“御着”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごちゃく35.7%
おちゃく14.3%
おつき14.3%
おんちゃく14.3%
ごちやく14.3%
ゴチヤク7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
官兵衛は、師のことばへ、耳を向けただけで、御着ごちゃくの方をふりかえっていた。彼に似気にげなく、何かただならない顔色を現わしている。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……既に電報で再度までも申出ましたものを、御着おちゃくの時間どころか、東京御出発の御通知も下さらず、幹事一同は大狼狽おおろうばい
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つい混雑に紛れまして、まだ御挨拶も申しません。貴下あなたは今しがた御着おつきになった御客様、さてはその筋の。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
十月のはじめには、新帝はすでに東海道の新井あらい駅に御着おんちゃく、途中潮見坂しおみざかというところでしばらく鳳輦をめさせられ、初めて大洋を御覧になったという報告が来るようになった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こゝ呼參よびまゐべしとの事なれば早速さつそく村の小使こづかひはしらせ江戸表より御着ごちやくの役人方より御用の由早々名主宅迄なぬしたくまで御出なさるべしといはすれば祐然は聞ておどろき何事やらんと支度したくなし急ぎ甚兵衞方へおもむきけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「梅松論」がいう——当夜、矢矧ヤハギ御着ゴチヤクアツテ、京都鎌倉ノ両大将御対面、久々ナル御物語リ、尽クトモ見エズ——とある一条の短夜みじかよは、こうして、あわただしいまにすぐ白む。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)