“かろう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
52.6%
家老26.3%
国老5.3%
歌楼5.3%
華朗5.3%
過労5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父親が没してからまる十年、生死いきじにの海のうやつらやの高波に揺られ揺られてかろうじて泳出およぎいだした官海もやはり波風の静まる間がないことゆえ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ってその人物をうけたまわると、もとは家老かろうだったが今では家令かれいと改名して依然として生きていると何だか妙な事を答える。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其処に二疋の馬がいて傍に陣笠を冠った旅装束の武士が二人立ち、それと並んで権兵衛の下僚したやくの者が二三人いた。権兵衛は急いで陣笠の武士の傍へ往った。武士の一人は国老かろう孕石小右衛門はらみいしこえもんであった。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
歌楼かろうのうち、やさけびのおとしらぬ顔
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
この一首は、従駕の作であるから、謹んで作っているので、その歌調もおのずから華朗かろうで荘重である。けれどもそれだけ類型的、図案的で、特に人麿の歌句の模倣なども目立つのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
けれど、按摩あんまは、わたしがなくっては、ちっともあるけませんので、どこへいくにもわたしをつれていきました。わたしからだは、日夜にちや過労かろうのために、だんだんやせていきました。
河水の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)