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唯
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たヾ
ふりがな文庫
“
唯
(
たヾ
)” の例文
真実
(
ほんたう
)
にあなたはお
可哀相
(
かあいさう
)
です。お
可哀相
(
かあいさう
)
です。あの
方
(
かた
)
のことをあなたが私へお話しになつたことは
唯
(
たヾ
)
一度しかありません。結婚して
一月
(
ひとつき
)
も経たない時分でした。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
本尊の阿弥陀様の
御顔
(
おかほ
)
は暗くて拝め無い、
唯
(
たヾ
)
招喚
(
せうくわん
)
の
形
(
かたち
)
を
為給
(
したま
)
ふ右の
御手
(
おて
)
のみが
金色
(
こんじき
)
の
薄
(
うす
)
い
光
(
ひかり
)
を
示
(
しめ
)
し給うて居る。貢さんは内陣を出て四畳半の自分の部屋に
入
(
はい
)
つた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
お
落
(
おと
)
しなさるな、と
呼
(
よ
)
びもならず、
俄
(
には
)
かに
心付
(
こヽろづき
)
て
四邊
(
あたり
)
を
見
(
み
)
れば、
花
(
はな
)
に
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
我
(
わ
)
れを
笑
(
わら
)
ふか、
人目
(
ひとめ
)
はなけれど
何處
(
どこ
)
までも
恐
(
おそ
)
ろしく、
庭掃除
(
にはそうぢ
)
そこそこに
唯
(
たヾ
)
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
はじと
計
(
はか
)
り
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三郎の寝床がなくなつてからのあなたの
蚊帳
(
かや
)
の中の様子は海の中に
唯
(
たヾ
)
一つある島のやうであると思つて、この前と同じやうな淋しさを私が感じると云ふのです。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
お
前
(
まへ
)
さまの
事
(
こと
)
は
宜
(
よろ
)
しくお
民
(
たみ
)
が
承知
(
しようち
)
して
居
(
お
)
れば
少
(
すこ
)
しも
心配
(
しんぱい
)
の
事
(
こと
)
はあらず、
唯
(
たヾ
)
これまでと
違
(
ちが
)
ひて
段々
(
だん/\
)
と
大人
(
おとな
)
になり
世間
(
せけん
)
の
交際
(
つきあい
)
も
知
(
し
)
らねばならず、
第
(
だい
)
一に六づかしきは
人
(
ひと
)
の
機嫌
(
きげん
)
なり
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
唯
(
たヾ
)
死
(
し
)
ねかしと
身
(
み
)
を
捨
(
すて
)
ものにして、
部屋
(
へや
)
より
外
(
そと
)
に
足
(
あし
)
も
出
(
だ
)
さず、
一心
(
いつしん
)
悔
(
くや
)
み
初
(
そ
)
めては
何方
(
いづかた
)
に
訴
(
うつた
)
ふべき、
先祖
(
せんぞ
)
の
耻辱
(
ちじよく
)
家系
(
かけい
)
の
汚
(
けが
)
れ、
兄君
(
あにぎみ
)
に
面目
(
めんもく
)
なく
人目
(
ひとめ
)
はずかしく、
我心
(
わがこヽろ
)
我
(
わ
)
れを
責
(
せ
)
めて
夜
(
よ
)
も
寐
(
ね
)
ず
晝
(
ひる
)
も
寐
(
ね
)
ず
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その時のも覚書以上の物ではありませんし、
唯
(
たヾ
)
今と同じやうにあなたの見て下さるのに骨の折れないやうにと雑記帳へ書くこともしたのでしたが、今よりは余程瞑想的な頭が土台になつて居ました。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
唯
常用漢字
中学
部首:⼝
11画
“唯”を含む語句
唯一
唯々
唯一人
唯今
唯物
唯唯
唯々諾々
唯事
唯我独尊
唯者
唯識
唯中
唯〻
唯一不二
唯物論者
唯一言
真唯中
唯有
唯識論
唯独
...