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取
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と
ふりがな文庫
“
取
(
と
)” の例文
山
(
やま
)
や、
野
(
の
)
や、
谷
(
たに
)
に
食
(
た
)
べるものがなくなってしまうと、
人間
(
にんげん
)
の
村里
(
むさざと
)
を
襲
(
おそ
)
ってきます。そして、
人間
(
にんげん
)
を
食
(
た
)
べたり、
家畜
(
かちく
)
を
取
(
と
)
ったりします。
おおかみと人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わたし
)
は
其時分
(
そのじぶん
)
は
何
(
なん
)
にも
知
(
し
)
らないで
居
(
ゐ
)
たけれども、
母様
(
おつかさん
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらしは、この
橋銭
(
はしせん
)
で
立
(
た
)
つて
行
(
い
)
つたので、
一人前
(
ひとりまへ
)
幾于宛
(
いくらかづゝ
)
取
(
と
)
つて
渡
(
わた
)
しました。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
すなわち人のためにする仕事の分量は
取
(
と
)
りも
直
(
なお
)
さず己のためにする仕事の分量という方程式がちゃんと数字の上に現われて参ります。
道楽と職業
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「うん、うん、それはお
前
(
まえ
)
の
言
(
い
)
うとおりだとも。だからねずみの
言
(
い
)
うことは
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げずに
帰
(
かえ
)
してやったのだから、
安心
(
あんしん
)
おしなさい。」
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
二
億圓
(
おくゑん
)
の
正貨
(
せいくわ
)
を
買
(
か
)
ひ
得
(
え
)
たことは、
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
の
日本
(
にほん
)
に
取
(
と
)
つては
出來過
(
できす
)
ぎであると
云
(
い
)
ふ
批評
(
ひひやう
)
があるが、それは
正
(
まさ
)
しく
左樣
(
さやう
)
であらうと
思
(
おも
)
ふ。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
▼ もっと見る
油断
(
ゆだん
)
をしているうちに、
達二
(
たつじ
)
はいきなり山男に足を
捉
(
つか
)
まいて
倒
(
たお
)
されました。山男は達二を組み
敷
(
し
)
いて、刀を
取
(
と
)
り上げてしまいました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ものゝ
感
(
かん
)
じ
方
(
かた
)
が
非常
(
ひじやう
)
に
鋭敏
(
えいびん
)
で、
鼻
(
はな
)
・
耳
(
みゝ
)
・
肌
(
はだ
)
などに
觸
(
ふ
)
れるものを
鋭
(
するど
)
く
受
(
う
)
け
取
(
と
)
ることの
出來
(
でき
)
た
珍
(
めづら
)
しい
文學者
(
ぶんがくしや
)
であつたことを
見
(
み
)
せてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
私
(
わたくし
)
は
竜宮行
(
りゅうぐうゆき
)
をする
前
(
まえ
)
に、
所中
(
しょっちゅう
)
そのお
祠
(
やしろ
)
へ
参拝
(
さんぱい
)
したのでございますが、それがつまり
私
(
わたくし
)
に
取
(
と
)
りて
竜宮行
(
りゅうぐうゆき
)
の
準備
(
じゅんび
)
だったのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「一人息子をあれまで育てて、これからかかろうという矢先にそんな悪い病気に
取
(
と
)
っつかれては……」と
老妻
(
かみさん
)
はしみじみと同情した。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
我我の行為を決するものは昔の
希臘人
(
ギリシアじん
)
の云った通り、好悪の外にないのである。我我は人生の泉から、最大の味を
