“一重羽織”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとえばおり80.0%
ひとへばおり20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
久米君は見兼みかねて鉄条綱の向から重い書物の包と蝙蝠傘とを受取ってくれたので、私は日和下駄の鼻緒はなお踏〆ふみしめ、つむぎ一重羽織ひとえばおりの裾を高く巻上げ、きっと夏袴の股立ももだちを取ると
山嵐はどうしたかと見ると、紋付もんつき一重羽織ひとえばおりをずたずたにして、向うの方で鼻をいている。鼻柱をなぐられて大分出血したんだそうだ。鼻がふくれ上がって真赤まっかになってすこぶる見苦しい。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
の人々の中に長吉ちやうきち偶然ぐうぜんにも若い一人の芸者が、口には桃色のハンケチをくはへて、一重羽織ひとへばおり袖口そでぐちぬらすまいめか、真白まつしろ手先てさきをば腕までも見せるやうに長くさしのばしてゐるのを認めた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)