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汝
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うぬ
ふりがな文庫
“
汝
(
うぬ
)” の例文
杖に縋って早や助かれ。
女
(
むすめ
)
やい、女、金子は盗まいでも、自分の心が
汝
(
うぬ
)
が身を責殺すのじゃわ、たわけ奴めが、フン。
我
(
わし
)
を頼め、膝を
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吐
(
ぬ
)
かせ。この天城四郎を善人だといった奴は、天下に
汝
(
うぬ
)
をもって
嚆矢
(
こうし
)
とする。第一、俺にとって大なる侮辱だ。おれは悪人だ、大盗だ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「力はあるが、大した
剣腕
(
うで
)
ではないで、こんど出て来たら、拙者が真ッぷたつにしてくれるテ。なあ、
汝
(
うぬ
)
らア騒がずと見物しとれ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「たわけな武者修業
奴
(
め
)
、剣法では
汝
(
うぬ
)
には勝てぬけども、鎌の手の妙術、自然に会得した
滝之助
(
たきのすけ
)
だ。むざむざ
尻叩
(
しりたた
)
きを食うものか」
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
生煮えの
葛湯
(
キッセリ
)
で
汝
(
うぬ
)
の親爺が息をつめて
斃
(
くたば
)
つてしまやあええ!——往来で乱暴を働らいたり、碌でもない歌を作つて唄つたりしをつて……。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
▼ もっと見る
懺悔の重さに耐えかねてのたうち廻わっている心持ちが、
汝
(
うぬ
)
のような偽善者に
易々
(
やすやす
)
解って堪まるものか。俺はお前と反対なのだ。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「何だと思やあ立聴きをしやぁがる、
汝
(
うぬ
)
のような下司根性に何が分るんだ、二度とこんな卑しい真似をしやがると叩き出すぞ」
おもかげ抄
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「なにを云やあがるんだ。うぬの知ったことじゃあねえ」と、又蔵は面を
膨
(
ふく
)
らせて這い起きた。「ぐずぐず云やあがると今度は
汝
(
うぬ
)
が相手だぞ」
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
仙「
汝
(
うぬ
)
の方が余っ程無礼だ、己が
仲人
(
ちゅうにん
)
に這入ったのに頭巾を冠って、
挨拶
(
ええさつ
)
をするってえ事が有るか、頭巾を取れヤイ、面ア出して見せろヤイ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
チッバ
何
(
なん
)
ぢゃ、
拔
(
ぬ
)
いてゐながら、
和睦
(
わぼく
)
ぢゃ!
和睦
(
わぼく
)
といふ
語
(
ことば
)
は
大嫌
(
だいきら
)
ひぢゃ、
地獄
(
ぢごく
)
ほどに、モンタギューの
奴等
(
やつら
)
ほどに、
汝
(
うぬ
)
ほどにぢゃ。
卑怯者
(
ひけふもの
)
め、
覺悟
(
かくご
)
せい!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
此方は東京も日本橋の出身でしょう? 黙っちゃいませんや。『人を見損うな』と言い返しますと、『
汝
(
うぬ
)
等こそ人を見損うな。亀山の勘六さんを知らないか?』
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
もしもちとなり破壊れでもしたら
同職
(
なかま
)
の
恥辱
(
はじ
)
知合いの面汚し、
汝
(
うぬ
)
はそれでも生きて居らりょうかと、とても再び
鉄槌
(
かなづち
)
も
手斧
(
ちょうな
)
も握ることのできぬほど引っ
叱
(
しか
)
って
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
馬鹿にしたな
汝
(
うぬ
)
は水呑村の水呑百姓なりしを
先
(
せん
)
旦那の御蔭にて一人前の百姓に取立られたる其
恩儀
(
おんぎ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
泊り泊りの宿を重ねて
鶏
(
とり
)
が鳴く
東
(
あずま
)
の空と来やがる、
嫉
(
や
)
くな
妬
(
そね
)
むな、おや抜きゃがったな、抜いたな、お抜きなすったな、あ
痛
(
いて
)
ッ、あ痛ッ、斬ったな、
汝
(
うぬ
)
、斬りゃがったな
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「てやんでェ、はッつけめ。こッとらァ、かッたァ三河町でェ。
汝
(
うぬ
)
らの手ごちにあうもんけえ」
寄席行灯
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
汝
(
うぬ
)
、
記憶
(
おぼ
)
えとけ、深川の
芳
(
よし
)
兄いてで鳴らしたもんだい、
手前達
(
てめいツたち
)
の樣な、女たらしに、一文たりとも貰ふ覺えはないぞ、ヘツ、どうだい、その
面
(
つら
)
は、いやにキヨロツキやがつて
二十三夜
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
何だ
此畜生
(
こんちきしやう
)
奴
(
め
)
、
汝
(
うぬ
)
ア
何故
(
なんしや
)
此家
(
ここ
)
に居る? ウン此
狐奴
(
きつねめ
)
、何だ? 寝ろ? カラ小癪な! 黙れ、この野郎。黙れ黙れ、黙らねえか? 此畜生奴、
乞食
(
ほいど
)
、
癩病
(
どす
)
、天理坊主!