汲
(
く
)
み
取
(
と
)
らねばならぬ。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ほんじゃ、明日の二時の汽車にしんべかな?」と豊作は、前々からの約束を、そして今朝の
取
(
と
)
り
定
(
き
)
めを、再びそこに持ち出した。
駈落
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
もう打っちゃっては置けないので、庄太が
取
(
と
)
っ
捉
(
つか
)
まえて詮議すると、いや、もう、意気地のない奴で、小さくなって恐縮している。
半七捕物帳:54 唐人飴
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
犬
(
いぬ
)
の
皮
(
かわ
)
をかぶって、おせんの
裸
(
はだか
)
を
思
(
おも
)
う
存分
(
ぞんぶん
)
見
(
み
)
た
上
(
うえ
)
に
写
(
うつ
)
し
取
(
と
)
って
来
(
く
)
るなんざ、
素人
(
しろうと
)
にゃ、
鯱鉾立
(
しゃちほこだち
)
をしても、
考
(
かんが
)
えられる
芸
(
げい
)
じゃねえッてのよ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
顏中
(
かほぢゅう
)
のどこも/\
釣合
(
つりあひ
)
が
善
(
よ
)
う
取
(
と
)
れて、
何一
(
なにひと
)
つ
不足
(
ふそく
)
はないが、
萬
(
まん
)
一にも、
呑込
(
のみこ
)
めぬ
不審
(
ふしん
)
があったら、
傍註
(
わきちゅう
)
ほどに
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
ふ
眼附
(
めつき
)
を
見
(
み
)
や。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
初恋に
酔
(
よ
)
う少年少女のたわいのない
睦言
(
むつごと
)
の
遣
(
や
)
り
取
(
と
)
りに過ぎないけれども、
互
(
たがい
)
に人目を
忍
(
しの
)
んでは首尾していたらしい様子合いも見え
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
柿
(
かき
)
の
好
(
す
)
きなお
百姓
(
ひやくしやう
)
の
子供
(
こども
)
は
青
(
あを
)
い
柿
(
かき
)
を
見
(
み
)
に
來
(
き
)
ましたが、
取
(
と
)
つて
食
(
た
)
べて
見
(
み
)
る
度
(
たび
)
に
澁
(
しぶ
)
さうな
顏
(
かほ
)
をして、
食
(
た
)
べかけのを
捨
(
す
)
てゝしまひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何故息を
吐
(
つ
)
いたかといふと、こんな式位で噂に聞いた
大蛇
(
おろち
)
の祟りが無事に
取
(
と
)
り
除
(
の
)
けられるものか、
何
(
ど
)
うか疑はしかつたからである。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ドクトルは
其後
(
そのあと
)
を
睨
(
にら
)
めてゐたが、
匆卒
(
ゆきなり
)
ブローミウム
加里
(
カリ
)
の
壜
(
びん
)
を
取
(
と
)
るより
早
(
はや
)
く、
發矢
(
はつし
)
と
計
(
ばか
)
り
其處
(
そこ
)
に
投
(
なげ
)
付
(
つけ
)
る、
壜
(
びん
)
は
微塵
(
みぢん
)
に
粉碎
(
ふんさい
)
して
了
(
しま
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
自分
(
じぶん
)
の
馬
(
うま
)
はのろくてとても
叶
(
かな
)
ひませんので、その
馬
(
うま
)
をほしく
思
(
おも
)
ひ、いろ/\
話
(
はなし
)
をして
馬
(
うま
)
を
取
(
と
)
りかへてもらひ、
喜
(
よろこ
)
んで
家
(
いへ
)
へかへりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
第一、生れて一度も手紙の
遣
(
や
)
り
取
(
と
)
りなんかしたこともない。けれど私は信じていた。行けばきっと私を受け入れてくれるだろうと。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「
欲
(
ほ
)
しいつちんだら
出
(
だ
)
して
遣
(
や
)
れえ」
彼
(
