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仰
>
おほ
ふりがな文庫
“
仰
(
おほ
)” の例文
「
今日
(
こんにち
)
は結構な御演題で、聴衆一同多大な期待をもつて居るやうでございます。で、閣下の
仰
(
おほ
)
せられまする体育と申しますのは……」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
相談
(
さうだん
)
して居る中大岡殿は
伴
(
ばん
)
佐
(
すけ
)
十郎建部郷右衞門の兩人より委細の事故
聞糺
(
きゝたゞ
)
され吟味の
當日
(
たうじつ
)
まで主税之助
閉門
(
へいもん
)
仰
(
おほ
)
せ付られしに
付
(
つき
)
主税之助を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
落
(
おち
)
つけずや
母樣
(
はゝさま
)
には
我
(
わ
)
れ
願
(
ねが
)
はんとて
放
(
はな
)
し
給
(
たま
)
はず
夫樣
(
おくさま
)
も
又
(
また
)
くれ/″\の
仰
(
おほ
)
せに
其
(
その
)
まゝの
御奉公
(
ごほうこう
)
都會
(
みやこ
)
なれぬ
身
(
み
)
とて
何
(
なに
)
ごとも
不束
(
ふつゝか
)
なるを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「あの岩は、どうした。早く持つて来ないか。岩には、松が生えてゐた
筈
(
はず
)
だ。」と、
仰
(
おほ
)
せになりましたので、忠行の侍従も、困つてしまひ
岩を小くする
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
はツ、
初
(
はじ
)
めましてお
目通
(
めどほ
)
りを
仕
(
つかまつ
)
ります。へえ、
今度
(
このたび
)
はまた
格別
(
かくべつ
)
の
御註文
(
ごちうもん
)
仰
(
おほ
)
せつけられまして、
難有
(
ありがた
)
い
仕合
(
しあは
)
せにござります。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
「むりに
宮仕
(
みやづか
)
へをしろと
仰
(
おほ
)
せられるならば、
私
(
わたし
)
の
身
(
み
)
は
消
(
き
)
えてしまひませう。あなたのお
位
(
くらゐ
)
をお
貰
(
もら
)
ひになるのを
見
(
み
)
て、
私
(
わたし
)
は
死
(
し
)
ぬだけでございます」
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
侍童
御方
(
おんかた
)
の
墓
(
はか
)
へ
撒
(
まか
)
うとて
花
(
はな
)
を
持
(
も
)
ってわせられました。
遠
(
とほ
)
くへ
離
(
はな
)
れてゐいと
仰
(
おほ
)
せられましたゆゑ、
僕
(
わたくし
)
はさやう
致
(
いた
)
しました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
わが
日頃
(
ひごろ
)
の
誓
(
ちかひ
)
に
反
(
そむ
)
くものなれば
仰
(
おほ
)
せなれども
御免下
(
ごめんくだ
)
されたし、
好
(
この
)
みてするものはなき
賤
(
いや
)
しき
業
(
わざ
)
の、わが身も
共々
(
とも/″\
)
に
牛馬
(
ぎうば
)
に
比
(
ひ
)
せらるゝを
耻
(
はぢ
)
ともせず
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
爰
(
こゝ
)
に
於
(
お
)
いてか
滿座
(
まんざ
)
悉
(
こと/″\
)
く
拍手
(
はくしゆ
)
喝釆
(
かつさい
)
しました、それは
眞
(
しん
)
に
王樣
(
わうさま
)
が
其日
(
そのひ
)
に
仰
(
おほ
)
せられた
中
(
うち
)
の
最
(
もつと
)
も
巧
(
たくみ
)
みなるお
言葉
(
ことば
)
でした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
恐
(
おそ
)
れながら
御前
(
ごぜん
)
さまはお
大名
(
だいみやう
)
の
御身
(
おみ
)
で
有
(
あ
)
りながら、お月さまと
仰
(
おほ
)
せられましては、
小児
(
せうに
)
童子
(
わらべ
)
の
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
にて、
歌俳諧
(
うたはいかい
)
にでも月は月で事は
足
(
た
)
り
居
(
ゐ
)
ますやう
存
(
ぞんじ
)
ます。
昔の大名の心意気
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「はい。それは全く
仰
(
おほ
)
せの通りでございます。耳や足さきなんかはがさがさして少し汚なうございます。」
