しつら)” の例文
壁の中の隠し金庫——伯爵の書斎の書棚裏にしつらえられた隠し金庫を探しても、宝石貴金属類は、もはや、まったく皆無であった。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
車室しやしつからりたのは自分じぶん一人ひとりだつたかれに、海拔かいばつ二千じやくみねけるプラツトフオームは、あたかくもうへしつらへたしろ瑪瑙めなう棧敷さじきであるがごとおもはれたから、驛員えきゐんたいする挨拶あいさつ
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
居間からは洋琴ピアノの音が洩れたりレコードが奏でられたり、そして昼は庭の常春藤きづたの陰に卓子テーブルしつらえさせて、そこで食事を取っていたようであったが、かれこれちょうど二
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
やがて見事な大樹が双方からおおかぶさって、自然の緑門アーチしつらえた見上げるような大玄関へ着くと、昔ながらの金筋いかめしい仕着せの召使が、壮麗な応接間へ導いてくれる。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
鉄のボールトを組んだ本檻をしつらえたのであった。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)