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汝
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なんぢ
ふりがな文庫
“
汝
(
なんぢ
)” の例文
着
(
つけ
)
られしかば斯の如く
後
(
あと
)
へ廻されしなり
然
(
さ
)
れば
先
(
まづ
)
再び
馬鹿子息
(
ばかむすこ
)
五郎藏を
糺
(
たゞ
)
さんと思はれ越前守殿コリヤ五郎藏其方の
妻
(
さい
)
は何故
汝
(
なんぢ
)
が
家
(
いへ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「ふん、海賊のおきまりの
脅
(
おど
)
し文句だ。『止れ、我、
汝
(
なんぢ
)
に語るべき用事あり。』と言ふんだらう。信号簿をくつて見るまでもないや。」
怪艦ウルフ号
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
爾
(
そ
)
の時に疾翔大力、
爾迦夷
(
るかゐ
)
に告げて
曰
(
いは
)
く、
諦
(
あきらか
)
に聴け諦に聴け。
善
(
よ
)
く
之
(
これ
)
を思念せよ。我今
汝
(
なんぢ
)
に梟鵄
諸
(
もろもろ
)
の
悪禽
(
あくきん
)
離苦
(
りく
)
解脱
(
げだつ
)
の道を述べんと。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
バザロフ! 勇敢なりし
汝
(
なんぢ
)
の一生よ。私も或る時代には汝の如く強く行ふ人でありたいと思つた。今もその空想は私を離れない。
愛は、力は土より
(新字旧仮名)
/
中沢臨川
(著)
否
(
いや
)
、
予
(
よ
)
は
汝
(
なんぢ
)
が
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りたれば、
餘人
(
よじん
)
にては
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らず、
獻立
(
こんだて
)
は
如何樣
(
いかやう
)
にても
可
(
よ
)
し、
凡
(
およ
)
そ
汝
(
なんぢ
)
が
心
(
こゝろ
)
にて
此
(
これ
)
ならば
可
(
よ
)
しと
思
(
おも
)
はば
其
(
それ
)
にて
可
(
よ
)
きなり
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
汝
(
なんぢ
)
は地の上を
逍遥
(
さまよ
)
ひ歩きぬ。されどすべて汝の知りしところのものは無なり。すべて汝の見たるもの、すべて汝の聞きたるものは無なり。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
『
若
(
も
)
しも
汝
(
なんぢ
)
がそれに
署名
(
しよめい
)
しなかつたとすれば』と
云
(
い
)
つて
王樣
(
わうさま
)
は、『
尚々
(
なほ/\
)
惡
(
わる
)
い、
汝
(
なんぢ
)
の
惡戯
(
いたづら
)
に
相違
(
さうゐ
)
ない、さもなければ
正直
(
しようぢき
)
に
署名
(
しよめい
)
して
置
(
お
)
くべき
筈
(
はづ
)
だ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
梅子は思はず
赧然
(
たんぜん
)
として
愧
(
は
)
ぢぬ、
彼女
(
かれ
)
の良心は
私語
(
さゝや
)
けり、
汝
(
なんぢ
)
曾
(
かつ
)
て其の婦人の為めに心に
嫉妬
(
しつと
)
てふ経験を
嘗
(
な
)
めしに非ずやと
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
犬にも非ず、猫にも非ず、
汝
(
なんぢ
)
に似たる者よと思ひけれど、
言争
(
いひあらそ
)
はんは愚なりと勘弁して、彼は
才
(
わづか
)
に不快の色を
作
(
な
)
せしのみ。満枝は益す独り
憤
(
じ
)
れて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
バビロンの淫婦は
爾
(
なんぢ
)
の
妃
(
ひ
)
、
七頭
(
しちとう
)
の毒竜は爾の馬、火と煙と
硫黄
(
いわう
)
とは
汝
(
なんぢ
)
が
黒檀
(
こくたん
)
の
宝座
(
みくら
)
の前に、不断の
香煙
(
かうえん
)
を
上
(
のぼ
)
らしめん。
LOS CAPRICHOS
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
我は實を記して
汝
(
なんぢ
)
に歸納の材を與ふ。汝が眼、汝が心はおのづからこれを歸納して、明治文學の活機を悟り、以て明治文學大歸一大調和の策を立てよ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「此の事
爾
(
なんぢ
)
にありしに
因
(
よ
)
る、また
汝
(
なんぢ
)
わが契約をわが爾に命じたる
法憲
(
のり
)
を守らざりしによりて、我必ず爾より国を裂きはなして、これを爾の
臣僕
(
けらい
)
に与ふべし。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
汝
(
なんぢ
)
、
此度
(
このたび