月夜のけだもの
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
これは
御存
(
ごぞん
)
じの
醍醐天皇
(
だいごてんのう
)
の
御代
(
みよ
)
に
出來
(
でき
)
たもので、
普通
(
ふつう
)
、
天子
(
てんし
)
の
仰
(
おほ
)
せでつくつた
歌集
(
かしゆう
)
の
第一番
(
だいゝちばん
)
のものだといふことになつてゐます。かうした
歌集
(
かしゆう
)
を
敕撰集
(
ちよくせんしゆう
)
といひます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「おお、わが
子
(
こ
)
よ」と
仰
(
おほ
)
せられて、
人間
(
にんげん
)
どもの
知
(
し
)
らない
聖
(
きよ
)
い
尊
(
たつと
)
いなみだをほろりと
落
(
おと
)
されました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
今ま貴女の
仰
(
おほ
)
せられた金山と言ふ大名華族の老人が、其頃
小米
(
こよね
)
と申す婦人を
外妾
(
めかけ
)
の如く致して居たので、
雇主
(
やとひぬし
)
——其の
芸妓屋
(
げいしやや
)
に於ては非常なる
恐慌
(
きやうくわう
)
を
喫
(
きつ
)
し、又た婦人の
実母
(
はゝ
)
からは
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
此事
(
このこと
)
は
旦那樣
(
だんなさま
)
にも
奧樣
(
おくさま
)
にも
毎度
(
いくたび
)
か
申上
(
まうしあ
)
げて、
何卒
(
どうか
)
今夜
(
こんや
)
の
御出帆
(
ごしゆつぱん
)
丈
(
だ
)
けは
御見合
(
おみあは
)
せ
下
(
くだ
)
さいと
御願
(
おねが
)
ひ
申
(
まう
)
したのですが、
御兩方
(
おふたり
)
共
(
とも
)
たゞ
笑
(
わら
)
つて「
亞尼
(
アンニー
)
や
其樣
(
そんな
)
に
心配
(
しんぱい
)
するには
及
(
およ
)
ばないよ。」と
仰
(
おほ
)
せあるばかり
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
百果報
(
もゝがほう
)
のあんで、みすゞりのあもの、心ある者や、
御主
(
おしゆ
)
加那志
(
がなし
)
御為
(
おだめ
)
、
御万人
(
おまんちよ
)
の
為
(
ため
)
に、
命
(
いのち
)
うしやげらば、
産
(
な
)
し
親
(
おや
)
やだによ、
引
(
ひき
)
はらうぢ
迄
(
まで
)
もおのそだて
召
(
めしや
)
いる、
仰
(
おほ
)
せ
事拝
(
ごとをが
)
で、
高札
(
たかふだ
)
に
記
(
しる
)
ち、
道側
(
みちばた
)
に立てゝ
ユタの歴史的研究
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
淺間
(
あさま
)
の
煙
(
けむり
)
仰
(
おほ
)
ぎつゝ
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
隱亡
(
をんばう
)
彌十に頼み
燒棄
(
やきすて
)
させ候段不屆に付
存命
(
ぞんめい
)
致し
居
(
をり
)
候はゞ
重
(
おも
)
き御
仕置
(
しおき
)
にも
仰
(
おほ
)
せ付らる
可
(
べき
)
の
所
(
ところ
)
鈴ヶ森に於て
殺害
(
せつがい
)
致されしにより其
罪
(
つみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其
(
その
)
お
答
(
こた
)
へ
承
(
うけたま
)
はらずば
歸邸
(
きてい
)
いたし
難
(
がた
)
し
平
(
ひら
)
にお
伺
(
うかゞ
)
ひありたしと
押返
(
おしかへ
)
せば、それ
程
(
ほど
)
に
仰
(
おほ
)
せらるゝを
包
(
つゝ
)
むも
甲斐
(
かひ
)
なし、
誠
(
まこと
)
のこと申
上
(
あげ
)
ん
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「折角お招きは致したが、殿は
俗腹
(
ぞくばら
)
のお
点前
(
てまへ
)
はもう厭になつたと
仰
(
おほ
)
せらるゝによつて、お気の毒ではござるが、こゝからお帰り下さるやうに。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「恐れながら殿様には
餞別
(
せんべつ
)
としてこの国の
庫
(
くら
)
に積んであるお金を何程でも御礼として差上げたうございますから御入用だけ
仰
(
おほ
)
せ付け下さりますやう。」
蚊帳の釣手
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
拝見
