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きさま
ふりがな文庫
“
汝
(
きさま
)” の例文
「
汝
(
きさま
)
は不孝不弟であるから、死期がもうせまっているのだ。僅かな田地も汝の
有
(
もの
)
にならない。持っていてどうするつもりなのだ。」
珊瑚
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
馬鹿野郎、
汝
(
きさま
)
は、もう
俺
(
おれ
)
のいったことを忘れてしまったか。汝が初め、師匠のお宅へ奉公に出る前の晩、俺は汝に何んといった。
幕末維新懐古談:18 一度家に帰り父に誡められたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「ふむ、豪勢なことを言わあ。平民も平民、
汝
(
きさま
)
の内ゃ
芸妓
(
げいしゃ
)
屋じゃあないか。芸妓も乞食も
同一
(
おんなじ
)
だい。だから乞食の蒲団になんか坐るんだ。」
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
胸の中には絶望の聲——「今度こそ
眞當
(
ほんたう
)
の
代人
(
かはり
)
が來た。
汝
(
きさま
)
の運命は今日限りだ! アト五時間だ、イヤ三時間だ、二時間だ、一時間だツ!」
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
情無い此我はよと、羨ましいがつひ
高
(
かう
)
じて
女房
(
かゝ
)
にも口きかず泣きながら寐ました其夜の事、五重塔を
汝
(
きさま
)
作れ今直つくれと怖しい人に
吩咐
(
いひつ
)
けられ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
三「コレ/\甚藏、
然
(
そ
)
う
汝
(
きさま
)
が云うと己が殺して死骸を引取って、葬りでもした様に
疑
(
うたぐ
)
って、
訝
(
おか
)
しくそんな事を云うのか」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そうか、奉公人として、
汝
(
きさま
)
がそう云うのは、もっとものことだ、奉公人としては、主人のためにそうしなくてはならんが、
苟
(
いやしく
)
も人の
亀鑑
(
てほん
)
になる家のことだ」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「これ
稲造
(
いなぞう
)
、
汝
(
きさま
)
は近ごろ、何かバクテリアに
罹
(
かか
)
りはせぬか、どこかで病いの
種子
(
たね
)
を宿しはせぬか」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「
汝
(
きさま
)
も懸賞小説なんぞと
吝
(
けち
)
な
所為
(
まね
)
をするない。三文小説家になつて
奈何
(
どう
)
する気ぢや。」
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
「六波羅者ではないとな。然らば
汝
(
きさま
)
は、どこより来た」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
汝
(
きさま
)
なんかにまけて堪るものか。」
疳の虫
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
胸の中には絶望の声——「今度こそ
真当
(
ほんたう
)
の
代人
(
かはり
)
が来た。
汝
(
きさま
)
の運命は今日限りだ! アト五時間だ、イヤ三時間だ、二時間だ、一時間だツ!」
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
踏む気だな、
可
(
い
)
いわ。踏むならば踏んで見ろ。おおそれながらと
罷
(
まか
)
り出て、
汝
(
きさま
)
の悪事を訴えて、首にしてやる覚悟しやあがれ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
斯
(
か
)
ういふお
慈悲
(
なさけ
)
深
(
ぶか
)
い
旦那様
(
だんなさま
)
がおありなさるから、
八百膳
(
やほぜん
)
の
料理
(
れうり
)
を
無宿者
(
やどなし
)
に
下
(
くだ
)
されるのだ、お
礼
(
れい
)
を
申
(
まう
)
して
戴
(
いたゞ
)
けよ、お
膳
(
ぜん
)
で
戴
(
いたゞ
)
くことは、
最
(
も
)
う
汝
(
きさま
)
生涯
(
しやうがい
)
出来
(
でき
)
ないぞ。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
情ないこの
我
(
おれ
)
はよと、羨ましいがつい高じて
女房
(
かか
)
にも口きかず泣きながら寝ましたその夜のこと、五重塔を
汝
(
きさま
)
作れ今すぐつくれと
怖
(
おそ
)
ろしい人にいいつけられ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「馬鹿、
狂人
(
きちがい
)
、
汝
(
きさま
)
なんぞに負けるものかい、さあ勝負をしよう、おい、逃げるのか、ようやらないのかい」
陳宝祠
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
俺には長男
巳之助
(
みのすけ
)
があり
汝
(
きさま
)
は次男だが、母には汝は一人の児だによって母に免じて今度は許す。汝が一人前の人間になるまで、ドンナことがあっても俺は汝の腕を借せとはいわぬ。
幕末維新懐古談:18 一度家に帰り父に誡められたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「ウン、二人死ぬのはつまらぬ。二人が死ねば島津家は真っ暗になってしまう。一人残るがよい。
俺
(
おれ
)
は罪を得たから死ぬが、
汝
(
きさま
)
は生き残って俺の代りに君公に
仕
(
つか
)
え、二人前を働いてくれ」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「つんぼか!