かれ
)
はいつた。おつぎは
戸棚
(
とだな
)
から
煎餅
(
せんべい
)
を一
枚
(
まい
)
出
(
だ
)
して
與吉
(
よきち
)
へ
渡
(
わた
)
した。
與吉
(
よきち
)
はすつと
奪
(
うば
)
ふ
樣
(
やう
)
にして
取
(
と
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
閭
(
りよ
)
は
小女
(
こをんな
)
を
呼
(
よ
)
んで、
汲立
(
くみたて
)
の
水
(
みづ
)
を
鉢
(
はち
)
に
入
(
い
)
れて
來
(
こ
)
いと
命
(
めい
)
じた。
水
(
みづ
)
が
來
(
き
)
た。
僧
(
そう
)
はそれを
受
(
う
)
け
取
(
と
)
つて、
胸
(
むね
)
に
捧
(
さゝ
)
げて、ぢつと
閭
(
りよ
)
を
見詰
(
みつ
)
めた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
此次
(
このつぎ
)
の
座敷
(
ざしき
)
はきたなくつて
狭
(
せま
)
うございますが、
蒲団
(
ふとん
)
の
皮
(
かは
)
も
取
(
と
)
り
替
(
か
)
へたばかりでまだ
垢
(
あか
)
もたんと
附
(
つ
)
きませんから、
緩
(
ゆつ
)
くりお休みなさいまし
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何も彼も段落が付いてしまったから、千種十次郎は、足の勇を
取
(
と
)
っ
締
(
ち
)
める勇気もありませんでした。それほど勇は
悄気
(
しょげ
)
返って居たのです。
流行作家の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
帽子屋
(
ばうしや
)
が
唯
(
た
)
ッた
一人
(
ひとり
)
場所
(
ばしよ
)
を
取
(
と
)
り
交
(
か
)
へた
爲
(
ため
)
に一
番
(
ばん
)
好
(
い
)
いことをしました、
愛
(
あい
)
ちやんは
以前
(
まへ
)
よりも
餘
(
よ
)
ッ
程
(
ぽど
)
割
(
わり
)
が
惡
(
わる
)
くなりました、だつて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
当主の、福子の良人には父にあたるその人は、
温厚
(
おんこう
)
一途
(
いちず
)
が
取
(
と
)
り
柄
(
え
)
で、仕事の上のことでは、まだまだ隠居の
差
(
さ
)
し
図
(
ず
)
の下にいた。
万年青
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
「
何
(
なん
)
だって、お
前
(
まえ
)
は
塀
(
へい
)
を
乗越
(
のりこ
)
えて
来
(
き
)
て、
盗賊
(
ぬすびと
)
のように、
私
(
わたし
)
のラプンツェルを
取
(
と
)
って
行
(
ゆ
)
くのだ? そんなことをすれば、
善
(
よ
)
いことは
無
(
な
)
いぞ。」
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
せめて
家
(
いへ
)
の
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
つて、ものをいはうとしても、それさへ
取
(
と
)
り
合
(
あ
)
つてくれぬ
始末
(
しまつ
)
で、
人々
(
ひと/″\
)
はいよ/\
氣
(
き
)
を
揉
(
も
)
んで
騷
(
さわ
)
ぐのでした。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
湯原
(
ゆがはら
)
の
温泉
(
をんせん
)
は
僕
(
ぼく
)
になじみの
深
(
ふか
)
い
處
(
ところ
)
であるから、たとひお
絹
(
きぬ
)
が
居
(
ゐ
)
ないでも
僕
(
ぼく
)
に
取
(
と
)
つて
興味
(
きようみ
)
のない
譯
(
わけ
)
はない、
然
(
しか
)
し
既
(
すで
)
にお
絹
(
きぬ
)
を
知
(
し
)
つた
後
(
のち
)
の
僕
(
ぼく
)
には
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
想像
(
さうざう
)
すれば、
始終
(
しじう
)
青一色
(
チンイイソオ
)
をさせたり、
滿貫役
(
まんぐわんやく
)
をつけさせたりするのだらうが、それが
自然
(
しぜん
)
と
取
(
と
)
り
入
(
い
)
りの
阿堵物
(
あとぶつ
)
になることは
言
(
い
