ナマ)” の例文
午後、Nさん来庵、お土産の生海苔はめづらしくておいしかつた、沢山あるので、佃煮にしたり干したりしてをく、むろんナマでも食べたが。
其中日記:09 (九) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
生贄イケニヘとは、ナマのまゝで置いて、何時でも奉る事の出来る様に、けてある贄の事である。動物、植物を通じていふ。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ナマ々シイソコラノ 切リ株ヲ跨イデ
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
只今の神道家では、にへといへば、ナマなものをも含めて言ふが、にへといふ以上は、調理したものを言ふのである。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
生れて初めて、ナマの鶏肉(肌身)を食べた、初めて河豚を食べたときのやうな味だつた。
行乞記:04 (三) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
役者の癖にナマいき過ぎると見て感じた苦々しさと——、かうも見方が、隔つて来るものかと思うた。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
容貌については、五十を過ぎて、役者らしく整うて来たのが、まだナマの美しさの要求せられる若さの時代とて、此記事に劇壇の通論といふやうなものゝ出てゐるのも、おもしろい。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)