家老かろう)” の例文
父親ちちおやというのは家老かろうですが、自分じぶんのむすこにたいしてはとてもあまいおやばかでしたから、諭吉ゆきちのいとこ藤本元岱ふじもとげんたいをよびつけて
ってその人物をうけたまわると、もとは家老かろうだったが今では家令かれいと改名して依然として生きていると何だか妙な事を答える。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「蛇性の婬」は支那の西湖佳話せいこかわの翻案であるが、これは馬琴が自ら筆記して、讃州さんしゅう高松藩たかまつはん家老かろうに送つたものであるから、まさかに翻案や捏造ねつぞうではあるまいと思はれる。
梟娘の話 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
書付かきつけとしてご家老かろう徳山とくやまどのへお渡しになっております
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうなると、おもしろくないのは、奥平壱岐おくだいらいきでした。壱岐いき身分みぶんのたかい家老かろうのむすこで、諭吉ゆきちより十さいぐらい年上としうえです。
「お——こりゃご家老かろうのおやりではございませぬか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壱岐いき諭吉ゆきち長崎ながさきからおいだしたひとですが、家老かろうのむすこですから、しらぬかおをしているわけにもいきません。
「やッ、ご家老かろうが」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆびあつめる家老かろう
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)