からく)” の例文
身に付ゐたるが天神丸の巖石に打付うちつけられし機會はずみはるかの岩の上へ打上られしばし正氣しやうきも有ざりけるやゝときすぎて心付ほつと一いきつきゆめの覺し如くさるにても船は如何せしやとかすかにてら宵月よひづきの光りにすかし見ば廿人の者共は如何にせしや一人もかげだになし無漸むざん鯨魚くぢら餌食ゑじきと成しか其か中にてもわれひとりからくいのちたすかりしは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)