あつら)” の例文
其瞬間息がつまるように感じた。こんなに綺麗でそして雄勁ゆうけいな山の膚や輪廓を見た事がない。余り綺麗なのであつらえた物ではないかと、不図ふとそんなかんがえが浮んだ程である。
美ヶ原 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
生玉子を割って、つは吸ものにし、且つはおじやと言う、上等のライスカレエを手鍋であつらえる。……腹ぐあいの悪い時だし、秋雨もこう毎日降続ふりつづいて、そぞろ寒い晩にはこれが何より甘味うまい。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)