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恍
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と
ふりがな文庫
“
恍
(
と
)” の例文
馬には、音楽が分るとかいうが、いかにも笛の音が分るように、馬上の女がふく横笛に聞き
恍
(
と
)
れながら、のたり、のたりと、
緩
(
のろ
)
い脚を運んで来るのだった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
イワンは併し、娘の姿に見
恍
(
と
)
れているうちに、だんだんせつなくなりました。
イワンとイワンの兄
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
湯杓子
(
ゆびしゃく
)
を、
茶釜
(
かま
)
に入れながら、夫人は、思わず聞き
恍
(
と
)
れていた。良人の顔をそっと見ると、内匠頭も同じ気もちに打たれているらしい。
凝
(
じっ
)
と耳をすましていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自己の罪条をいい
晦
(
くらま
)
すに努めると、
正
(
まさ
)
に、
懸河
(
けんが
)
の弁舌というもおろか、思わず聞き
恍
(
と
)
れるばかりだった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、さもさもなつかしいものにでも
巡
(
めぐ
)
り
会
(
あ
)
ったように、眼をほそめ、耳をすまして、聞き
恍
(
と
)
れていた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
典膳は見
恍
(
と
)
れていた。この朝から彼はまた青年の
憂悶
(
ゆうもん
)
を深くした。
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
眼をほそめて、娘の歌に聞き
恍
(
と
)
れている顔つきである。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「大きい姉さんと、
階下
(
した
)
で、聞き
恍
(
と
)
れておりました」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わしも」
恍
(
と
)
ぼけた顔を見合せた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
恍
漢検1級
部首:⼼
9画
“恍”を含む語句
恍惚
恍然
恍惚境
恍乎
見恍
空恍
寝恍
寝恍顔
恍惚郷
聞恍
淑奇恍惚
恍爾
恍然魅了
恍焉
恍気
大恍
恍惚感
恍呆
恍々惚々
寐恍