トップ
>
辛
>
やっ
ふりがな文庫
“
辛
(
やっ
)” の例文
それで、子供の時分から路傍に物乞いして
辛
(
やっ
)
と生命をつないできた彼は、生きてゆくことの辛苦を厭というほど嘗めさせられたのである。
乞食
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
辛
(
やっ
)
と人の手が這入る程の穴がある、併し穴の中は真暗だ、余は之に手を入れようとしたが、女か子供の手なら格別、余の様な武骨な手は到底這入らぬ
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
若子さんが白い美しい手を、私の方へお伸しでしたから、私も其手につかまって、二人一緒に抱合う様にして、
辛
(
やっ
)
と放れないで待合室の傍まで行ったのでした。
昇降場
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
その内にまず独で乗ることも出来るようになったが、或る時葛岡という馬に乗った時に、急に
跑
(
だく
)
を以て駈出した。私は未だ鞍が固まらぬから非常に驚いて今にも落るかと思ったが、
辛
(
やっ
)
と免れた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
だが、おれはこうして
辛
(
やっ
)
と無罪放免になったばかりなのに、今この瞬間ほど、自分を痛切に罪人だと感じたことはない。
ピストルの蠱惑
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
▼ もっと見る
...
私
(
わし
)
はアレを此頃流行るアノ太い鉄の
頭挿
(
かんざし
)
を突込んだ者と鑑定するが
何
(
ど
)
うだ」大鞆は思わずも笑わんとして
辛
(
やっ
)
と
食留
(
くいと
)
め「女がかえ(谷)
頭挿
(
かんざし
)
だから
何
(
ど
)
うせ女サ、女が自分で仕なくても曲者が、 ...
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
辛
(
やっ
)
と百石で家名だけは取止めたのであった。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
お前さんは
辛
(
やっ
)
と二、三
日
(
ち
)
前に
起床
(
おき
)
られるようになったばかりじゃないか。それに、こんな天気に外出するとまた悪くなるよ。もう少し我慢をしなさい。
碧眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
穴川は
辛
(
やっ
)
と言葉を発する有様で、苦痛の中から余に向い時々「有難い」と云う言葉を洩した。余は「艱難には相見互いだ」と答え、口を利くと宜くないから成る可く無言で居ろと親切げに制止した。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
辛
(
やっ
)
とのことで刑死者の墓地へ辿りつくと、彼女はそこへがっくりと膝まずいて、花を地べたに撒きちらした。
碧眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
辛
(
やっ
)
とホテルまで帰って来ると、転げるように戸口を入った。ホテルの連中は、例のむっとするうん気と煙りの中でまだ
花牌
(
はな
)
をひいていたが、彼女の顔を見ると皆んなが変に黙りこんでしまった。
碧眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
“辛”の解説
辛(しん、かのと)は、十干の8番目である。
陰陽五行説では金性の陰に割り当てられており、ここから日本では「かのと」(金の弟)ともいう。
(出典:Wikipedia)
辛
常用漢字
中学
部首:⾟
7画
“辛”を含む語句
辛々
辛苦
辛抱
辛労
塩辛
唐辛
辛夷
鹽辛
鹽辛聲
辛酉
唐辛子
世智辛
苦辛
辛子
居辛
辛防
御辛抱
辛未
辛而
辛気臭
...