)
の
使命
(
しめい
)
の
成敗
(
せいばい
)
は、
我
(
わ
)
が
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
が、
日本帝國
(
につぽんていこく
)
の
守護
(
まもり
)
として、
世
(
よ
)
に
現出
(
げんしゆつ
)
する
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るか、
否
(
いな
)
かの
分
(
わか
)
れ
目
(
め
)
であるぞ。
極
(
きは
)
めて
機敏
(
きびん
)
に、
極
(
きは
)
めて
愼重
(
しんちよう
)
なれ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今宵
(
こよひ
)
汝
(
なんぢ
)
の霊魂とらるべし、然らば、汝の備へたるものは、誰がものとなるべきぞ……。富岡は、祈つてゐるうちに、こんな言葉を思ひ出した。不吉な気がした。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
或人
(
あるひと
)
は
又
(
また
)
いつた、
汝
(
なんぢ
)
の
所論
(
しよろん
)
は一
理窟
(
りくつ
)
あるが
實際的
(
じつさいてき
)
でない。
汝
(
なんぢ
)
は
歐文
(
おうぶん
)
に
年紀
(
ねんき
)
を
記
(
しる
)
すとき
西暦
(
せいれき
)
を
用
(
もち
)
ゐて
神武紀元
(
しんむきげん
)
を
用
(
もち
)
ゐないのは
何故
(
なにゆえ
)
か、いはゆる
自家撞着
(
じかどうちやく
)
ではないかと。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
汝
(
なんぢ
)
は空しき白日の呪ひに生きよ!——こんなふうの詩とも散文とも訳のわからない口述原稿を、
馬糞
(
ばふん
)
の多い其処の郊外の路傍に
佇
(
たゝず
)
んで読み返し、ふと気がつくと涙を呑んで
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
然れども二つとはなき此の
生命
(
せいめい
)
を
捨
(
すて
)
ても
真理
(
しんり
)
の為めに
尽
(
つく
)
さんと欲するものは
斯
(
かく
)
の如き
演劇的
(
えんげきてき
)
同盟
(
どうめい
)
に加はること
能
(
あた
)
はざるなり、
汝
(
なんぢ
)
一致
(
いつち
)
せんと欲する乎、
先
(
ま
)
づ汝の
主義
(
しゆぎ
)
を
決行
(
けつかう
)
せよ
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
新院
呵
(
から
)
々と笑はせ給ひ、
汝
(
なんぢ
)
しらず、近
来
(
ごろ
)
の世の
乱
(
みだれ
)
は
朕
(
わ
)
がなす
事
(
わざ
)
なり。生きてありし日より魔道にこころざしをかたぶけて、
四四
平治
(
へいぢ
)
の
乱
(
みだれ
)
を
発
(
おこ
)
さしめ、死して
猶
(
なほ
)
四五
朝家
(
てうか
)
に
崇
(
たたり
)
をなす。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
『わりや(
汝
(
なんぢ
)
は)飛んでもねえことを為て呉れたなあ。何も俺だつて、好んで
斯様
(
こん
)
な処へ貴様を引張つて来た訳ぢやねえ——是といふのも
自業自得
(
じごふじとく
)
だ——
左様
(
さう
)
思つて
絶念
(
あきら
)
めろよ。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
兄がいはく、光る石を
拾
(
ひろ
)
ひ
得
(
え
)
しは我が
企
(
くはだて
)
なり、
汝
(
なんぢ
)
は我が
力
(
ちから
)
を
助
(
たすけ
)
しのみなり、光る石は親の
譲
(
ゆづり
)
にあらず、兄が物なり。
家財
(
かざい
)
を
分
(
わかつ
)
ならばおやのゆづりをこそわかつべけれ、
与
(
あた
)
ふまじ/\。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
汝
(
なんぢ
)
翁
(
おきな
)
よ、そちは
少
(
すこ
)
しばかりの
善
(
い
)
いことをしたので、それを
助
(
たす
)
けるために
片時
(
かたとき
)
の
間
(
あひだ
)
、
姫
(
ひめ
)
を
下
(
くだ
)
して、たくさんの
黄金
(
おうごん
)
を
儲
(
まう
)
けさせるようにしてやつたが、
今
(
いま
)
は
姫
(
ひめ
)
の
罪
(
つみ
)
も
消
(
き
)
えたので
迎
(
むか
)
へに
來
(
き
)
た。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
「“Know thyself”(
汝
(
なんぢ
)
自身
(
じしん
)
を
知
(
し
)
れ)とは、まことに千
古
(
こ
)
の
金言
(
きんげん
)
だ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
孫子
(
そんし
)
分
(
わか
)
つて二
隊
(
たい
)
と
爲
(
な
)
し、
王
(
わう
)
の
寵姫
(
ちようき
)
二
人
(
にん
)
を
以
(
もつ
)
て
