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『さらわれた兄よ』
ふりがな文庫
『
さらわれた兄よ
(
さらわれたあによ
)
:
――残された妹の歌――
(
――のこされたいもうとのうた――
)
』
まるで野中の鶏小舎を襲う野犬のように 奴等は一言も吠えず踏込んで来た 寝ていた兄はガバとはね起き 突嗟に雨戸を押倒して奴等を踏みつけた けれど奴等は一人ではなかった すぐ躍りかかる奴があった 兄は組み敷かれた 兄は引っ立てられた 奴等は遂に …
著者
槙本楠郎
ジャンル
文学 > 日本文学 > 詩歌
初出
「戦旗」全日本無産者芸術連盟本部、1930(昭和5)年3月臨時増刊号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約2分(500文字/分)
朗読目安時間
約2分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
妾
(
わたし
)
柘榴
(
ざくろ
)
櫃
(
ひつ
)