“似気”の読み方と例文
旧字:似氣
読み方割合
にげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
官兵衛は、師のことばへ、耳を向けただけで、御着ごちゃくの方をふりかえっていた。彼に似気にげなく、何かただならない顔色を現わしている。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どこで工面したか、ヨレヨレの素あわせに、ほおかむり、クマのようなヒゲだけはそり落して柄に似気にげなく人なつっこい声です。
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
だから長押なげしにかけてあった槍を取って、酒気に駆られて、ひとりで表へ飛び出したのは年寄に似気にげなきことでした。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)