おほ)” の例文
今日こんにちは結構な御演題で、聴衆一同多大な期待をもつて居るやうでございます。で、閣下のおほせられまする体育と申しますのは……」
相談さうだんして居る中大岡殿はばんすけ十郎建部郷右衞門の兩人より委細の事故聞糺きゝたゞされ吟味の當日たうじつまで主税之助閉門へいもんおほせ付られしにつき主税之助を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おちつけずや母樣はゝさまにはねがはんとてはなたまはず夫樣おくさままたくれ/″\のおほせにそのまゝの御奉公ごほうこう都會みやこなれぬとてなにごとも不束ふつゝかなるを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「あの岩は、どうした。早く持つて来ないか。岩には、松が生えてゐたはずだ。」と、おほせになりましたので、忠行の侍従も、困つてしまひ
岩を小くする (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
はツ、はじめましてお目通めどほりをつかまつります。へえ、今度このたびはまた格別かくべつ御註文ごちうもんおほせつけられまして、難有ありがた仕合しあはせにござります。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「むりに宮仕みやづかへをしろとおほせられるならば、わたしえてしまひませう。あなたのおくらゐをおもらひになるのをて、わたしぬだけでございます」
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
侍童 御方おんかたはかまかうとてはなってわせられました。とほくへはなれてゐいとおほせられましたゆゑ、わたくしはさやういたしました。
わが日頃ひごろちかひそむくものなればおほせなれども御免下ごめんくだされたし、このみてするものはなきいやしきわざの、わが身も共々とも/″\牛馬ぎうばせらるゝをはぢともせず
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
こゝいてか滿座まんざこと/″\拍手はくしゆ喝釆かつさいしました、それはしん王樣わうさま其日そのひおほせられたうちもつとたくみみなるお言葉ことばでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
おそれながら御前ごぜんさまはお大名だいみやう御身おみりながら、お月さまとおほせられましては、小児せうに童子わらべことにて、歌俳諧うたはいかいにでも月は月で事はますやうぞんじます。
昔の大名の心意気 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「はい。それは全くおほせの通りでございます。耳や足さきなんかはがさがさして少し汚なうございます。」
月夜のけだもの (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
これは御存ごぞんじの醍醐天皇だいごてんのう御代みよ出來できたもので、普通ふつう天子てんしおほせでつくつた歌集かしゆう第一番だいゝちばんのものだといふことになつてゐます。かうした歌集かしゆう敕撰集ちよくせんしゆうといひます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「おお、わがよ」とおほせられて、人間にんげんどものらないきよたつといなみだをほろりとおとされました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
今ま貴女のおほせられた金山と言ふ大名華族の老人が、其頃小米こよねと申す婦人を外妾めかけの如く致して居たので、雇主やとひぬし——其の芸妓屋げいしややに於ては非常なる恐慌きやうくわうきつし、又た婦人の実母はゝからは
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
此事このこと旦那樣だんなさまにも奧樣おくさまにも毎度いくたび申上まうしあげて、何卒どうか今夜こんや御出帆ごしゆつぱんけは御見合おみあはくださいと御願おねがまうしたのですが、御兩方おふたりともたゞわらつて「亞尼アンニー其樣そんな心配しんぱいするにはおよばないよ。」とおほせあるばかり
百果報もゝがほうのあんで、みすゞりのあもの、心ある者や、御主おしゆ加那志がなし御為おだめ御万人おまんちよために、いのちうしやげらば、おややだによ、ひきはらうぢまでもおのそだてめしやいる、おほ事拝ごとをがで、高札たかふだしるち、道側みちばたに立てゝ
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
淺間あさまけむりおほぎつゝ
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
隱亡をんばう彌十に頼み燒棄やきすてさせ候段不屆に付存命ぞんめい致しをり候はゞおもき御仕置しおきにもおほせ付らるべきところ鈴ヶ森に於て殺害せつがい致されしにより其つみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのこたうけたまはらずば歸邸きていいたしがたひらにおうかゞひありたしと押返おしかへせば、それほどおほせらるゝをつゝむも甲斐かひなし、まことのこと申あげ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「折角お招きは致したが、殿は俗腹ぞくばらのお点前てまへはもう厭になつたとおほせらるゝによつて、お気の毒ではござるが、こゝからお帰り下さるやうに。」
「恐れながら殿様には餞別せんべつとしてこの国のくらに積んであるお金を何程でも御礼として差上げたうございますから御入用だけおほせ付け下さりますやう。」
蚊帳の釣手 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
拝見はいけんだけおほけられてくださいましとつて、まづかしらからさきけ、それからふちを見て、目貫めぬきからうも誠におさしごろに、さだめし御中身おなかみ結構けつこうな事でございませう
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ロレ ひめこゝろはまだらぬとおほせらるゝ。すれば段取だんどり素直すなほでない、吾等われらこのもしうおもひませぬ。
おほせられました。その女官じよかんがさっそく竹取たけとりのおきないへ出向でむいて勅旨ちよくしべ、ぜひひめひたいといふと、おきなはかしこまつてそれをひめにとりつぎました。ところがひめ
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
るにてもあまりのうつくしさに、ひととなりてのちくにかたむくるうれひもやとて、當時たうじ國中こくちうきこえたる、道人だうじん何某なにがし召出めしいだして、ちかう、ちかう、なんぢよく可愛かはゆきものをさうせよ、とおほせらる。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つまり、神樣かみさまおほせにたいする、おこたへであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
