トップ
>
辛
>
がら
ふりがな文庫
“
辛
(
がら
)” の例文
「まあ、あなたは黙っていらっしゃい。あなたのように莫迦正直では、このせち
辛
(
がら
)
い世の中に、
御飯
(
ごはん
)
を食べる事も出来はしません。」
仙人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
悲劇でもよいから、せめて
浪漫
(
ロマン
)
的な恋をとおもうが、すでに、世の中はせち
辛
(
がら
)
くなっていてお互いの経済の事がまず胸に来る。
恋愛の微醺
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
セチ
辛
(
がら
)
かった事や、家庭消費の面の地味だったことは、到底、今日この頃のような、ふんだんなものではなかった。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或る人の書いたものの中に、余りせち
辛
(
がら
)
い世間だから、
自用車
(
じようしゃ
)
を節倹する格で、当分良心を質に入れたとあったが、質に入れるのは
固
(
もと
)
より一時の融通を計る
便宜
(
べんぎ
)
に過ぎない。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
へい全くセチ
辛
(
がら
)
い浮世で、なんにでも運上がかかるので、
平几帳面
(
ひらきちょうめん
)
にくらそうとしても、見渡す世間が不正直なので、それがうつるんでございますな。まあまあどうぞお縄だけは……
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
賣
(
う
)
れ
口
(
くち
)
よければ
仕入
(
しいれ
)
あたらしく
新田
(
につた
)
と
呼
(
よ
)
ぶ
苗字
(
めうじ
)
そのまゝ
暖簾
(
のれん
)
にそめて
帳場格子
(
ちやうばがうし
)
にやに
下
(
さが
)
るあるじの
運平
(
うんぺい
)
不惑
(
ふわく
)
といふ
四十男
(
しじふをとこ
)
赤
(
あか
)
ら
顏
(
がほ
)
にして
骨
(
ほね
)
たくましきは
薄醤油
(
うすじやうゆ
)
の
鱚
(
きす
)
鰈
(
かれひ
)
に
育
(
そだ
)
ちて
世
(
よ
)
のせち
辛
(
がら
)
さなめ
試
(
こゝろ
)
みぬ
附
(
つ
)
け
渡
(
わた
)
りの
旦那
(
だんな
)
株
(
かぶ
)
とは
覺
(
おぼ
)
えざりけり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我我は皆せち
辛
(
がら
)
い現代の日本に育つてゐる。さう云ふことに苦労するのは
勿論
(
もちろん
)
、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
意味を正確に伝へる文章を作る
余裕
(
よゆう
)
さへない。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
なるほど彼の卒業した時代に比べると、世間は十倍も
世知
(
せち
)
辛
(
がら
)
くなっていた。しかしそれは衣食住に関する物質的の問題に過ぎなかった。従って青年の答には彼の思わくと多少
喰
(
く
)
い違った点があった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
況
(
いはん
)
や今後もせち
辛
(
がら
)
いことは度たび辯ぜずにはゐられないであらう。かたがた今度の随筆の題も野人生計の事とつけることにした。勿論これも清閑を待たずにさつさと書き上げる随筆である。
野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“辛”の解説
辛(しん、かのと)は、十干の8番目である。
陰陽五行説では金性の陰に割り当てられており、ここから日本では「かのと」(金の弟)ともいう。
(出典:Wikipedia)
辛
常用漢字
中学
部首:⾟
7画
“辛”を含む語句
辛々
辛苦
辛抱
辛労
塩辛
唐辛
辛夷
鹽辛
鹽辛聲
辛酉
唐辛子
世智辛
苦辛
辛子
居辛
辛防
御辛抱
辛未
辛而
辛気臭
...