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一重羽織
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ひとえばおり
ふりがな文庫
“
一重羽織
(
ひとえばおり
)” の例文
久米君は
見兼
(
みか
)
ねて鉄条綱の向から重い書物の包と蝙蝠傘とを受取ってくれたので、私は日和下駄の
鼻緒
(
はなお
)
を
踏〆
(
ふみし
)
め、
紬
(
つむぎ
)
の
一重羽織
(
ひとえばおり
)
の裾を高く巻上げ、きっと夏袴の
股立
(
ももだち
)
を取ると
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
山嵐はどうしたかと見ると、
紋付
(
もんつき
)
の
一重羽織
(
ひとえばおり
)
をずたずたにして、向うの方で鼻を
拭
(
ふ
)
いている。鼻柱をなぐられて大分出血したんだそうだ。鼻がふくれ上がって
真赤
(
まっか
)
になってすこぶる見苦しい。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その人々の中に長吉は偶然にも若い一人の芸者が、口には桃色のハンケチを
啣
(
くわ
)
えて、
一重羽織
(
ひとえばおり
)
の
袖口
(
そでぐち
)
を
濡
(
ぬら
)
すまいためか、
真白
(
まっしろ
)
な手先をば腕までも見せるように長くさし
伸
(
のば
)
しているのを認めた。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
君江は
竪
(
たて
)
シボの
一重羽織
(
ひとえばおり
)
をぬいで肩掛と一つにして
風呂敷
(
ふろしき
)
に包んだ。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「わたし、ほしくないわ。」と君江も
一重羽織
(
ひとえばおり
)
の
紐
(
ひも
)
を解きかけた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
重
常用漢字
小3
部首:⾥
9画
羽
常用漢字
小2
部首:⽻
6画
織
常用漢字
小5
部首:⽷
18画
“一重”で始まる語句
一重
一重瞼
一重物
一重目縁
一重咲
一重垣
一重差
一重桜
一重目
一重褄