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甚
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ひど
ふりがな文庫
“
甚
(
ひど
)” の例文
恁
(
か
)
うして
買
(
か
)
つて
參
(
まゐ
)
ります
品物
(
しなもの
)
が
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らないと、
甚
(
ひど
)
いんですぜ、そりや、
踏
(
ふ
)
んだり、
蹴
(
け
)
つたり、ポカ/\でさ。
我又不善擇人參可否
(
われまたにんじんのかひをえらぶことをよくせず
)
。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
寒気も
甚
(
ひど
)
かったし天気も悪かったろうが、福島近傍の大森から、政宗領のはずれ、叛乱地の境近くに至るまでに十日もかかって居る。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は
其
(
その
)
第
(
だい
)
二
節
(
せつ
)
を
唱
(
うた
)
ふ
間
(
ま
)
も、
絶
(
た
)
えず
赤子
(
あかご
)
を
甚
(
ひど
)
く
搖
(
ゆす
)
り
上
(
あ
)
げたり
搖
(
ゆす
)
り
下
(
おろ
)
したりしたものですから、
可哀相
(
かあいさう
)
に
小
(
ちひ
)
さなのが
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
ぶので
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
で何事に依らず
氣疎
(
けうと
)
くなツて、
頭髪
(
かみ
)
も埃に
塗
(
まみ
)
れたまゝにそゝけ立ツて、一段と
瘻
(
やつれ
)
が
甚
(
ひど
)
く見える。そして
切
(
しきり
)
と故郷を戀しがツてゐる。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
故アーネスト・ハートなどは、人と語る中ややもすれば句切り同然に放っていたが、それは廉将軍の三遺失に等しく、
甚
(
ひど
)
く
耄
(
ぼ
)
れたのだ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
その中に
碇
(
いかり
)
を上げ帆を捲いて船を出したが、進むに従って横波が船の腹をドサンドサンと打って動揺して、それが段々
甚
(
ひど
)
くなった。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
貧乏に
甚
(
ひど
)
く驚くと云うもんで……旦那様が妻恋坂下で三年
後
(
あと
)
に御切腹なすったと云うのだから、これが何うも驚きましたね、何うも
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
とそれを
覗
(
のぞ
)
きにかゝつた。その大学生は幼稚園この
方
(
かた
)
まだ褒美といふものを貰つた事が無かつたので、
甚
(
ひど
)
くそれが珍しかつたのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
三千代の兄と云うのは
寧
(
むし
)
ろ
豁達
(
かったつ
)
な気性で、懸隔てのない
交際振
(
つきあいぶり
)
から、友達には
甚
(
ひど
)
く愛されていた。ことに代助はその親友であった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
勿論其の女は決して自分が殺したので無いと
甚
(
ひど
)
く言い張ったけれども何よりの証拠は左の手先の肉を、骨へまで死人に噛み取られて居て
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
従来
(
これまで
)
に無い
難産
(
なんざん
)
で、産の
気
(
け
)
が附いてから
三日目
(
みつかめ
)
の
正午
(
まひる
)
、陰暦六月の暑い
日盛
(
ひざか
)
りに
甚
(
ひど
)
い
逆児
(
さかご
)
で生れたのが
晃
(
あきら
)
と云ふ
怖
(
おそろ
)
しい
重瞳
(
ぢゆうどう
)
の児であつた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
庄吉は見出さるる度毎に
甚
(
ひど
)
く苛められ乍ら、それが却って彼の立聞きの好奇心を
煽
(
あお
)
った。彼の身体にはよく紫色に腫上った傷跡がついた。
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
李生はうっかりすると
甚
(
ひど
)
い目に逢うから、ここが大切だと思った。そう思う心の下から、ある皮肉な考えがちらと浮んできた。
申陽洞記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
明治四十三年の九月に佃島に
津波
(
つなみ
)
が来た。京橋の築地
河岸
(
がし
)
一体にまでその水は押上げたほどで、
洲崎
(
すざき
)
や月島は被害が
甚
(
ひど
)
かった。
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
今時分、ベイツさんが呼ばれるといふのは、多分誰かゞ
甚
(
ひど
)
く惡いのだと思ふとメァリー・アンが云つた。彼女は家に這入つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
京都など特に神社仏閣の多い土地ではこの問題の影響を受けることが一層
甚
(
ひど
)
かったのですが、神主側からいうと、非常に利益なことであって
幕末維新懐古談:31 神仏混淆廃止改革されたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
飼馴
(
かひなら
)
した籠の鳥でも逃げるかの樣に村中から惜まれて、自分でも
甚
(
ひど
)
く
殘惜
(
