宿とど)” の例文
太空そらは一ぺんの雲も宿とどめないが黒味渡ッて、二十四日の月はまだ上らず、霊あるがごとき星のきらめきは、仰げば身もしまるほどである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
太空そらは一片の雲も宿とどめないが黒味わたッて、廿四日の月は未だのぼらず、霊あるが如き星のきらめきは、仰げば身もしまるほどである。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
万客ばんきゃくあか宿とどめて、夏でさえ冷やつく名代部屋の夜具の中は、冬の夜のけては氷の上にるより耐えられぬかも知れぬ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)