)” の例文
親方おやかた、おまえさんは、戦争せんそうにいきなさったか。」と、ききました。ふいにこういかけられたので、馭者ぎょしゃは、おどろいたかおをして
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
同じ祝詞のりとの中には、また次のような語も見えます。曰く、「国中に荒振神等あらぶるかみたちを、かみはしに問はしたまひかみはらひに掃ひたまひて云々」
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
黒板こくばんにつるした大きな黒い星座せいざの図の、上から下へ白くけぶった銀河帯ぎんがたいのようなところをしながら、みんなにいをかけました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
子供こどもには、はなしたあとでいろ/\のことはれて、わたくしまたむことをずに、いろ/\なことこたへたが、それをこと/″\くことは出來できない。
寒山拾得縁起 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
此所こゝならば度々たび/″\たが、大發掘だいはつくつはせずにるのだ。今日けふつてもいかとふと、大丈夫だいじやうぶだ。原田文海はらだぶんかい心得こゝろえとると大呑込おほのみこみ。
ういふ樣子やうすのやうなことをいふてきましたかともひたけれど悋氣男りんきをとこ忖度つもらるゝも口惜くちをしく、れは種々いろ/\御厄介ごやつかい御座ござりました
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『おまへ亞尼アンニーとかつたねえ、なんようかね。』とわたくししづかにふた。老女らうぢよむしのやうなこゑで『賓人まれびとよ。』と暫時しばしわたくしかほながめてつたが
此處こゝ筒袖つゝそで片手かたてゆつたりとふところに、左手ゆんで山牛蒡やまごばうひつさげて、頬被ほゝかぶりしたる六十ばかりの親仁おやぢ、ぶらりと來懸きかゝるにみちふことよろしくあり。
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なんゆえ私宅教授したくけふじゆの口がありても錢取道ぜにとるみちかんがへず、下宿屋げしゆくやに、なにるとはれてかんがへることるとおどろかしたるや。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
この家へきたときからこのくらいか、あるいはいつごろから調子ちょうしがよくなったかとうのであった。安藤はしんの花前のともである。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ふ寶澤こたへて我は徳川無名丸むめいまると申す者なり繼母けいぼ讒言ざんげんにより斯は獨旅ひとりたびを致す者なり又其もとは何人にやとたづかへせば彼者かのもの芝原しばはらへ手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
余此蝶を見ざりしゆゑ、近隣きんりん老婦らうふわかきころ渋海川のほとりよりせし人ありしゆゑたづひしに、その老婦らうふかたりしまゝをこゝにしるせり。
ひとりい、ひとり答えて、はては当面とうめん大難だいなんにあたまも惑乱わくらんして、ぼうぜんと、そこに、うでぐみのまま立ちすくんでしまったのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兒玉こだま先程來さきほどらいおほくちひらかず、微笑びせうして人々ひと/″\氣焔きえんきいたが、いま突然とつぜん出身しゆつしん學校がくかうはれたので、一寸ちよつとくちひらなかつたのである。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
さらば如何にすべきとうに、その悪しき玉を切り捨つる法はあれども、未だ我国にて行いしことのなければ、容易たやすからずと医師くすしは言う也。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しゅうたおのずとわたくしくちいてたのもそのときでございます。真嶺さねし、相摸さがむ小野おのに、ゆるの、火中ほなかちて、いしきみはも……。
けれどもかれ自身じしん家主やぬしたく出向でむいてそれをたゞ勇氣ゆうきたなかつた。間接かんせつにそれを御米およねふことはなほ出來できなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其時そのとき日本帝國にほんていこく』から何程なにほど利益りえき保護ほごとをけてゐるのかとはれたら、返事へんじには當惑たうわくするほどのミジメな貧乏生活びんばふせいくわつおくつてゐたくせに。
僕の好奇心は火柱ひばしらのようにもえあがったけれど、博士の沈痛ちんつうな姿を見ると、かさねてうは気の毒になり、まあまあと自分の心をおさえつけた。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
貴人九二古語ふることかれこれわきまへ給ふに、つばらに答へたてまつるを、いといとでさせ給うて、九三かれろくとらせよとの給ふ。
さらばただただひとより偉いとうれしがるために勝つかとわば、決してえらがるばかりが目的でない、むしろ人を服従させるのが勝つの意味である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
と、馳走した上、音物いんもつを贈って、さまざま君前くんぜんを申しなだめて貰いもし、また、営中の形勢をもただそうとしたのだが、飛騨守は、たもとを払って
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
斯樣かやうすればわるい、何故なにゆゑわるいかといふてん自分じぶんこゝろはせてて、自分じぶん其理由そのりいう發明はつめいし、成程なるほどこれはい、わるいといふところ自分じぶん合點がつてんせしむる。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
けれどもこの時御寮人ごりょうにんの前へ呼ばれた佐助の態度がオドオドして胡散臭うさんくさいのに不審が加わりめて行くと辻褄つじつまの合わないことが出て来て実はそれを
