ひも)” の例文
宿なしの彼は同室者に対する気兼ねから、ひもじい体をむち打ちながら、いつも用ありげにちまた雑沓ざっとうのなかを歩いていた。金はなく、彼の関係している雑誌も久しく休刊したままだった。
火の唇 (新字新仮名) / 原民喜(著)