“唯(あい)” の例文
乳母 はい/\、默(だま)りまする、でもな、笑(わら)はいではをられませぬ、啼(な)くのを止(や)めて、「唯(あい)」と言(い)はッしゃったと思(おも)ふと。
これ、お死(し)にゃったが實(ぢゃう)ならば、唯(あい)と言(い)や。さうでなくば否(いな)と言(い)や。たった一言(ひとこと)二言(ふたこと)で此身(このみ)の生死(しゃうし)が決(きま)るのぢや。
「仰向(あふむけ)に轉倒(ころ)ばっしゃらう、なァ、孃(いと)」と言(い)ふと、阿呆(あはう)どのが啼止(なきだま)って、「唯(あい)」ぢゃといの。(笑ふ)