)
ふまでもない。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
おや/\と
思
(
おも
)
ひながら、
猶
(
なほ
)
念
(
ねん
)
を
入
(
い
)
れて
土
(
つち
)
を
取
(
と
)
つて
見
(
み
)
ると、
把手
(
とつて
)
の一
部
(
ぶ
)
のみ
缺
(
か
)
けて
他
(
た
)
は
完全
(
くわんぜん
)
なる
土瓶
(
どびん
)
であつた。(第三圖イ參照)
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
遠
(
とほ
)
ざかるが
最期
(
さいご
)
もう
縁
(
ゑん
)
の
切
(
き
)
れしも
同
(
おな
)
じこと
取
(
と
)
りつく
島
(
しま
)
の
頼
(
たの
)
みもなしと、
我
(
わ
)
れ
振
(
ふ
)
りすてられしやうな
歎
(
なげ
)
きにお
園
(
その
)
いよ/\
心細
(
こヽろぼそ
)
く
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「今は云わぬよ! 何にも云わぬよ! ……しかし生かしては置かれない! ……今日中に命を
取
(
と
)
るがいい! ……手が入ったら一大事だ」
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
御持參有しに
間違
(
まちがひ
)
も有まじと思ひ右品
引換
(
ひきかへ
)
に金子御渡し申したりと
櫛
(
くし
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
して見せければ傳吉は再び
仰天
(
ぎやうてん
)
なしたりしが心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
取
(
と
)
り
柄
(
え
)
と
言
(
い
)
へば、
頭
(
あたま
)
から
青痰
(
あをたん
)
を
吐
(
は
)
きかけられても、
金
(
かね
)
さへ
握
(
にぎ
)
らせたら、ほく/\
喜
(
よろこ
)
んでるといふ
其
(
そ
)
の
徹底
(
てつてい
)
した
守錢奴
(
しゆせんど
)
ぶりだ。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
但
(
たゞ
)
し
此斥候
(
このせつこう
)
の
報告書
(
ほうこくしよ
)
とも
名
(
な
)
づくべきものは、
單
(
たん
)
に
地震波
(
ぢしんぱ
)
の
種々
(
しゆ/″\
)
の
形式
(
けいしき
)
のみであるから、これを
書取
(
かきと
)
り
其上
(
そのうへ
)
にそれを
讀
(
よ
)
み
取
(
と
)
ることを
必要
(
ひつよう
)
とする。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
金魚屋
(
きんぎょや
)
は、その
住宅
(
じゅうたく
)
と
土地
(
とち
)
とを
抵当
(
ていとう
)
にして
老人
(
ろうじん
)
に
取
(
と
)
られて、
再
(
さい
)
三
再
(
さい
)
四
立退
(
たちの
)
きを
迫
(
せま
)
られている。
怨恨
(
えんこん
)
があるはずだと、
当局
(
とうきょく
)
は
睨
(
にら
)
んだのであつた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
里親の家来筋や親戚が訪れてくれば、何でもそれに話してしまうし、義元の奥向きの誰彼へも、始終、文使いなど
遣
(
や
)
り
取
(
と
)
りしているのである。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
取
(
と
)
んだ
八当
(
やつあたり
)
で貴方へ御迷惑が懸りますやうでは、何とも私申訳がございませんから、どうぞそれだけお含み置き下さいまして、
悪
(
あし
)
からず……。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
神と悪魔との反対面を
兼
(
か
)
ね
備
(
そな
)
えて持つ科学に、われ等は
取
(
と
)
り
憑
(
つ
)
かれているのだ。
斯
(
か
)
くのごとき科学力時代に、科学小説がなくていいであろうか。
『地球盗難』の作者の言葉
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
先刻
(
さつき
)
美
(
うつく
)
しい
人
(
ひと
)
が
脇
(
わき
)
へ
来
(
き
)
て
席
(
せき
)
を
取
(
と
)