各〻
(
おのおの
)
隊長
(
たいちやう
)
と
爲
(
な
)
し、
皆
(
みな
)
戟
(
げき
)
を
持
(
も
)
たしむ。
之
(
これ
)
に
令
(
れい
)
して
曰
(
いは
)
く、『
汝
(
なんぢ
)
、
而
(
なんぢ
)
の
(三)
心
(
むね
)
と
(四)
左右
(
さいう
)
の
手
(
て
)
と
背
(
せ
)
とを
知
(
し
)
るか』と。
婦人
(
ふじん
)
曰
(
いは
)
く、『
之
(
これ
)
を
知
(
し
)
る』と。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
『
汝
(
なんぢ
)
今こそ好む
処
(
ところ
)
を歩めども、老いたらん後は手を伸べん』といふ句です。……
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
よに
幸
(
さち
)
なきもの二ツあり。又幸あるものふたつあり。
則
(
すなはち
)
吾儕
(
わなみ
)
と
汝
(
なんぢ
)
なり。己れは国主の
息女
(
むすめ
)
なれども。義を重しとするゆゑに。畜生に
伴
(
ともなは
)
る。これこの身の不幸なり。しかれども
穢
(
けが
)
し犯されず。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
まことや簡素は自然の徳、われ敢て強ひて衒はずとも、おのづから身に驕る宝なければ、常住水に魚鱗の苔を洗ひ、野に出で丘にのぼりて、時に鮮菜の土をはたく。閑雅、閑雅、われ
汝
(
なんぢ
)
を慕ふ事久し。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あはれ
汝
(
なんぢ
)
らが
矜
(
ほこり
)
高かる心には
暴風
(
あらし
)
もなどか今さらに悲しからむ。
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
我
汝
(
なんぢ
)
を愛す、我汝を
招
(
まね
)
ぐ、
嗚呼
(
あゝ
)
、わが
兒
(
こ
)
、善惡の名によりて。
母
(旧字旧仮名)
/
アダ・ネグリ
(著)
されど
汝
(
なんぢ
)
らはラビの
称
(
となへ
)
を受くな。また、導師の称を受くな。
如是我聞
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
末恐ろしき
美々
(
びゞ
)
しさとおもたげの
振
(
ふり
)
とを添ふる
汝
(
なんぢ
)
諸金銀よ
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
⦅
汝
(
なんぢ
)
詩人たるべし!⦆と
記
(
しる
)
した。すると我が四肢に
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
わが身の上の「失楽」よ、
我
(
われ
)
は
汝
(
なんぢ
)
に叫ぶ
失楽
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
主
(
しゆ
)
たる
汝
(
なんぢ
)
の
神
(
かみ
)
を
試
(
こゝろ
)
むべからず。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
汝
(
なんぢ
)
こそ
逞
(
たくま
)
しき
大馬
(
おほうま
)
の
群
(
むれ
)
なれ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「おお、
薔薇
(
さうび
)
、
汝
(
なんぢ
)
病
(
や
)
めり!」
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
汝
(
なんぢ
)
孔雀
(
くじやく
)
よ
華
(
はな
)
やかに
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
汝
(
なんぢ
)
の忠誠に待つ
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
越前守殿聞だまれ憑司汝は何を申すぞ早は
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
で
吟味
(
ぎんみ
)
なすに爰な
出過者
(
ですぎもの
)
め今早が口より梅が體に
疵
(
きず
)
などは御ざらぬと申立たるに
汝
(
なんぢ
)
夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
爾
(
そ
)
の時に
疾翔大力
(
しっしょうたいりき
)
、
爾迦夷
(
るかゐ
)
に告げて
曰
(
いは
)
く、
諦
(
あきらか
)
に聴け、諦に聴け。
善
(
よ
)
く
之
(
これ
)
を思念せよ。我今
汝
(
なんぢ
)
に、
梟鵄
(
けうし
)
諸
(
もろもろ
)
の
悪禽
(
あくきん
)
、
離苦
(
りく
)
解脱
(
げだつ
)
の道を述べんと。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
汝
(
なんぢ
)
音
(
おと
)
にも
聞
(
き
)
きつらん、
予
(
よ
)
は
白山
(
はくさん
)
の
狩倉
(
かりくら
)
に、
大熊
(
おほくま
)
を
撲殺
(
うちころ
)
した
黒坂備中
(
