オモテ)” の例文
サハつても觸つても、巖ばかりである。手を伸すと、更に堅い巖が、掌に觸れた。脚をひろげると、もつと廣い磐石バンジヤクオモテが、感じられた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
フタツマナコシュトイテ。鏡ノオモテソソゲルガゴトク。上下ウエシタ歯クイチゴウテ。口脇クチワキ耳ノ根マデ広クケ。マユウルシニテ百入塗モモシオヌリタルゴトクニシテ。額ヲ隠シ。振分髪フリワケガミノ中ヨリ。五寸計ゴスンバカリナルコウシノ角。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひたオモテに秋の日照れる 阿寺アテラの村。山裏ひろく 屋庭しめたり
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
或る古書は伝へて「其長ソノタケ九尺余、胴ヨリ頭小サク、オモテ赤ク眼丸クシテ鼻高ク、傍ヲ見ル時ハ肩ヲコスリ、口広クシテ耳ニ及ビ、歯ハ馬ノ歯ノゴトク雪ヨリモ白シ、ツメハ熊ノ手足ニ似タリ、髪ハネズミ色ニシテ……」云々うんぬんと記してゐる。
ハビアン説法 (新字旧仮名) / 神西清(著)
能始たるオモテは弥勒ウチ
松本たかし句集 (新字旧仮名) / 松本たかし(著)
サハつても觸つても、巖ばかりである。手を伸すと、更に堅い巖が、掌に觸れた。脚をひろげると、もつと廣い磐石バンジヤクオモテが、感じられた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
サハつても触つても、巌ばかりである。手をノバすと、更に堅い巌が、掌に触れた。脚をひろげると、もつと広い磐石バンジヤクオモテが、感じられた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
能楽の獅子舞には、本式に、赤頭アカガシラ獅子口シヽグチオモテをつけて出る石橋シヤクケウと、望月モチヅキ内外詣ウチトマウデのやうに、仮面の代りに扇をかづき、赤頭をつけるのとがある。
獅子舞と石橋 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
あり来りのやり口と違ふのは、にこりとする処を、さうはせないで、青白い能のオモテが笑ふ時の容子其儘でした。此は、博士の指導でやつたことだらう、と思ひます。
芝居に出た名残星月夜 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
現にあれほど、郎女の心を有頂天に引き上げた頂板ツシオモテの光り輪にすら、明盲アキジひのやうに、注意は惹かれなくなつた。こゝに來て、くに、七日は過ぎ、十日・半月になつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
現にあれほど、郎女の心を有頂天に引き上げた頂板ツシオモテの光り輪にすら、明盲アキジひのやうに、注意は惹かれなくなつた。こゝに来て、くに、七日は過ぎ、十日・半月になつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
現にあれほど、郎女の心を有頂天に引き上げた頂板ツシオモテの光り輪にすら、明盲アキジひのやうに、注意は惹かれなくなつてゐる。こゝに來て、くに、七日は過ぎ、十日・半月になつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)