早速
(
しらから
)
と出て行け、此畜生奴!
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「こんな目に逢ったのも
汝
(
うぬ
)
のお蔭だ」
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
汝
(
うぬ
)
野狐
奴
(
め
)
、また
来
(
う
)
せた。と得三室外へ躍出づれば、ぱっと
遁出
(
にげだ
)
す人影あり。廊下の
暗闇
(
やみ
)
に姿を隠してまた——得三をぞ呼んだりける。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「見やがれ、
面
(
つら
)
の
色
(
いろ
)
が変りやがった。
汝
(
うぬ
)
はなんだろう、
大聖寺
(
だいしょうじ
)
の前田の家来か九谷の
陶器作
(
すえものつく
)
りの
伜
(
せがれ
)
だろう。うまく
化
(
ば
)
け
澄
(
す
)
ましていやがるな」
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汝
(
うぬ
)
のその黒い髭と、それからこの豚尾が——ほうら、もう耳を二たまはりも巻けるわい——これがどちらも
汝
(
うぬ
)
のど
頭
(
たま
)
から消えてなくなるんだぞ!
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「いまここへ鼻猪之の奴が逃げ込んで来ただろう、どこへ隠した、下手に庇いだてをしやぁがると
汝
(
うぬ
)
も唯あ置かねえぞ」
無頼は討たず
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
……が、有難や戻って来た! ……明日からはまた昔通りの鬼火の姥殿になれるのじゃ! ……憎いは
汝
(
うぬ
)
! 汝浮藻!
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
權「黙れ、
己
(
おれ
)
ア見ていたぞ、咬付きもしねえ犬を斬るには何か
理由
(
わけ
)
があるだろう、云わなければ
汝
(
うぬ
)
絞殺
(
しめころ
)
すが何うだ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「くせのわるいこの濡れ燕の斬ッ尖、どこへとんでいくか知れねえから、
汝
(
うぬ
)
らッ! そのつもりで来いよっ!」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
『
汝
(
うぬ
)
!』と俥を置いて組みついて来ましたが、此方は機先を制しています。私も加勢をして到頭叩き倒してしまい、行きがけの駄賃に踏んだり
蹴
(
け
)
たりしてやりました
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
高の知れたる
蚯蚓膨
(
みゝずばれ
)
に一日なりとも仕事を休んで職人共の
上
(
かみ
)
に立てるか、
汝
(
うぬ
)
は
少
(
ちつと
)
も知るまいがの、此十兵衞はおろかしくて馬鹿と常〻云はるゝ身故に職人共が軽う見て
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
併
(
しか
)
し
今
(
いま
)
こそ
甘
(
あま
)
ったるう
見
(
み
)
えてをる
汝
(
うぬ
)
が
今夜
(
こんや
)
の
推參
(
すゐさん
)
に、やがて
苦
(
にが
)
い
味
(
あぢ
)
を
見
(
み
)
せてくれうぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
汝
(
うぬ
)
、どうするか——。日本橋近くなったとき、ソーッと今松は相手を盗み見た。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
折せたぞサア是からは
汝
(
うぬ
)
が身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
汝
(
うぬ
)
を
贔屓
(
ひいき
)
に目が
眩
(
くら
)
んで、今までは知らなかったが、海に千年、川に千年、
劫
(
こう
)
を経た古狸、
攫出
(
つかみだ
)
してお
汁
(
つけ
)
の実にする、さあ
失
(
う
)
せろ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
春日新九郎? ……聞いたこともない奴。その
理
(
わけ
)
はそこにある。何で
汝
(
うぬ
)
こそ俺の門人、また俺に縁故の深いざる組の金井一角を
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ええつ、
汝
(
うぬ
)
たち悪魔のみうちめ、とつとと消え失せやがればいいに!」指をあてて耳に蓋をしながら、祖父が呶鳴つた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:06 紛失した国書
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「黙りおろう山賊ども!
