はい)” の例文
はいなあにかはつたことでもござりませぬ、わし嬢様ぢやうさまのことはべつにおたづまをしませんから、貴女あなたなんにもふてはくださりますな。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
俯伏たまゝたゞはい、唯と答ふるのみにて、乱鬢の中に五六本の白髪が瞬く燈火あかりの光を受けてちらり/\と見ゆるばかり。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あの人は忠義だからいやでも殿様の仰しゃる事ならはいと云って言う事を聞きます、あの位な忠義な人はない、旗下はたもと八万騎の多い中にも恐らくはあの位な者は一人もありますまい
不面目ふめんもくゆゑ、国許くにもと通知つうち無用むよう、と当人たうにんかためたものゝ、はいやうで、とばかりで旅籠屋はたごやではましてられぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はい、ありがたうはござりまするが、虚言うそは申せず、厭なりや出来ませぬ。おのれよく云つた、源太の言葉にどうでもつかぬ歟。是非ないことでござります。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
貴方は御浪人なすっても以前は立派なお武士様さむらいさまで、わたくしのような船頭を相手にする廻船問屋如き者の妹娘を貰いたいと仰しゃれば、はいと二ツ返辞で差上げんければ成らん処だが
はい唯今たゞいまあの爺様ぢいさんが、やうまをしましたやうにぞんじますが、夫人おくさまでございますか。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
十兵衞脆くも梟と常〻悪口受くる銅鈴眼すゞまなこはや涙を浮めて、はい、唯、唯ありがたうござりまする、思ひ詰めて参上まゐりました、その五重の塔を、斯様いふ野郎でござります、御覧の通り
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
はい、もうけてござりえす。」と女房が腰を浮かす、その裾端折すそはしょりで。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はいよろしうございます、何事なにごと仰有おツしやりつけはそむきますまい。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はい、ござりえす、出しますかえ。」と女房は判然はっきり言った。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)