“肖顔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にがほ62.5%
にがお37.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其時、人々の背後うしろに腰掛け、手帳を繰りひろげ、丑松や文平の肖顔にがほを写生し始めたのは準教員であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
地霊ルル…………アスタ・ニールズン」彼はニールズンを好きで、数枚その肖顔にがほを描いてる男である。私の顔をジロ/\みながら、一緒に散歩したものか、どうかと考へてゐる。彼も淋しさうである。
散歩生活 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
アそれには及ばずとて竈辺かまどへんの木炭片を採り、その人の肖顔にがおを壁に画く。その画成らざるに早王はその誰たるを認めたという。似た例は東洋にもあり。
絵なり、すがたなり、天女、美女、よしや傾城けいせい肖顔にがおにせい、美しい容色きりょうたと云うて、涙を流すならば仔細しさいない。誰も泣きます。鬼瓦さながらでは、ソッとも、嘘にも泣けませぬ。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)