(
はいけん
)
だけ
仰
(
おほ
)
せ
付
(
つ
)
けられて
下
(
くだ
)
さいましと
云
(
い
)
つて、
先
(
まづ
)
頭
(
かしら
)
から
先
(
さき
)
へ
眼
(
め
)
を
附
(
つ
)
け、それから
縁
(
ふち
)
を見て、
目貫
(
めぬき
)
から
何
(
ど
)
うも誠にお
差
(
さし
)
ごろに、
定
(
さだ
)
めし
御中身
(
おなかみ
)
は
結構
(
けつこう
)
な事でございませう
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ロレ
姫
(
ひめ
)
の
心
(
こゝろ
)
はまだ
知
(
し
)
らぬと
仰
(
おほ
)
せらるゝ。すれば
段取
(
だんどり
)
が
素直
(
すなほ
)
でない、
吾等
(
われら
)
は
好
(
この
)
もしう
思
(
おも
)
ひませぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
と
仰
(
おほ
)
せられました。その
女官
(
じよかん
)
がさっそく
竹取
(
たけと
)
りの
翁
(
おきな
)
の
家
(
いへ
)
に
出向
(
でむ
)
いて
勅旨
(
ちよくし
)
を
述
(
の
)
べ、ぜひ
姫
(
ひめ
)
に
逢
(
あ
)
ひたいといふと、
翁
(
おきな
)
はかしこまつてそれを
姫
(
ひめ
)
にとりつぎました。ところが
姫
(
ひめ
)
は
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
然
(
さ
)
るにても
其
(
そ
)
の
餘
(
あま
)
りの
美
(
うつく
)
しさに、ひととなりて
後
(
のち
)
國
(
くに
)
を
傾
(
かたむ
)
くる
憂
(
うれひ
)
もやとて、
當時
(
たうじ
)
國中
(
こくちう
)
に
聞
(
きこ
)
えたる、
道人
(
だうじん
)
何某
(
なにがし
)
を
召出
(
めしいだ
)
して、
近
(
ちか
)
う、
近
(
ちか
)
う、
爾
(
なんぢ
)
よく
此
(
こ
)
の
可愛
(
かはゆ
)
きものを
想
(
さう
)
せよ、と
仰
(
おほ
)
せらる。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
つまり、
神樣
(
かみさま
)
の
仰
(
おほ
)
せに
對
(
たい
)
する、お
答
(
こた
)
へであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
不審
(
いぶか
)
しゝ
夫
(
それ
)
ほどまでに
御嫌
(
おきら
)
ひになるほどなら
優
(
やさ
)
しげな
御詞
(
おことば
)
なぜ
仰
(
おほ
)
せおかれけん
八重
(
やへ
)
が
思
(
おも
)
ふも
恥
(
はづ
)
かしきまで
彼
(
あ
)
の
時
(
とき
)
は
嬉
(
うれ
)
しかりしを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其方儀
永々
(
なが/\
)
入牢
(
じゆらう
)
仰
(
おほ
)
せ付られ
罷
(
まか
)
り
在處
(
あるところ
)
此度右一件
本人
(
ほんにん
)
相分り御
死刑
(
しおき
)
仰
(
おほ
)
せ付られ候に付
出牢
(
しゆつらう
)
仰せ付らる有難く存ずべし
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
図
(
はか
)
らず
放免
(
はうめん
)
を
仰
(
おほ
)
せ
付
(
つけ
)
られ、身に取りまして
大慶至極
(
たいけいしごく
)
、誠に
先頃
(
さきごろ
)
は
御無礼
(
ごぶれい
)
の
段々
(
だん/″\
)
御立腹
(
ごりつぷく
)
の
御様子
(
ごやうす
)
で。
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
帝
(
みかど
)
は
更
(
さら
)
に
翁
(
おきな
)
に
御命令
(
ごめいれい
)
を
下
(
くだ
)
して、もし
姫
(
ひめ
)
を
宮仕
(
みやづか
)
へにさし
出
(
だ
)
すならば、
翁
(
おきな
)
に
位
(
くらい
)
をやらう。どうにかして
姫
(
ひめ
)
を
説
(
と
)
いて
納得
(
なつとく
)
させてくれ。
親
(
おや
)
の
身
(
み
)
で、そのくらゐのことの
出來
(
でき
)
ぬはずはなからうと
仰
(
おほ
)
せられました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
ロレ
木曜日
(
もくえうび
)
と
仰
(
おほ
)
せらるゝか? では
早急
(
さっきふ
)
な
事
(
こと
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
仰
(
おほ
)