不審いぶかしゝそれほどまでに御嫌おきらひになるほどならやさしげな御詞おことばなぜおほせおかれけん八重やへおもふもはづかしきまでときうれしかりしを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其方儀永々なが/\入牢じゆらうおほせ付られまか在處あるところ此度右一件本人ほんにん相分り御死刑しおきおほせ付られ候に付出牢しゆつらう仰せ付らる有難く存ずべし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はからず放免はうめんおほつけられ、身に取りまして大慶至極たいけいしごく、誠に先頃さきごろ御無礼ごぶれい段々だん/″\御立腹ごりつぷく御様子ごやうすで。
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
みかどさらおきな御命令ごめいれいくだして、もしひめ宮仕みやづかへにさしすならば、おきなくらいをやらう。どうにかしてひめいて納得なつとくさせてくれ。おやで、そのくらゐのことの出來できぬはずはなからうとおほせられました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
ロレ 木曜日もくえうびおほせらるゝか? では早急さっきふことぢゃ。
おほせではございますが、その山伏と申しまするは、とても、足の早い男で、ございましたから、もう、何十里先へ行つたか、知れません。今からたれが追つかけたところで、追ひつくことは、思ひもよらぬことでごぎいます。」
岩を小くする (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
それあまりのおとりこし苦勞ぐらう岩木いわきなかにもおもひのなきかは無情つれなおほせのはづなしさて御戀人おんこひゞと杉原すぎはらさまとやおなんとぞ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さアどうも入牢じゆらうおほけられて見ると、仕方しかたがないからつゝしんで牢舎らうしや住居すまゐをいたしてりますと、わうもお考へになつて、アヽ気の毒な事をいたした、さしたる罪はない、一いかりにまかして
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
みだるゝこゝろ流石さすがしづめて花子はなこさまおほせまだわたしには呑込のみこめませぬおこたへもなにおつてのこと今日けふづおいとまたんとするを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御陪食ごばいしよくおほけになりました。
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
さりとはまゝのおほせに有難ありがたうぞんじますとひしはおぼえで、やがてはくるまうへ小石川こいしかははまだかまだかともどかしがりぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と畳みかけておほする時我がはらわたゆるばかりに成りて、何の涙ぞまぶたに堪へがたく、袖につゝみてに泣きしや幾時いくとき
雪の日 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まがると先程さきほど糸屋いとやまへ眞直まつすぐけば大通おほどほりへ仕舞しまひますたしか裏通うらどほりとおほせで御座ございましたが町名ちやうめいなんまをしますか夫次第それしだい大抵たいていわかりませうと問掛とひかけたり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それよ今宵こよひよりは一時いちじづゝの仕事しごとばして此子このこため收入しうにふおほくせんとおほせられしなりき、火氣くわき滿みちたるしつにてくびやいたからん、ふりあぐるつち手首てくびいたからん。
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わすれてかなにともおほせのこゝろもとなさ、れにはせまりし大事だいじひにくきを我慢がまんしてくと申ける。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さりながら徃日いつぞや御詞おんことばいつはりなりしか、そちさへに見捨みすてずば生涯しやうがい幸福かうふくぞと、かたじけなきおほうけたまはりてよりいとゞくるこゝろとめがたく、くちにするは今日けふはじめてなれど
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あらはせて此室こゝびたしとおほせられたに相違さうゐはなしかくあがりなされよと洗足すゝぎまでんでくるゝはよも串戯じやうだんにはあらざるべしいつはりならずとせばしんもつ奇怪きくわい
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたくしなど古狸ふるだぬきの身なればとかくつくろひて一日二日と過し候へ共、筋のなきわからずやをおほせいだされ、足もとから鳥の立つやうにおきたてなさるにはおほ閉口に候
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これよとおほせらる、一しきりおはりての午後ひるすぎ、おちやぐわしやまかつめば大皿おほさら鐵砲てつぽうまき分捕次第ぶんどりしだい沙汰さたありて、奧樣おくさま暫時しばしのほど二かい小間こまづかれをやすたま
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
らねばこそあれ眞實まめやかなることばにうらはづかしく、おもてすこしあかめて、いやとよ病氣びやうきなほりたり、心配しんぱいかけしがどくぞとらずわび言葉ことばに、なにごとのおほせぞ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もとよりひと約束やくそくおぼえなくしてみさほてやうもなけれど、何處どこともらずみたるおもひは此身このみあるかぎわすがたければ、萬一もしかの教授けうじゆさまたつつまにとおほせのあらば
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのやうにおほせ下さりましてもわたしにはお返事の致しやうが御座りませぬと言ひいづるに、何をと母が顔を出せば、あ、植村さん、植村さん、何処へおいで遊ばすのと岸破がばと起きて
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それよろしくばおほせの通りに成りましよと、どうでも嫌やがらせを言ひて困らせける。
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それよろしくばおほせのとほりにりましよと、うでもやがらせをひてこまらせける。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)