汝
(
きさま
)
は」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
第一、
汝
(
きさま
)
のような間違った
料簡
(
りょうけん
)
で、先生の心が解るのかよ! お前は不賛成でも己は賛成だか、お前は不服でも己は心服だか——知れるかい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先刻
(
さっき
)
に
富松
(
とみまつ
)
をわざわざ
遣
(
や
)
ってこんなところに来てもらったは、何でもない、実は仲直りしてもらいたくてだ、どうか
汝
(
きさま
)
とわっさり飲んで互いの胸を和熟させ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「そうか、
汝
(
きさま
)
が主人のためを思うて、そう云うならいけないとも云えないが」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
晃 死ね、死ね、死ね、民のために
汝
(
きさま
)
死ね。見事に死んだら、俺も死んで、それから百合を渡してやる。死ね、
死
(
しな
)
ないか。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし
汝
(
きさま
)
の云うように思案しかえるはどうしても厭、十兵衛が仕事に手下は使おうが
助言
(
じょごん
)
は頼むまい、人の仕事の手下になって使われはしょうが助言はすまい
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
汝
(
きさま
)
の処へ出入するお杉と云う婆さんだ、もっとも婆さんは、字が書けないと云うから、俺が書いてやったのだが、一つの山田稔と云うのは、本人が書いたのだ、品川にごろごろしてる馬の脚だ
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「へいじゃあない、小六さんたあ何だ。客の前を何と心得てるんだ。
獣
(
けだもの
)
め、乞食芸人の癖に様づけに呼ぶ
奴
(
やつ
)
があるもんか。
汝
(
きさま
)
あ何だい、馬鹿め!」
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
興世王もこれには
憤然
(
ふんぜん
)
とせざるを得なかつたが、根が負け嫌ひの、恐ろしいところの有る人とて、それなら
汝
(
きさま
)
も勝手にしろ、
乃公
(
おれ
)
も勝手にするといつた調子なのだらう
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
汝
(
きさま
)
が臆病だから、そんな夢を見たのだ、しっかりしろ」
魔王物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
あれ、
摺拔
(
すりぬ
)
けようと
身
(
み
)
を
踠
(
もが
)
きます
時
(
とき
)
、
扉
(
とびら
)
を
開
(
あ
)
けて、
醫師
(
いしや
)
が
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
しました。
何
(
なに
)
をじたばたする、
其
(
そ
)
のお
仙人
(
せんにん
)
と
汝
(
きさま
)
は
行
(
ゆ
)
くのだ、と
睨付
(
にらみつ
)
けて
申
(
まを
)
すのです。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
親方がのつそり
汝
(
きさま
)
為
(
やつ
)
て見ろよと譲つて呉れゝば好いけれどものうとの馬鹿に虫の好い答へ、ハヽヽ憶ひ出しても、心配相に大真面目くさく云つた其面が可笑くて堪りませぬ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
汝
(
きさま
)
のような奴は、もう許さん、今日限り離縁する」
地獄の使
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「今聞いた、何か、
活
(
いか
)
す法もあると
謂
(
い
)
ったな、なろう事なら
活
(
いか
)
して戻せ。
汝
(
きさま
)
も無事じゃ、我等も満足、自他の幸福というものじゃ。さ、どうじゃ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
斯様打解けて仕舞ふた上は互に
不妙
(
まづい
)
ことも無く、上人様の思召にも叶ひ
我等
(
おれたち
)
の一分も皆立つといふもの、嗚呼何にせよ好い心持、十兵衞
汝
(
きさま
)
も過してくれ、我も充分今日こそ酔はう
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「やい、小平、よくもよくも
汝
(
きさま
)
は、お岩を殺したな」
南北の東海道四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「何じゃな、
汝
(
きさま
)
は一体、」と
大人
(
うし
)
は正面に腕を組む。令夫人はものもいわず
衝
(
つ
)
と後向きになりたまう。後室は声鋭く
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
汝
(
きさま
)
はまだ悪い心がうせないのか」
劉海石
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
汝
(
きさま
)
の母親はな。顔も
気質
(
きだて
)
も
汝
(
きさま
)
に
肖
(
に
)
て、やっぱり
我
(
おれ
)
の言うことを聞かなかったから、毒を飲まして得三が殺したのだ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
俺も
汝
(
きさま
)
の家を焼いて讐をうってやる
青蛙神
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
鯉七 はあ、いかさま
汝
(
きさま
)
のせいでもあるまい。助けてやろう——そりゃ行け。やい、稲が実ったら
案山子
(
かかし
)
になれ!
