ぬし)” の例文
こっからここまじゃあ俺らがもん、そこからそこまじゃあぬしがもんと、区別う付けて置くから、はあ人のもんまで欲しくなる。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「シップの——おぬしらの部落ではなかろうか、開墾の火でもあろうか、よくご精の出ることだ、——うらやましいことだ」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
何故なぜですと伺ったら「そりゃそうくさい、おどんが、ぬしいよか詩の出来るごつ、いつでん金光こんこう様にお願いしとるけんくさい。」といわれた。「お蔭があったばい。」とさ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
うちの大長丸の船長は腕利きだ、四五年前までは銚子沖でかじき船に乗っていたくれえだ、なんのためにいし……ぬしという意……の舟をぶっ壊す必要があるかい、ばかなことを
お繁 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
『そりやわかうを元気げんき見習みならへ。ぬしも、ばちや/\とおよげい。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこで五円札ば、うんち投げえて、何処どこっちゃよかけん、五円がつぬしがよかごつけさせちいうて、じゃらんじゃらんじゃらんじゃらん駈け廻ったもんですたい。愉快でしたもんな。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)