とゞこほ)” の例文
旧字:
此場合に二条殿には御嫌疑の為め御役御免に相成、御婚姻御用係を命ぜらる、万事御用向担当とゞこほり無く御婚儀相済あひすませられたり云々。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
一寸ちよつとうかゞひますが、アノ、アノ、田村たむらをんなのおはか御在ございますが、アノ、それはこちらのおてら御在ございませうか。」と道子みちことゞこほちにきいてた。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
去年の末に幸ひ美奈子の長篇小説がなにがし新聞社へ買取られたので、其の稿料で大崎村の諸はらひとゞこほりやら麹町の新居の敷金やら引越料やらをやつすます事が出来た。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
小賢こざかしき口返答する下郎かな。腹の足しにもならぬ花の種子を蒔きて無用の骨を折らむよりこの間、申し付けし庫裡くりの流し先を掃除せずや。飯粒、茶粕のたぐひ淀みとゞこほりて日盛りの臭き事一方ひとかたならず。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
道子みちこ三月みつきたゝぬうち立派りつぱかせにんとなり、はゝへの仕送しおくりにはなんとゞこほりもなくやつてつたが、ほどなく其母そのはゝ急病きふびやうんでしまひ、道子みちこはそれから以後いごみせかせかね
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
岸によどみてとゞこほ
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)