せではございますが、その山伏と申しまするは、とても、足の早い男で、ございましたから、もう、何十里先へ行つたか、知れません。今から
誰
(
たれ
)
が追つかけたところで、追ひつくことは、思ひもよらぬことでごぎいます。」
岩を小くする
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
夫
(
それ
)
は
餘
(
あま
)
りのお
取
(
とり
)
こし
苦勞
(
ぐらう
)
岩木
(
いわき
)
の
中
(
なか
)
にも
思
(
おも
)
ひのなきかは
無情
(
つれな
)
き
仰
(
おほ
)
せの
有
(
あ
)
る
筈
(
はづ
)
なし
扨
(
さて
)
も
御戀人
(
おんこひゞと
)
は
杉原
(
すぎはら
)
さまとやお
名
(
な
)
は
何
(
なん
)
とぞ
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さアどうも
入牢
(
じゆらう
)
仰
(
おほ
)
せ
附
(
つ
)
けられて見ると、
仕方
(
しかた
)
がないから
謹
(
つゝ
)
しんで
牢舎
(
らうしや
)
の
住居
(
すまゐ
)
をいたして
居
(
を
)
りますと、
王
(
わう
)
もお考へになつて、アヽ気の毒な事をいたした、さしたる罪はない、一
時
(
じ
)
の
怒
(
いか
)
りに
任
(
まか
)
して
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
亂
(
みだ
)
るゝ
心
(
こゝろ
)
を
流石
(
さすが
)
に
靜
(
しづ
)
めて
花子
(
はなこ
)
さま
仰
(
おほ
)
せまだ
私
(
わたし
)
には
呑込
(
のみこ
)
めませぬお
答
(
こた
)
へも
何
(
なに
)
も
追
(
おつ
)
てのこと
今日
(
けふ
)
は
先
(
ま
)
づお
暇
(
いとま
)
と
立
(
た
)
たんとするを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御陪食
(
ごばいしよく
)
を
仰
(
おほ
)
せ
付
(
つ
)
けになりました。
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さりとは
氣
(
き
)
まゝの
仰
(
おほ
)
せに
有難
(
ありがた
)
うぞんじますと
言
(
い
)
ひしは
覺
(
おぼ
)
えで、
頓
(
やが
)
ては
車
(
くるま
)
の
上
(
うへ
)
に
小石川
(
こいしかは
)
はまだかまだかと
鈍
(
もど
)
かしがりぬ。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と畳みかけて
仰
(
おほ
)
する時我が
腸
(
はらわた
)
は
断
(
た
)
ゆる
斗
(
ばかり
)
に成りて、何の涙ぞ
睚
(
まぶた
)
に堪へがたく、袖につゝみて
音
(
ね
)
に泣きしや
幾時
(
いくとき
)
。
雪の日
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
曲
(
まが
)
ると
先程
(
さきほど
)
の
糸屋
(
いとや
)
の
前
(
まへ
)
眞直
(
まつすぐ
)
に
行
(
ゆ
)
けば
大通
(
おほどほ
)
りへ
出
(
で
)
て
仕舞
(
しま
)
ひますたしか
裏通
(
うらどほ
)
りと
仰
(
おほ
)
せで
御座
(
ござ
)
いましたが
町名
(
ちやうめい
)
は
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
しますか
夫次第
(
それしだい
)
大抵
(
たいてい
)
は
分
(
わか
)
りませうと
問掛
(
とひか
)
けたり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それよ
今宵
(
こよひ
)
よりは
一時
(
いちじ
)
づゝの
仕事
(
しごと
)
を
延
(
の
)
ばして
此子
(
このこ
)
が
爲
(
ため
)
の
收入
(
しうにふ
)
を
多
(
おほ
)
くせんと
仰
(
おほ
)
せられしなりき、
火氣
(
くわき
)
の
滿
(
みち
)
たる
室
(
しつ
)
にて
頸
(
くび
)
やいたからん、
振
(
ふり
)
あぐる
槌
(
つち
)
に
手首
(
てくび
)
や
痛
(
いた
)
からん。
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
忘
(
わす
)
れてか
何
(
なに
)
とも
仰
(
おほ
)
せの
無
(
な
)
き
心
(
こゝろ
)
もとなさ、
我
(
わ
)
れには
身
(
み
)
に
迫
(
せま
)
りし
大事
(
だいじ
)
と
言
(
い
)
ひにくきを
我慢
(
がまん
)
して
斯
(
か
)
くと申ける。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さりながら
徃日
(
いつぞや
)
の
御詞
(
おんことば
