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嬌
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なまめ
ふりがな文庫
“
嬌
(
なまめ
)” の例文
坐り直すと
却
(
かえ
)
って、躯の線のやわらかさと、
嬌
(
なまめ
)
かしさとが際立つようにみえた、「いいこと、お師匠さん」と女はあまえた口ぶりで云った
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
今日は
殊
(
こと
)
に
推
(
お
)
して来にけるを、
得堪
(
えた
)
へず心の
尤
(
とが
)
むらん
風情
(
ふぜい
)
にて
佇
(
たたず
)
める
姿
(
すがた
)
限無
(
かぎりな
)
く
嬌
(
なまめ
)
きて見ゆ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
余は一人長椅子の上に
坐
(
すわ
)
った。そうして永い日が
傾
(
かたむ
)
き尽して、原の色が寒く変るまでぽかんとしていた。すると静かな野の中でどうぞ、ちと御遊びに、私一人ですからと云う
嬌
(
なまめ
)
かしい声がした。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「鶯嬌柳嚲美人天。墨水東山春正妍。好箇家郷不能住。満簔風雨入蜑烟。」〔鶯
嬌
(
なまめ
)
キテ柳
嚲
(
た
)
ル美人ノ天/墨水東山春正ニ妍ナリ/好箇ノ家郷モ住ム能ハズ/満簔ノ風雨蜑烟ニ入ル〕の一首を題した。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
という
嬌
(
なまめ
)
かしい声。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
逢っているうちは極めて
嬌
(
なまめ
)
かしく、いまにも肌をゆるしそうにみせながら、もう一歩というところで巧みに
躱
(
かわ
)
されてしまう。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その夜具は大きく厚く、
嬌
(
なまめ
)
かしい色のもので、脇に小さな茶箪笥と長火鉢があるため、深喜は坐り場に困った。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
むしろ
伝法
(
でんぽう
)
な姿であって、しかもその身ごなしの柔軟さや、
羞
(
はにか
)
みのために消えたそうな表情のういういしさは、たとえがたいほど
嬌
(
なまめ
)
かしく、いろめいてみえた。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
おるいの顔に
嬌
(
なまめ
)
かしい微笑がうかんだ、「売り子っていうのはやくざなかまの人なんでしょ」とおるいが云った、「まさか悪いところなどへいったんじゃないでしょうね」
へちまの木
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
したたるような
嬌
(
なまめ
)
かしさも
媚
(
こ
)
びだけではない、けれども、そのなかにどこかひとつ、こちんと固いようなものがあった、あの溶けるようないろっぽさが、抑えようのない
滝口
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「あら先生、お久しぶり」とおきぬは
嬌
(
なまめ
)
かしく云った、「よく御精が出ますことね、あたしもこのところ、また頭痛が続いて困ってるんですの、いちどぜひうちへ来て——」
赤ひげ診療譚:06 鶯ばか
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
嬌
(
なまめ
)
かしいというよりは、伝法な、じだらくな恰好で、幹太郎はかっとなった。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「今日は飲むの」おみのは
嬌
(
なまめ
)
かしい表情で微笑し、手酌でまた酒を啜った
饒舌りすぎる
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
嬌
漢検1級
部首:⼥
15画
“嬌”を含む語句
愛嬌
嬌態
嬌羞
愛嬌者
御愛嬌
嬌瞋
嬌笑
嬌娜
嬌声
無愛嬌
嬌名
嬌然
嬌音
嬌嗔
嬌飾
愛嬌造
嬌魅
嬌艶
嬌媚
不愛嬌
...