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唯
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ゆゐ
ふりがな文庫
“
唯
(
ゆゐ
)” の例文
庭
(
には
)
の
木陰
(
こかげ
)
に
身
(
み
)
を
避
(
さ
)
けてしんみりと
互
(
たがひ
)
の
胸
(
むね
)
を
反覆
(
くりかへ
)
す
時
(
とき
)
繁茂
(
はんも
)
した
柹
(
かき
)
や
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
は
彼等
(
かれら
)
が
唯
(
ゆゐ
)
一の
味方
(
みかた
)
で
月夜
(
つきよ
)
でさへ
深
(
ふか
)
い
陰翳
(
かげ
)
が
安全
(
あんぜん
)
に
彼等
(
かれら
)
を
包
(
つゝ
)
む。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
事件の眞相を突止めて、惡い者に思ひ知らせてやるのが、平次の十手捕繩にかけた、
唯
(
ゆゐ
)
一の望みだつたのです。
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夜
(
よる
)
の
色
(
いろ
)
にその
葉
(
は
)
の
緑
(
みどり
)
は
黒
(
くろ
)
ずみ、
可愛
(
かあい
)
らしい
珊瑚珠
(
さんごじゆ
)
のやうな
赤
(
あか
)
い
實
(
み
)
も
眠
(
ねむ
)
たげではあるけれど、
荒涼
(
くわうりやう
)
たる
冬
(
ふゆ
)
に
於
(
お
)
ける
唯
(
ゆゐ
)
一の
彩
(
いろど
)
りが、
自然
(
しぜん
)
の
野
(
の
)
からこの
部屋
(
へや
)
に
移
(
うつ
)
されて
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
唯
(
ゆゐ
)
一の願ひすべてを忘れてる
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
「おつう
俺
(
お
)
らとつても
今度
(
こんだあ
)
駄目
(
だめ
)
だよ」
勘次
(
かんじ
)
は
果敢
(
はか
)
ない
自分
(
じぶん
)
の
心持
(
こゝろもち
)
を
唯
(
ゆゐ
)
一の
家族
(
かぞく
)
であるおつぎの
身體
(
からだ
)
へ
投
(
な
)
げ
掛
(
か
)
けるやうに
萎
(
しを
)
れ
切
(
き
)
つていつた。
勘次
(
かんじ
)
は
衷心
(
ちうしん
)
から
恐怖
(
きようふ
)
したのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
これが殘る
唯
(
ゆゐ
)
一の疑ひでした。
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
醫者
(
いしや
)
は
更
(
さら
)
に
勘次
(
かんじ
)
を
藥舖
(
くすりや
)
へ
走
(
はし
)
らせた。
勘次
(
かんじ
)
は
只
(
たゞ
)
醫者
(
いしや
)
のいふが
儘
(
まゝ
)
に
息
(
いき
)
せき
切
(
き
)
つて
駈
(
か
)
けて
歩
(
ある
)
く
間
(
あひだ
)
が、
屹度
(
きつと
)
どうにか
防
(
ふせ
)
ぎをつけてくれるだらうとの
恃
(
たのみ
)
もあるので
僅
(
わづか
)
に
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こゝろ
)
を
慰
(
なぐさ
)
め
得
(
う
)
る
唯
(
ゆゐ
)
一の
機會
(
きくわい
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
唯
常用漢字
中学
部首:⼝
11画
“唯”を含む語句
唯一
唯々
唯一人
唯今
唯物
唯唯
唯々諾々
唯事
唯我独尊
唯者
唯識
唯中
唯〻
唯一不二
唯物論者
唯一言
真唯中
唯有
唯識論
唯独
...