かれ)” の例文
「おい、おい。その具足櫃は丁寧にあつかってくれ。今日は危なくおれの首を入れられるところだった。塩っかれえ棺桶は感心しねえ。」
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「願いさげだな」男は眼の隅で、文次をぬすみ見ながら、云った、「おめえの酒は女っくせえ、しゃれて云えば女の涙で塩っかれえからな、——伴れがあるようだが友達か」
あすなろう (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
べらぼうめエ、あたりめエよ。かれえ砂糖ってあるものか。……そこで砂糖を水へ入れる。と、出来るのは砂糖水。これじゃア一向くだらねえ。手品でも何でもありゃアしねえ。そこでグッと趣向を
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)