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駐
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と
ふりがな文庫
“
駐
(
と
)” の例文
これなん先頃から洛陽郊外の
澠池
(
べんち
)
に兵馬を
駐
(
と
)
めたまま、何進が再三召し呼んでも動かなかった
惑星
(
わくせい
)
の人——
西涼
(
せいりょう
)
の
刺史
(
しし
)
董卓
(
とうたく
)
であった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此一行がセルギウス等を見て馬を
駐
(
と
)
めた。フランス人らしい男に
les
(
レエ
)
pèlerins
(
ペルレン
)
(巡礼)を見せようと云ふのである。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
彼はプラットフォームの人込みを抜けながら、何やらその前に人だかりがしているのを見ると、何んの気なしに足を
駐
(
と
)
めて掲示板を覗いた。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
素鼠縮緬
(
すねずみちりめん
)
の
頭巾被
(
づきんかぶ
)
れる婦人は
樺色無地
(
かばいろむじ
)
の
絹臘虎
(
きぬらつこ
)
の
膝掛
(
ひざかけ
)
を
推除
(
おしの
)
けて、
駐
(
と
)
めよ、返せと
悶
(
もだ
)
ゆるを、
猶
(
なほ
)
聴かで
曳々
(
えいえい
)
と
挽
(
ひ
)
き行く
後
(
うしろ
)
より
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱり
)
お玉の方が別品だなと思うと同時に、心に愉快と満足とを覚えて、暫く足を橋の上に
駐
(
と
)
めて、芸者の
後影
(
うしろかげ
)
を見送った。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
車は広小路から坂本の方へ出て行き、狭苦しい町の中の雑踏へ来てから、陸橋の
袂
(
たもと
)
で
駐
(
と
)
まったが、その
家
(
うち
)
はいつ来ても庸三は気分がよかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
車はボルゲエゼの
館
(
たち
)
の前に
駐
(
と
)
まりぬ。
僮僕
(
しもべ
)
は我を
誘
(
いざな
)
ひて館の最高層に登り、相接せる二小房を指して、我行李を
卸
(
おろ
)
さしめき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
このありさまに車夫も走るのをためらって、暫くのあいだ車を
駐
(
と
)
めた。そこはとある店屋の前であった。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
幾すじもある小川のほとりで車は
駐
(
と
)
められ、夜露に
冴
(
さ
)
えた蛍火は眼も
綾
(
あや
)
なるほど、草の上にあった。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
旅人が馬を
水城
(
みずき
)
(貯水池の大きな堤)に
駐
(
と
)
めて、皆と別を惜しんだ時に、児島は、「
凡
(
おほ
)
ならば
左
(
か
)
も
右
(
か
)
も
為
(
せ
)
むを
恐
(
かしこ
)
みと振りたき袖を
忍
(
しぬ
)
びてあるかも」(巻六・九六五)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
十月のはじめには、新帝はすでに東海道の
新井
(
あらい
)
駅に
御着
(
おんちゃく
)
、途中
潮見坂
(
しおみざか
)
というところでしばらく鳳輦を
駐
(
と
)
めさせられ、初めて大洋を御覧になったという報告が来るようになった。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ソロモン王その通りせしに、アたちまち王を
嚥
(
の
)
み、他に一足を
駐
(
と
)
めて両翅を天まで伸ばし、四百里外に王を吐き飛ばすを知る者なかった。かくてこの鬼、王に化けてその位に居る。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
雪明りに
透
(
すか
)
しておしおの家が眼にとまった時、彼はぎくりとしたように足を
駐
(
と
)
めた。そして、ためらうように窓の明りを
眺
(
なが
)
めていたが、きゅうに足を
旋
(
めぐ
)
らして二歩三歩帰りかけた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
筏を組むにはいわゆる川淀の
潭
(
ふち
)
をなしてしばらく流木を
駐
(
と
)
め得る所たることを要するが、それと同時に必要な条件は、なるべく近くに筏を結ぶツヅラの多く採取し得らるることである。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
君江の威勢に運転手は暴力を出しても駄目だと思ったのか、そのままおとなしく車を
駐
(
と
)
めると、折からざっと吹ッ掛けて来た
驟雨
(
しゅうう
)
に傘の用意のないのを、さも
好
(
い
)
い気味だといわぬばかり。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と、欧陽詢は百姓の方には見向きもしないで、馬を
駐
(
と
)
めた
儘
(
まゝ
)
、じつと石碑の文字に
見惚
(
みと
)
れてゐた。馬は
幸福
(
しあはせ
)
と文字の
鑑定
(
めきゝ
)
が出来なかつたので、その
間
(
ま
)
にせつせと道つ端の草を食べてゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
先ず境内に入りて足を
駐
(
と
)
めつ、打仰ぎて
四辺
(
あたり
)
を見るに、高さはおよそ三、四百尺もあるべく亙りは二町あまりもあるべき、いと大きなる一
ト
つづきの巌の屏風なして
聳
(
そび
)
え立ちたるその真下に
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
銭形平次も、思わず足を
駐