)
は
僞
(
いつは
)
りなりしか、
汝
(
そち
)
さへに
見捨
(
みすて
)
ずば
我
(
わ
)
が
生涯
(
しやうがい
)
の
幸福
(
かうふく
)
ぞと、
忝
(
かたじ
)
けなき
仰
(
おほ
)
せ
承
(
うけたま
)
はりてよりいとゞ
狂
(
くる
)
ふ
心
(
こゝろ
)
止
(
とめ
)
がたく、
口
(
くち
)
にするは
今日
(
けふ
)
始
(
はじ
)
めてなれど
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
洗
(
あら
)
はせて
此室
(
こゝ
)
へ
呼
(
よ
)
びたしと
仰
(
おほ
)
せられたに
相違
(
さうゐ
)
はなし
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
お
上
(
あが
)
りなされよと
洗足
(
すゝぎ
)
の
湯
(
ゆ
)
まで
汲
(
く
)
んでくるゝはよも
串戯
(
じやうだん
)
にはあらざるべし
僞
(
いつは
)
りならずとせば
眞
(
しん
)
以
(
もつ
)
て
奇怪
(
きくわい
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたくし
)
など
古狸
(
ふるだぬき
)
の身なればとかくつくろひて一日二日と過し候へ共、筋のなきわからずやを
仰
(
おほ
)
せいだされ、足もとから鳥の立つやうにお
急
(
せ
)
きたてなさるには
大
(
おほ
)
閉口に候
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これよと
仰
(
おほ
)
せらる、一しきり
終
(
おは
)
りての
午後
(
ひるすぎ
)
、お
茶
(
ちや
)
ぐわし
山
(
やま
)
と
擔
(
かつ
)
ぎ
込
(
こ
)
めば
大皿
(
おほさら
)
の
鐵砲
(
てつぽう
)
まき
分捕次第
(
ぶんどりしだい
)
と
沙汰
(
さた
)
ありて、
奧樣
(
おくさま
)
は
暫時
(
しばし
)
のほど二
階
(
かい
)
の
小間
(
こま
)
に
氣
(
き
)
づかれを
休
(
やす
)
め
給
(
たま
)
ふ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
知
(
し
)
らねばこそあれ
眞實
(
まめやか
)
なる
詞
(
ことば
)
にうら
耻
(
はづ
)
かしく、
面
(
おもて
)
すこし
打
(
う
)
ち
赤
(
あか
)
めて、
否
(
いや
)
とよ
病氣
(
びやうき
)
は
最
(
も
)
う
癒
(
なほ
)
りたり、
心配
(
しんぱい
)
かけしが
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ぞと
我
(
わ
)
れ
知
(
し
)
らず
出
(
で
)
る
侘
(
わび
)
の
言葉
(
ことば
)
に、
何
(
なに
)
ごとの
仰
(
おほ
)
せぞ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
素
(
もと
)
より
彼
(
か
)
の
人
(
ひと
)
に
約束
(
やくそく
)
の
覺
(
おぼ
)
えなく
増
(
ま
)
して
操
(
みさほ
)
の
立
(
た
)
てやうもなけれど、
何處
(
どこ
)
とも
知
(
し
)
らず
染
(
そ
)
みたる
思
(
おも
)
ひは
此身
(
このみ
)
ある
限
(
かぎ
)
り
忘
(
わす
)
れ
難
(
がた
)
ければ、
萬一
(
もし
)
かの
教授
(
けうじゆ
)
さま
達
(
たつ
)
て
妻
(
つま
)
にと
仰
(
おほ
)
せのあらば
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのやうに
仰
(
おほ
)
せ下さりましても
私
(
わたし
)
にはお返事の致しやうが御座りませぬと言ひ
出
(
いづ
)
るに、何をと母が顔を出せば、あ、植村さん、植村さん、何処へお
出
(
いで
)
遊ばすのと
岸破
(
がば
)
と起きて
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それ
宜
(
よろ
)
しくば
仰
(
おほ
)
せの通りに成りましよと、どうでも嫌やがらせを言ひて困らせける。
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それ
宜
(
よろ
)
しくば
仰
(
おほ
)
せの
通
(
とほ
)
りに
成
(
な
)
りましよと、
何
(
ど
)
うでも
嫌
(
い
)
やがらせを
言
(
い
)
ひて
困
(
こま
)
らせける。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“仰”を含む語句
仰向
被仰
仰臥
仰山
仰反
仰付
仰々
欽仰
仰有
大仰
渇仰
御仰
仰言
有仰
仰聞
仰天
振仰
随喜渇仰
讃仰
渇仰者
...