」といつたやうに四辺あたりを見廻した。