情夫ひも)” の例文
その界隈かいわいのぐれ仲間の一人である長さんと結託し、長さんを浪花節語りの色男に仕立てゝ、おきみの政略的情夫ひもとしたのである。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
それに、彼女に手枷足枷てかせあしかせをはめてゐる政略的ひもはあつても、彼女を逃亡させようとする情夫ひもは一人もなかつたのだ。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
長さんは情夫いろをかさに着て、おきみの名で三十圓、五十圓と主人から借りて行くやうに見せかけて、實はその二割ほどを、政略的情夫ひもの手數料として自分の懷へ入れるだけであつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)