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
師はいそがはしく凌雲院を出で三枚橋の傍に至りし時、左右の小路より人数多く出来りたずねふべき仔細しさいあり町奉行所へ参り候へとて引連れて候と告ぐ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
あいちやんはふべき言葉ことばもなく、いくらかのおちや麺麭パン牛酪バターとをして、福鼠ふくねずみはう振向ふりむき、『何故なぜみん井戸ゐどそこんでゐたの?』とかへしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
魯君ろくんこれうたがうて、呉起ごき(六九)しやす。呉起ごきここおい文矦ぶんこうけんなるをき、これつかへんとほつす。文矦ぶんこう李克りこくうていはく、『呉起ごき何如いかなるひとぞ』
とき丁度ちやうど時過じすぎ。いつもなら院長ゐんちやう自分じぶんへやからへやへとあるいてゐると、ダリユシカが、麥酒ビール旦那樣だんなさま如何いかゞですか、と刻限こくげん戸外こぐわいしづか晴渡はれわたつた天氣てんきである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
れからまた或日あるひ外国方がいこくがたの小役人が出て来て、時に福澤さんは家来は何人お召連めしつれになるかとうから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
防人さきもりに行くはひとるがともしさ物思ものもひもせず 〔巻二十・四四二五〕 防人の妻
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
『それは大儀たいぎだツた。どうだな能登守殿のとのかみどの御病氣ごびやうきは。』と、但馬守たじまのかみかたちたゞしてうた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
下人 はっしゃらいでもまうしませう。手前てまへ主人しゅじんはカピューレット長者ちゃうじゃでござります。貴下こなたがモンタギューかたでござらっしゃらぬならば、せて酒杯さかづきらッしゃりませ。
これ老幼男女ろうようだんじよ區別くべつはず、一齊いつせい災害防止さいがいぼうし努力どりよくしなければならない所以ゆえんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
之れ予等一行にしたがふて利根水源すゐげんたる世人未知の文珠もんじゆ菩薩をはいせんとする為めなり、各蕎麦粉三升をふ、之をへば曰く即ち食糧しよくれうにして、毎日三合づつ之をに入れてみ以てうへしのぐを得
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
予また幕末ばくまつ編年史へんねんしを作り、これを三十年史となづ刊行かんこうして世にわんとせし時、誰人たれびとかに序文じょぶんわんと思いしが、駿しゅんかたわらりて福沢先生の高文こうぶんを得ばもっとも光栄こうえいなるべしという。
気をつけて見れば見るほどどうも可怪おかしいようにも思われたので、私はいっそ本人にむかって打付うちつけただして、その疑問を解こうかとも思ったが、可哀かあいそうだからおしなさいと妻はいった。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
つきから辰男の不注意を罵つてゐた父や兄は、火が消えて心が落着いてから、一樣に彼れの方へ目を向けてなじつたが、石のやうに身動きもしないで、堅く口を閉ぢてゐるのに呆れて
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
〔譯〕人は皆身の安否あんぴふことを知つて、而かも心の安否を問ふことを知らず。宜しく自ら能く闇室あんしつあざむかざるやいなや、能く衾影きんえいぢざるや否や、能く安穩あんおん快樂くわいらくを得るや否やと問ふべし。
かくありふにの二三の事項じこうを以てせり、しかしてこたへぬ。
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
ただ支那と云う国籍だけはほとんど有無うむわれないだけに、すこぶ好都合こうつごうに出来上っている。君はまだ高等学校にいた時、僕に「さまよえる猶太ユダヤ人」と云う渾名あだなをつけたのを覚えているであろう。
第四の夫から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
歌に名はあひはざりきさいへ一夜ひとよゑにしのほかの一夜とおぼすな
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ける銃架じうか。おまへ目的もくてきらず理由りいうはず
くに兄姫えびめたけすがた、富士ふじこそへれ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
平次は呼び止めていを改めます。
その様子ようすをおはついたずねた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
みちふほどのこと言ひしのみ
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何ゆゑとわがはむとき
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
祖母おばんに、うてから」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
うしは、おだやかなおおきなをみはって、遠方えんぽうひかりらされてあつそうな景色けしきていましたが、からすがあたまうえでこういますと
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
鍋町なべちやううらはう御座ございますかと見返みかへればいな鍋町なべちやうではなし、本銀町ほんしろかねちやうなりといふ、らばとばかりいだまた一町いつちやうまがりませうかとへば
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)