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汝
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おまへ
ふりがな文庫
“
汝
(
おまへ
)” の例文
「あの鵞鳥の事を言はつしやりますのか。あれは
汝
(
おまへ
)
折角のお越ぢやからと思つて、たつた今絞め殺して汁の身に入れときましたぢや。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あの眼のクルクルと大きい厭味な洋服姿の秋月の奴が現在
汝
(
おまへ
)
のゐる前であのキザな十題話の落しに面白をかしく間男の意見をして見せた。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
其親分の家を尋ぬれば、其処へ
汝
(
おまへ
)
が行つたが好いか行かぬが可いか我には分らぬ、兎も角も親方様のところへ伺つて見ろと云ひつ放しで帰つて仕舞はれ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「それを云ふだけで役に立つか。
汝
(
おまへ
)
は何故それを実行しない。何故実行しないかツ!」と隊長は云ひさま砕ける程テーブルを
叩
(
たゝ
)
いて、続けさまに怒鳴り立てた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
日出雄
(
ひでを
)
や、
汝
(
おまへ
)
と
父
(
ちゝ
)
とは、
之
(
これ
)
から
長時
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
別
(
わか
)
れるのだが、
汝
(
おまへ
)
は
兼々
(
かね/″\
)
父
(
ちゝ
)
の
言
(
い
)
ふやうに、
世
(
よ
)
に
俊
(
すぐ
)
れた
人
(
ひと
)
となつて——
有爲
(
りつぱ
)
な
海軍士官
(
かいぐんしくわん
)
となつて、
日本帝國
(
につぽんていこく
)
の
干城
(
まもり
)
となる
志
(
こゝろ
)
を
忘
(
わす
)
れてはなりませんよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
一生、
汝
(
おまへ
)
なしにはゐることは出来ない、死なう、いつそ死んで了はう
女と情と愛と
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
我等に
附纏
(
いつきまと
)
ふのはいつでも
汝
(
おまへ
)
、乳房の運び手
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
汝
(
おまへ
)
は愚鈍な木に違ひない。
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
さりながらあの市ヶ谷の監獄生活は誠に貴い省察と静思との時間を
汝
(
おまへ
)
に与へたと、鏡の中から悲しげな両の瞳が
熟視
(
みつ
)
める……
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その
後
(
あと
)
で鴈治郎は一ぱし
物識
(
ものしり
)
らしい顔をして、英吉利では
狗
(
いぬ
)
も洋服を着てゐるさうだから、
汝
(
おまへ
)
も是非洋服を着ねばならぬと、
女房
(
かない
)
に言つて聞かせた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
喃お吉、源太は酷く清吉を叱つて叱つて十兵衞が所へ
謝罪
(
あやまり
)
に行けとまで云ふか知らぬが、其は表向の義理なりや是非は無いが、此所は
汝
(
おまへ
)
の儲け役、彼奴を何か、なあそれ、よしか
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
『これ、
稻妻
(
いなづま
)
、
汝
(
おまへ
)
は
世
(
よ
)
に
勝
(
すぐ
)
れたる
犬
(
いぬ
)
だから、
總
(
すべ
)
ての
事情
(
じじやう
)
がよく
分
(
わか
)
つて
居
(
を
)
るだらう、よく
忍耐
(
しんぼう
)
して、
大佐
(
たいさ
)
の
家
(
いへ
)
に
達
(
たつ
)
して
呉
(
く
)
れ。』と、いふと、
稻妻
(
いなづま
)
は
恰
(
あだか
)
も
私
(
わたくし
)
の
言
(
げん
)
を
解
(
げ
)
し
得
(
え
)
た
如
(
ごと
)
く、
凛然
(
りんぜん
)
として
尾
(
を
)
を
掉
(
ふ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「一体
汝
(
おまへ
)
は何処だね? 塩山かね」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
汝
(
おまへ
)
は愚鈍な木である。
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
あれから苛酷な世の嘲笑と圧迫は日夜続いた、それでも
汝
(
おまへ
)
は能く耐えた、と又剃刀が冷たい辷りを額に続ける……
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
かうして
互
(
たがひ
)
に自分達の弱みを知つてゐるから、それを
汝
(
おまへ
)
に繰り返させまいとするからの事だといふのだ。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あゝ十兵衞夫婦は訳の分らぬ愚者なりや是も非もないと、其儘何とも思しめされず唯打捨て下さるか知らねど、世間は
汝
(
おまへ
)
を何と云はう、恩知らずめ義理知らずめ、人情解せぬ畜生め
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
『
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
、
悉
(
くわ
)
しく
汝
(
おまへ
)
から
語
(
かた
)
つてあげい。』
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
だが
汝
(
おまへ
)
は愚鈍な木だ。
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
「
汝
(
おまへ
)
は
燕
(
つばくろ
)
の
不在
(
るす
)
に
燕
(
つばくろ
)
の巣に入り、
夜
(
よ
)
の十二時過ぎ迄も話し込み早く帰れよがしに取扱はれても、それを自分に対する尊敬と思ふ程、それ程自信の深い好人物だ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
凧の絲の鋭い上にも鋭いやうに
瀝青
(
チヤン
)
の製造に餘念もなかつた時、
彼女
(
かれ
)
は恐ろしさうに入つて來た、さうして顫へてる私に、Tonka John.
汝
(
おまへ
)
のお
母
(
つか
)
さんは
眞實
(
ほんと
)
のお母さんかろ
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「西洋を知らない。ほんとに
汝
(
おまへ
)
さんのやうな
鈍間
(
のろま
)
なんざ、一人だつてありはしないよ、西洋には。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
雨がふる、いつそ殺してしまひたいほど憎くらしい
汝
(
おまへ
)
の髪の毛に。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「政党は
何方
(
どつち
)
が好きだね、
汝
(
おまへ
)
は。政友会か、憲政会か、それとも国民党かな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
汝
(
おまへ
)
はやつて来る……
顫
(
ふる
)
ひながら
例
(
れい
)
の房のついた
尖帽
(
せんぼう
)
をかぶつて
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
水面に空にふりそそぐ、まるで
汝
(
おまへ
)
の神経のやうに。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
汝
(
おまへ
)
描
(
か
)
けるか」10・28(夕)
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
汝
漢検準1級
部首:⽔
6画
“汝”を含む語句
汝等
汝達
大汝
汝兄
汝曹
汝命
汝水
汝屋船
汝輩
汝南
爾汝
丁汝昌
汝陽
汝南圃史
汝所堅之美豆能小佩
汝寧
除汝
汝海
諾児汝
汝爾
...