汝
(
うぬ
)
らの
姦計
(
かんけい
)
にあざむかれておめおめ山砦へ引かれるほどの愚かな振舞いを致すと思うか! 二度と申すな、聞く耳持たぬ!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
長「金が
欲
(
ほし
)
いくれえなら、此の金を持って
来
(
き
)
やアしねえ、
汝
(
うぬ
)
のような義理も人情も知らねえ畜生の持った、
穢
(
けがら
)
わしい金は
要
(
い
)
らねえ、
返
(
けえ
)
すから受取っておけ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
万が一にも仕損じてはお上人様源太親方に十兵衞の顔が向られうか、これ、生きても塔が
成
(
でき
)
ねばな、此十兵衞は死んだ同然、死んでも業を仕遂げれば
汝
(
うぬ
)
が
夫
(
おやぢ
)
は生て居るはい
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
この
頓痴奇
(
とんちき
)
めッ!
汝
(
うぬ
)
みてえな野郎がいるから、どこへ行ってもお艶さんが苦労をするんだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
汝
(
うぬ
)
。さっさと帰らねえと……」
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
さあこれをお飲みなさい。と病人の口の
端
(
はた
)
に持行けば、
面
(
おもて
)
を背けて飲まんとせず。手をもて力無げに振払い、「
汝
(
うぬ
)
、毒薬だな。と
眼
(
まなこ
)
を
睜
(
みは
)
りぬ。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
だが、当分は
見遁
(
みのが
)
してやら。おれにゃ別の大望があるからよ。けッ! それさえなけりゃ、
汝
(
うぬ
)
なんぞ、半日だッてこの人間界へおくもんけえッ!
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「司馬又助は俺の仲間、
汝
(
うぬ
)
らを屋敷へ引き入れたも、汝らをここへ引き出したも、仲間同志の
誼
(
よし
)
みと知らぬか!」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
どこの悪党が
皮外套
(
トゥループ
)
を裏がへしになど著てわるさをさらしをるかと思つたのに! みんな
汝
(
うぬ
)
の仕業なのぢやな
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
汝
(
うぬ
)
らも峯松の同類に
違
(
ちげ
)
えねえ、伊香保の木暮八郎ン
処
(
とこ
)
にお
前方
(
めえがた
)
逗留して居る時分、
己
(
おら
)
ア知んねえけれども、何だか御用達の旦那さまだとか金持だとかなま
虚言
(
ぞら
)
を
吐
(
つ
)
いて
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
高の知れたる
蚯蚓膨
(
みみずば
)
れに一日なりとも仕事を休んで職人どもの
上
(
かみ
)
に立てるか、
汝
(
うぬ
)
はちっとも知るまいがの、この十兵衛はおろかしくて馬鹿と常々云わるる身ゆえに職人どもが軽う見て
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
汝
(
うぬ
)
をどんなに探したことか——ふふふ、運の尽きだ! いくぜ、おいッ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
喧
(
やかま
)
しいやい。と白き
頸
(
うなじ
)
を
鷲掴
(
わしづか
)
み、「この阿魔、生意気に人
好
(
ごのみ
)
をしやあがる。
汝
(
うぬ
)
どうしても
肯
(
き
)
かれないか。と
睨附
(
ねめつ
)
くれば、お藤は声を震わして、 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さっ来い! 御曹子の新九郎は生きているぞ、酔っちゃいるがこの
初鰹
(
はつがつお
)
は、
汝
(
うぬ
)
らの手掴みにはちと難かしい、それとも見事料理してみる気なら、庖丁を
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乾兒が場銭をさらいに来たわ! ……
汝
(
うぬ
)
らに賭場を荒らされるような、高萩一家と思っているか! ……さあみんなこの野郎を、袋叩きにして追い返せ!
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
汝
(
うぬ
)
を叩きのめして……そのしゃっ面を台なしにしてくれるぞ! さあ、行きゃあがれ! さっさと出ていけ!
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
汝
(
うぬ
)
、何うして
此処
(
こけ
)
え来た、お嬢さま、あんた何うして此の野郎を連れて入らっしゃいました、此の野郎、汝、何んだと、面目なくってお目にかゝられた義理じゃねえと
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
汝
漢検準1級
部首:⽔
6画
“汝”を含む語句
汝等
汝達
大汝
汝兄
汝曹
汝命
汝水
汝屋船
汝輩
汝南
爾汝
丁汝昌
汝陽
汝南圃史
汝所堅之美豆能小佩
汝寧
除汝
汝海
諾児汝
汝爾
...