くろさかびつちう
)
、
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
も
未
(
いま
)
だ
自分
(
じぶん
)
に
力
(
ちから
)
を
試
(
ため
)
さん、いざふれ
汝
(
なんぢ
)
と
力競
(
ちからくら
)
べをして
見
(
み
)
やうか。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
観音経の中の、「諸々の善男子よ、恐怖する
勿
(
なか
)
れ、
汝
(
なんぢ
)
等まさに一心に観世音菩薩の名号を
称
(
とな
)
ふべし。
是
(
こ
)
の
菩薩
(
ぼさつ
)
は
能
(
よ
)
く無畏を以て
衆生
(
しゆじやう
)
を施し
給
(
たま
)
ふ。」
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
『
汝
(
なんぢ
)
、
覺悟
(
かくご
)
をせよ』
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
唐突
(
いきなり
)
聲
(
こゑ
)
を
怒
(
いか
)
らし、
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ひながら
地韛踏
(
ぢだんだふ
)
んで、『
頭
(
あたま
)
を
刎
(
は
)
ねるが、宜いか、
唯
(
たつ
)
タ
今
(
いま
)
!さァ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
さらば往きて
汝
(
なんぢ
)
の陥りし
淵
(
ふち
)
に沈まん。沈まば
諸共
(
もろとも
)
と、彼は宮が
屍
(
かばね
)
を引起して
背
(
うしろ
)
に負へば、その
軽
(
かろ
)
きこと
一片
(
ひとひら
)
の紙に
等
(
ひと
)
し。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
されど人間なるが故に、人間たる事実を
軽蔑
(
けいべつ
)
すべからず。人間たる尊厳を
抛棄
(
はうき
)
すべからず。人肉を
食
(
くら
)
はずんば生き難しとせよ。
汝
(
なんぢ
)
とともに人肉を
食
(
くら
)
はん。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
男は
鈍
(
のろ
)
いもので、この瞬間女を飛切り美しいものに見るばかりでなく、自分をも非常な勇者のやうに
思違
(
おもひちが
)
へをする。
鈍間
(
のろま
)
なる男よ、
汝
(
なんぢ
)
はいつも女の前に勇者である。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
奈何
(
いか
)
にして人は己を知ることを得べきか。
省察
(
せいさつ
)
を以てしては決して能はざらん。されど行為を以てしては或は
能
(
よ
)
くせむ。
汝
(
なんぢ
)
の義務を果さんと試みよ。やがて汝の価値を
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
我
(
われ
)
こそは
音
(
おと
)
に
名高
(
なだか
)
き
印度洋
(
インドやう
)
の
大海賊船
(
だいかいぞくせん
)
なり、
汝
(
なんぢ
)
の
新造軍艦
(
しんざうぐんかん
)
を
奪
(
うば
)
はんとて
此處
(
こゝ
)
に
待
(
ま
)
つこと
久矣
(
ひさし
)
、
速
(
すみやか
)
に
白旗
(
はくき
)
を
立
(
た
)
てゝ
其
(
その
)
軍艦
(
ぐんかん
)
を
引渡
(
ひきわた
)
さば
可
(
よし
)
、
若
(
も
)
し
躊躇
(
ちうちよ
)
するに
於
(
おい
)
ては、
我
(
われ
)
に七
隻
(
せき
)
の
堅艦
(
けんかん
)
あり
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
兄がいはく、光る石を
拾
(
ひろ
)
ひ
得
(
え
)
しは我が
企
(
くはだて
)
なり、
汝
(
なんぢ
)
は我が
力
(
ちから
)
を
助
(
たすけ
)
しのみなり、光る石は親の
譲
(
ゆづり
)
にあらず、兄が物なり。
家財
(
かざい
)
を
分
(
わかつ
)
ならばおやのゆづりをこそわかつべけれ、
与
(
あた
)
ふまじ/\。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼女の目より涙を
拭
(
ぬぐ
)
へ、
清
(
すず
)
しき風よ、彼女の胸より
愁
(
うれひ
)
を払へ——アヽ我が梅子、
汝
(
なんぢ
)
の為めに祈りつゝある我が愛は、汝が心の
鼓膜
(
こまく
)
に響かざる
乎
(
か
)
、——父なる神、
永遠
(
とこしなへ
)
に彼を顧み給へ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
汝
(
なんぢ
)
、我が子よ、
汝
(
いまし
)
もし、此の難関に処しも得ば
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
汝
漢検準1級
部首:⽔
6画
“汝”を含む語句
汝等
汝達
大汝
汝兄
汝曹
汝命
汝水
汝屋船
汝輩
汝南
丁汝昌
汝陽
爾汝
汝南圃史
汝所堅之美豆能小佩
汝寧
除汝
汝海
諾児汝
汝爾
...