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「恐ろしい奴だ、
汝
(
きさま
)
はそんな奴か」
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
汝
(
きさま
)
とても、少しは分つて
居
(
お
)
らう。分つて居て、其の主人が旅行と云ふ
隙間
(
すきま
)
を
狙
(
ねら
)
ふ。
故
(
わざ
)
と安心して大胆な
不埒
(
ふらち
)
を働く。うむ、耳を
蔽
(
おお
)
うて
鐸
(
すず
)
を盗むと云ふのぢや。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「で、
私
(
わし
)
がその請求を
肯
(
き
)
かんけりゃ、
汝
(
きさま
)
、どうすッとか言うんじゃのう。」と、太息を
吐
(
つ
)
いたのである。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
唯今
(
ただいま
)
も、途中で言聞かした通りじゃ。
汝
(
きさま
)
に白羽の矢が立ったで、
否応
(
いやおう
)
はないわ。六ヶ村の水切れじゃ。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紳士 うむ、(重く
頷
(
うなず
)
く)聞えた。とにかく、
汝
(
きさま
)
の声は聞えた。——こりゃ、俺の声が分るか。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ざまあ見ろ、
汝
(
きさま
)
先刻
(
さっき
)
は威張ったけれど、ふ、大きな口よウたたくなあ、
蒲団
(
ふとん
)
に坐ってる時ばかりだ。うつくしい蒲団に坐ってる乞食ゃそんなものか。
詰
(
つま
)
らないもんだなあ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紳士 うむ、(重く
頷
(
うなず
)
く)聞えた。とに
角
(
かく
)
、
汝
(
きさま
)
の声は聞えた。——こりや、俺の声が分るか。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
これが
風説
(
うわさ
)
の心中
仕損
(
しそこない
)
。言訳をして、世間が信ずるくらいなら、黙っていても
自然
(
おのず
)
から明りは立つ。面と向って
汝
(
きさま
)
が、と云うものがないのは、君が何にも言わないと
同一
(
おんなじ
)
なんだ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「こりゃ、無茶だ。」「何でございますと。」「考えてみい、世が世なら、
汝
(
きさま
)
達が拝むと即座に眼が
潰
(
つぶ
)
れるような御夫人方だ、何だって汚らわしい乞食風情に
御言語
(
おことば
)
を下さるものか。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「はあ、
嘘
(
うそ
)
は
言
(
い
)
ふまい、
此
(
こ
)
の
馬鹿野郎
(
ばかやらう
)
。
汝
(
きさま
)
の
爺
(
おやぢ
)
と、
己
(
おれ
)
は
兄弟分
(
きやうだいぶん
)
だぞ。これ。」
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又、
汝等
(
きさまら
)
とても、
恁
(
こ
)
う云ふ事件の最後の際には、其の家の主人か、
良人
(
おっと
)
か、
可
(
え
)
えか、俺がぢや、
或
(
ある
)
手段として旅行するに
極
(
きま
)
つとる事を知つて
居
(
お
)
る。
汝
(
きさま
)
は知らいでも、
怜悧
(
りこう
)
な
彼
(
あれ
)
は知つて
居
(
お
)
る。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
汝
漢検準1級
部首:⽔
6画
“汝”を含む語句
汝等
汝達
大汝
汝兄
汝曹
汝命
汝水
汝屋船
汝輩
汝南
爾汝
丁汝昌
汝陽
汝南圃史
汝所堅之美豆能小佩
汝寧
除汝
汝海
諾児汝
汝爾
...