つたが、
言葉
(
ことば
)
が
通
(
つう
)
じないことがわかつたところで、
今
(
いま
)
一
人
(
り
)
の
日本語
(
にほんご
)
のよく
話
(
はな
)
せるお
転婆
(
てんば
)
さんらしい
女
(
おんな
)
と
入替
(
いれかわ
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そして
殘
(
のこ
)
つた
四分
(
しぶん
)
の
三
(
さん
)
の
雨
(
あめ
)
が
葉
(
は
)
から
枝
(
えだ
)
、
枝
(
えだ
)
から
幹
(
みき
)
へ
流
(
なが
)
れて、
徐々
(
じよ/\
)
に
地面
(
じめん
)
に
落
(
お
)
ち、そこにある
落
(
お
)
ち
葉
(
ば
)
に
吸
(
す
)
ひ
取
(
と
)
られるのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
是等
(
これら
)
は肉の大部分を
取
(
と
)
りたる後、尚ほ
殘
(
のこ
)
りて
付着
(
ふちやく
)
し居る部分をば骨と共に前述の土器に入れて煮たる事を示すものの如し。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
多少
(
たせう
)
私達に
好意
(
かうい
)
を持つてくれる
人達
(
ひとたち
)
は、
日
(
ひ
)
に/\
氣遣
(
きづか
)
ひの眼をもつて私達に
臨
(
のぞ
)
みました。それは私達の
眞意
(
しんい
)
を
汲
(
く
)
み
取
(
と
)
り
得
(
え
)
なかつたからなのでした。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
いろいろたずねてみるとようすがわるい、きゅうに
医者
(
いしゃ
)
にも見せたがまにあわなく、そのうちまもなく
息
(
いき
)
を
引
(
ひ
)
き
取
(
と
)
った。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
矢張
(
やは
)
り
僕
(
ぼく
)
の
友人
(
いうじん
)
だが、——
今度
(
こんど
)
は
男
(
をとこ
)
だが——
或奴
(
あるやつ
)
から
少
(
すこ
)
し
取
(
と
)
るべき
金
(
かね
)
があるのに、どうしてもよこさない。いろ/\
掛合
(
かけあ
)
つて
見
(
み
)
たが
埓
(
らち
)
があかない。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
その中にひょろ長い体に糸が
絡
(
から
)
んで動けなくなる。それを朝行って
取
(
と
)
っ
占
(
ち
)
めて来る。尤もこれは理論で、実際は蚯蚓を寄進につくことの方が多い。
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それがただ一つの記念である。誰が何といおうとも、これだけは彼の体から
剥
(
は
)
ぎ
取
(
と
)
れない。彼のために彼を笑ってやれ。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
「うむ。つぎに、
烏羽玉組
(
うばたまぐみ
)
とやら申す
斬
(
き
)
り
取
(
と
)
り強盗の輩がいよいよ
跳梁
(
ちょうりょう
)
しおるとのことだが、また、例のあの一派の浪人ばらの動静はどうじゃな」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
膚
(
はだ
)
はなめたように病的である。絵の
拙
(
つたな
)
さ俗さ、形の弱さいじけさ、そうして色の薄っぺらなこと、どこにも
取
(
と
)
り
柄
(
え
)
がない。近くに報恩寺の窯がある。
雲石紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
“取”の解説
取(しゅ)とは、サンスクリット語およびパーリ語のウパーダーナ(pi: upādāna)に由来する言葉であり、「ある活動を活性化させ維持させる源や手段となる、燃料、物質的原因、気質」という意味である。
仏教では、アタッチメント、執着、掌握といった意味を指す重要概念である。これは渇愛(tṛṣṇā、トリシュナー)の結果として生じるものであり、煩悩の一種とされ、最終的には苦に繋がる。
(出典:Wikipedia)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
“取”を含む語句
取付
取着
奪取
取附
取除
取出
引取
請取
取換
取合
取扱
受取
取交
手間取
主取
気取
捗取
取締
取捨
取返
...