のこりを
)
しさうにして、二三日の中にフイと立つて了つた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一つは男に
甚
(
ひど
)
く女の醜い所を見せまいという矯飾の心、後世の道徳家の言葉で申せば貞淑の心から書かなかったのでしょう。
産屋物語
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
まあ、そのへつぽこ役人といつたらさ
ma
(
マ
)
chère
(
シェール
)
(いとしいかた)、そりやあ
甚
(
ひど
)
い
醜男
(
ぶをとこ
)
なの! まるで
龜
(
かめのこ
)
が袋をかぶつたみたい……。
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
然し
財
(
かね
)
といふものは人の心を迷はすもので、智者の学者の豪傑のと、千万人に
勝
(
すぐ
)
れた立派な立派な男子さへ、財の為には随分
甚
(
ひど
)
い事も為るのだ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
静枝は大詰の幕がおりない前に、後を晴代に
委
(
まか
)
せて、
体
(
てい
)
よく逃げたが、残された晴代は二人を
捲
(
ま
)
くのに
甚
(
ひど
)
く骨が折れた。
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
旦那様は
細
(
こまか
)
い活版刷の紙を
披
(
ひろ
)
げて御覧なさる、皆さんが無遠慮な方ばかりです。「こりゃ
甚
(
ひど
)
い、まるで読めない」と旦那様はその紙を投出しました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
育つに
随
(
つ
)
れて、丸々と
肥
(
ふと
)
って可愛らしかったのが、
身長
(
せい
)
に幅を取られて、ヒョロ長くなり、
面
(
かお
)
も
甚
(
ひど
)
くトギスになって、
一寸
(
ちょッと
)
狐のような犬になって了った。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
と私は、見馴れて居るこの山の手の一角の場所の中に、何時もとは
甚
(
ひど
)
くも違つた何物かがあるやうに思つた。
秋の第一日
(新字旧仮名)
/
窪田空穂
(著)
不思議に継子さんのことが
甚
(
ひど
)
く不安になつて来ましたので、乗らうか乗るまいかと考へてゐるうちに、汽車はわたくしを
置去
(
おきざ
)
りにして出て行つてしまひました。
停車場の少女:――「近代異妖編」
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
少
(
すくな
)
くとも
喋舌
(
しやべ
)
らないことを
以
(
もつ
)
て
甚
(
ひど
)
く
自分
(
じぶん
)
で
豪
(
え
)
らがる
者
(
もの
)
は
馬鹿者
(
ばかもの
)
の
骨頂
(
こつちやう
)
と
言
(
い
)
つて
可
(
よ
)
ろしい
而
(
そ
)
して
此種
(
このしゆ
)
の
馬鹿者
(
ばかもの
)
を
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
にチヨイ/\
見受
(
みう
)
ける
に
(
ママ
)
は
情
(
なさけ
)
ない
次第
(
しだい
)
である。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
で、
身體
(
からだ
)
が
甚
(
ひど
)
く
凍
(
こゞ
)
えて
了
(
しま
)
つたので、
詮方
(
せんかた
)
なく、
夕方
(
ゆふがた
)
になるのを
待
(
ま
)
つて、こツそりと
自分
(
じぶん
)
の
室
(
へや
)
には
忍
(
しの
)
び
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たものゝ、
夜明
(
よあけ
)
まで
身動
(
みうごき
)
もせず、
室
(
へや
)
の
眞中
(
まんなか
)
に
立
(
た
)
つてゐた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
十七歳などといふ年ごろは、一と月も見ないでゐると
甚
(
ひど
)
く變るものらしく、この人は鼻先が光るほど變つて見え、笑ひは顏ぢゆうに揉みくづれてゐてぽちやぽちやであつた。
巷の子
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
機会
(
おり
)
に依っては、何処かつんと思い揚って、取澄ましているかと思えば、また
甚
(
ひど
)
く
慎
(
つつまし
)
やかで、愛想もそう悪くはなかったが、今夜は余程思い余ったことがあるらしく、心が悩めば悩むほど
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
明治座の舞台稽古は、衣裳や
鬘
(
かつら
)
の都合で、
甚
(
ひど
)
く遅くなつたのです。私は其の間、早く稽古を済して、帰りたいと思つてゐました。それで
漸
(
やうや
)
く稽古が済んだのは、もう五日の午前二時頃でした。
忘れ難きことども
(新字旧仮名)
/
松井須磨子
(著)
誰が言うたか松島大佐も其れが為めに
甚
(
ひど
)
く感色を悪るくして居たと云ふのだから、——篠田も
最早
(
もはや
)
教会を除名した上は、
風評
(
うはさ
)
も自然立ち消えになるであらうが、
兎角
(
とかく
)
世間は
五月蝿
(
うるさい
)
ものだから
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
思わぬ大勢の来客に日出夫の父は仰天したがまた
甚
(
ひど
)
く喜びもした。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「丸石まで
甚
(
ひど
)
い山道だで、旦那んような方じゃ俥ん
利
(
き
)
きませんわ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
