“控鈕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ボタン80.0%
ぼたん20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それからねえ。ヰクトルやあ。お前はこの薔薇を控鈕ボタンの穴にお插し。ヤコツプやあ。お前もお插し。」
薔薇 (新字旧仮名) / グスターフ・ウィード(著)
薄き汗衫じゆばん一枚、鞣革なめしがははかま一つなるが、その袴さへ、控鈕ボタンはづれて膝のあたりに垂れかゝりたるを、心ともせずや、「キタルラ」のいと、おもしろげに掻き鳴して坐したり。
只大臣の服には、控鈕ぼたんあな略綬りゃくじゅはさんである。その男のにはそれが無い。のちに聞けば、高縄の侯爵家の家扶が名代みょうだいに出席したのだそうである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
奥さんが、傍に這っている、絹糸を巻いた導線の尖の控鈕ぼたんを押すと、遠くにベルの鳴る音がした。廊下の足音が暫くの間はっきり聞えていてから、次の間まで来たしづえの御用を伺う声がした。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)