“からし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カラシ
語句割合
芥子45.9%
辛子40.5%
芥菜2.7%
唐辛2.7%
2.7%
西洋辛子2.7%
2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だがほかのやつらはなっちゃねえ、芥子からしのきいてそうなやつは一人もいやしねえ。悠二郎は張合のないような気持で、幾たびもふんと鼻を鳴らした。
桑の木物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
私は、蓮根れんこんの穴の中に辛子からしをうんとめてげた天麩羅てんぷらを一つ買った。そうして私は、母とその島を見ながら、一つの天麩羅を分けあって食べた。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「十一をんな」、芥菜からし木犀もくせいの花、僞のもつと少ない手足よりも、おまへたちのはうがわたしはすきだ。ほろんだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
芥菜からしの花、おまへの優しい心はみんな歌になつて、なくなつてしまふ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
国民党の脱会者だつたら、思ひ出すたびに、持前の唐辛からしのやうな皮肉を浴びせ掛けるのだが、相手が刀剣かたなであつてはさうも出来ない。
聞く所に依れば、英人は鱷猟の組合を組織して鱷を捕へ、その背肉はいにくをビイフステエキの如く調理し、からし、ソオスを加へ、馬鈴薯じやがいもと共に食ふと云ふ。
草わかば踏めば身も世も黄にみぬ西洋辛子からしこなを花はふり
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
眼前めのまへにあるソースやからし入物いれものだの、ごちや/\ならべた洋酒のびんだの、壁紙で貼りつめた壁だの、その壁にかゝる粗末の額、ビイルの広告などは、反つて私の身を置く場所にふさはしかつた。
(新字旧仮名) / 島崎藤村(著)