甚
(
ひど
)
い雨になつたなあ。」と異口同音に言つた。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
御やすみになっているところを御起しして済みませんが、
夜前
(
やぜん
)
からの雨があの通り
甚
(
ひど
)
くなりまして、
渓
(
たに
)
が
俄
(
にわか
)
に
膨
(
ふく
)
れてまいりました。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
といふので、男が持前の
自惚
(
うぬぼれ
)
から、みんな自分がその忘れられない男にならうと、せつせと通つて来るので、
甚
(
ひど
)
く全盛を極めたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
所々の
水溜
(
みずたまり
)
では、
夫人
(
おくさん
)
の足がちらちら映る。
真中
(
まんなか
)
は
泥濘
(
ぬかるみ
)
が
甚
(
ひど
)
いので、
裙
(
すそ
)
の濡れるのは我慢しても、
路傍
(
みちばた
)
の草を
行
(
ゆ
)
かねばならない。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「村の鎮守様だ、神様の手を切るとは
甚
(
ひど
)
いことをしたものだ、どんな祟りがあるかも知れん、叩き殺して神様にお詫びをする」
殺神記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
長「大層誉めました、此の位の
名幅
(
めいふく
)
を所持している者は、此の国にゃア領主にも有るまいとの評判で、お客振りも
甚
(
ひど
)
く宜しゅうございました」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それは
甚
(
ひど
)
く雪の降った日のことであったという。座には早川千吉郎、益田なにがし、その他
錚々
(
そうそう
)
の顔触れが
居並
(
いなら
)
んでいた。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
私が
甚
(
ひど
)
い目に
遭
(
あ
)
はされたといふ譯ではございませんのよ。私、さかねぢを
食
(
く
)
はせるやうに、いつも用意してをりましたの。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
見𢌞して置いて、肩を
搖
(
ゆす
)
ツて、「だが、此の位のことが解らんやうぢや、諸君の頭はノンセンスだ。」といふ。これが
甚
(
ひど
)
く學生等の
疳癪
(
かんしやく
)
に觸ツた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
熟
(
じツ
)
と
考
(
かんが
)
へ
初
(
はじ
)
めました、『さて、
私
(
わたし
)
がそれを
家
(
うち
)
へ
伴
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて
何
(
ど
)
うしやう?』やがて
又
(
また
)
甚
(
ひど
)
く
唸
(
うな
)
つたので、
愛
(
あい
)
ちやんは
驚
(
おどろ
)
いて
其顏
(
そのかほ
)
に
見入
(
みい
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
白痴ながら住者は
甚
(
ひど
)
く喜んで室の一方の隅へ行き、何か拾って握って来て、お礼と云う見得で余に差し出した。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
この言葉は、
甚
(
ひど
)
く甲田の心を害した。たとひ對手が何にしろ、旅をして困つてる者へ金を呉れるのが何が
好事
(
ものずき
)
なものかと思つたが、たゞ苦笑ひをして見せた。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一日食卓から落ちた肉を犬が食うて
甚
(
ひど
)
く打たれたので、犬の王に愁訴する、王猫をして驢皮書を出さしむるに見えず。それより犬と猫、猫と鼷が不断仇視すると。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
初は
甚
(
ひど
)
く
吃驚
(
びっくり
)
したが、
能
(
よ
)
く研究して見ると、なに、父の
鼾
(
いびき
)
なので、
漸
(
やっ
)
と安心して、其儘再び眠ろうとしたが、
壮
(
さかん
)
なゴウゴウスウスウが耳に附いて中々
眠付
(
ねつか
)
れない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そうして、自分が遠からず、彼よりも
甚
(
ひど
)
く失脚するのは、
殆
(
ほと
)
んど未発の事実の如く確だと
諦
(
あきら
)
めていたから、彼は
侮蔑
(
ぶべつ
)
の眼を
以
(
もっ
)
て寺尾を迎える訳には行かなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お徳はこう睨みつけられたとなると
最早
(
もう
)
喧嘩
(
けんか
)
だ、何か
甚
(
ひど
)
い皮肉を言いたいがお清が
傍
(
そば
)
に居るので辛棒していると十八九になる増屋の御用聞が木戸の方から入て来た。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
奈良や、京都などでは特にそれが
甚
(
ひど
)
かった中に、あの興福寺の塔などが二束三文で売り物に出たけれども、誰も買い
手
(
て
)
がなかったというような
滑稽
(
こっけい
)
な話がある位です。
幕末維新懐古談:31 神仏混淆廃止改革されたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
甚
常用漢字
中学
部首:⽢
9画
“甚”を含む語句
太甚
甚麽
甚大
甚兵衛
幸甚
甚麼
甚太夫
甚振
佐橋甚五郎
甚深微妙
甚句
深甚
甚深
激甚
甚助
左甚五郎
甚平
脇坂甚内
甚五郎
甚内
...