(
と
)
めたほど、それは冒涜的なものでした。
銭形平次捕物控:182 尼が紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
東京
(
とうけい
)
城の関外へ出てから二日目、小さな宿場町へ
黄昏
(
たそが
)
れ頃つくと、とある
田舎酒館
(
いなかぢゃや
)
の前に馬を
駐
(
と
)
めて、彼らを待っていた男がある。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「貴様は善くないぞ。
麁相
(
そそう
)
を為たと思うたら
何為
(
なぜ
)
車を
駐
(
と
)
めん。逃げやうとするから呼止めたんじや。貴様の不心得から主人にも恥を
掻
(
かか
)
する」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お常はしぶしぶその方を見て、覚えず足を
駐
(
と
)
める。そのとたんに女は振り返る。お常とその女とは顔を見合せたのである。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
車は廣こうぢを横ぎりて、旅店「カアザ、テデスカ」の前に
駐
(
と
)
まりぬ。店の隣には、小き
傀儡場
(
くゞつば
)
あり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その建物の陰に
駐
(
と
)
まっている一台の古自動車も、やはり片側だけ雪に埋っていた。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
爾時
(
そのとき
)
数百人黄なる馬と車に乗り、衣服も侍従も皆黄な一行が遣って来り、車を
駐
(
と
)
めて彼を穀賊と呼び、汝はどうしてここに在るかと問うと、われは人の穀を食うたからここへ置かれたと答え
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
錢形平次も、思はず足を
駐
(
と
)
めたほど、それは冒涜的なものでした。
銭形平次捕物控:182 尼が紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そなたは蛍のいるところで車を
駐
(
と
)
めるよう。」
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
が、星かげの青い暗がりに
淀
(
よど
)
み
駐
(
と
)
まったのは、一輛の女車と、それをつつむ、ゆゆしい
上達部
(
かんだちべ
)
のひと群れだった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すぐに外へ駆け出せば好かったのだ。そうしたら岡田さんが足を
駐
(
と
)
めたに違いない。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
程経て、隣りの家の前に男車らしいものの
駐
(
と
)
まる音がした。そうして「荻の葉、おぎの葉」と呼ばせているのが手にとるように聞えて来た。が、隣家からは誰もそれに返事をしないらしかった。
姨捨
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「かかる狭小な地に、長く
聖駕
(
せいが
)
をお
駐
(
と
)
めするわけにはゆかぬ。洛陽は
古
(
いにしえ
)
から天子建業の地でもあれば——」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
潮汲み女は足を
駐
(
と
)
めて、主従四人の群れを見渡した。そしてこう言った。「まあ、お気の毒な。あいにくなところで日が暮れますね。この土地には旅の人を留めて上げる所は一軒もありません」
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
おやと思って、私はおもわずその場に足を
駐
(
と
)
めた。
朴の咲く頃
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
前田利家父子の持ちは、塩津から
堂木
(
だんぎ
)
、神明山にわたる一線の警戒にあり、そのため前田隊の兵二千は、
権現
(
ごんげん
)
坂から
川並
(
かわなみ
)
村の高地
茂山
(
しげやま
)
あたりにかけて
駐
(
と
)
まっていた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに心も
驕
(
おご
)
っていたか、義貞はつい国府の三島に馬を
駐
(
と
)
めて数日は凱歌の快に酔ってしまった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この日の二十日未明、長秀は、
海津
(
かいづ
)
に
駐
(
と
)
めてある一子
鍋丸
(
なべまる
)
を将とする軍隊から、早馬をもって
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うたがいもなく、すでに足利
直義
(
ただよし
)
の陸上軍も、大蔵谷のあたりまでは来て、その行軍を、ひしめき、ひしめき、
駐
(
と
)
めていたにちがいない。——要するに足利勢の海陸幾万は
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何しろ、凱旋早々、軍旅をここに
駐
(
と
)
めて、挙行したことでもあるから。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、しばし馬を
駐
(
と
)
めて、その行軍路を各隊の将に指示した。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——
所願
(
しょがん
)
なある。しばし南大門の前で、車を
駐
(
と
)
めい」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(——
駐
(
と
)
まれ)
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
駐
常用漢字
中学
部首:⾺
15画
“駐”を含む語句
駐在所
駐剳
駐屯軍
駐屯
駐箚
駐劄
御駐輦
駐輦
駐紮
駐外武官
駐春亭
駐止
駐在官
駐蔵
駐蔵大臣
駐蹕
駐車場
駐馬坡
駐馬塘
駐在巡査
...