肖顔にがお)” の例文
アそれには及ばずとて竈辺かまどへんの木炭片を採り、その人の肖顔にがおを壁に画く。その画成らざるに早王はその誰たるを認めたという。似た例は東洋にもあり。
絵なり、すがたなり、天女、美女、よしや傾城けいせい肖顔にがおにせい、美しい容色きりょうたと云うて、涙を流すならば仔細しさいない。誰も泣きます。鬼瓦さながらでは、ソッとも、嘘にも泣けませぬ。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
先生の肖顔にがおだという風説うわさがあって、男振おとこぶりがいかにもいい。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)