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禁
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と
ふりがな文庫
“
禁
(
と
)” の例文
しかし彼は母にそんなことを
禁
(
と
)
める柄だろうか。彼は詩ばかり書いていて、一体何になる気かと問われても、返事さえできないのだ……
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
「グリイリイ君、君にはお気の毒だが僕は今日限り君とこの新聞を
禁
(
と
)
めたよ。どうも社説の議論が気に喰はないもんだから。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「明日の朝が早いから、
諄
(
くど
)
いようだが火を頼みますぜ、此処は火を
禁
(
と
)
められてる処なんだからね、いつもと違って預かった物があるんだから」
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
禁厭
(
きんえん
)
をまじないやむると
訓
(
よ
)
んでいるのは古いことだ。
神代
(
じんだい
)
から存したのである。しかし神代のは、悪いこと兇なることを圧し
禁
(
と
)
むるのであった。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
お雪は何事でも心の儘に育てられてゐるけれど、其山毛欅の木に近づく事だけは、堅く老爺から
禁
(
と
)
められてゐた。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
それは私が厳重に
禁
(
と
)
められてゐる囲みを破つて、無邪気に書斎に侵入して、父の動静を見て来ると云ふのである。
父の死
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
こなたに腰掛けたまま、胸を伸して、早瀬が何か云おうとした、(構わず休らえ、)と声を懸けそうだったが、夫人が、ト見て、指を
弾
(
はじ
)
いて
禁
(
と
)
めたので黙った。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その長いびろうどのやうな肢を見るとすぐアムブロアジヌお婆あさんは恐怖の叫び声を
禁
(
と
)
める事が出来ませんでした。そしてその肩を震はせて、虫を落しました。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
いつぞやは、これをやるんじゃないよと言って、お前さんに
禁
(
と
)
めだてをしたわたしだけれど、もうこうなったら仕方がない。まあ一杯やって、その炭火を消すがいいさね。
かもじの美術家:――墓のうえの物語――
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
蘇我臣
一流
(
ひとなが
)
れで最栄えた島の
大臣家
(
おとどけ
)
の亡びた時分から、石城の構えは
禁
(
と
)
められ出した。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
駒井の
面
(
かお
)
を見ていると、むらむらとして、
衷心
(
ちゅうしん
)
の憤りと、憎しみとが、湧き起るのを
禁
(
と
)
めることができないと見えて、その
拳
(
こぶし
)
がワナワナと動いて、
頓
(
とみ
)
には口も
利
(
き
)
けないでいるのを
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なおその読みつつあるお経の文句の意味などを考えると、そぞろに涙の
出
(
い
)
ずるを
禁
(
と
)
め得ない。かかるありがたい
普賢菩薩
(
ふげんぼさつ
)
の
願文会
(
がんもんえ
)
においても、悪い
奴
(
やつ
)
はどうしても化せられぬものか。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
私の口から云うのも何で御座いますが、親父は市場でも相当顔の利いた
禿頭
(
はげ
)
で御座いましただけに、その頃はまだ警察から
禁
(
と
)
められておりましたフクを平気で
自宅
(
うち
)
の
副食物
(
ごさい
)
にしておりました。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
煙草
(
たばこ
)
を
禁
(
と
)
めてあるくらゐなら、小乗論は
勿論
(
もちろん
)
いけないよ」
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
それも今は
禁
(
と
)
められてしまいましたがね。でも以前家にいた頃は、まだ弾いておりましたの。父とわたくしと二人で合奏をいたしたものでしたわ。
トリスタン
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
初めの間こそお前はまだ余り小いからと
禁
(
と
)
めてゐたが、根が悪い事ぢや無し、父も内心には喜んだと見えて、到頭或日学校の高島先生に願つて呉れて、翌日からは私も
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
御上人様やら十兵衞への義理をかねて酷く叱るか出入りを
禁
(
と
)
むるか何とかするでござりませうが、元はといへば清吉が自分の意恨で仕たではなし、
畢竟
(
つまり
)
は此方の事のため
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ラツパ——これはあんまり騒々しい音を出しますから叔父さんから吹くのを
禁
(
と
)
められてゐます——や、そして此の名高い箱船の中には、エミル一人だけが知つてゐるいろんなものがはいつてゐます。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
嚴
(
いづ
)
のむしろを
禁
(
と
)
められて
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
お上人様やら十兵衛への義理をかねて酷く叱るか出入りを
禁
(
と
)
むるか何とかするでござりましょうが、元はといえば清吉が自分の意恨でしたではなし、つまりは
此方
(
こち
)
のことのため
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
淋しくて/\
耐
(
たま
)
らぬ所から、毎日の樣に好人物の父に
強請
(
ねだ
)
つた爲なので、初めの間こそお前はまだ餘り小さいからと
禁
(
と
)
めてゐたが根が惡い事ぢや無し、父も内心には喜んだと見えて
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「うちのヒンツペエテル博士から特別に
禁
(
と
)
められてるのは、お前知っとるだろう、ダアリング。ちょっとふんばりさえすりゃいいんさ。なあ。前にもいうた通り、気管支なんだからのう。」
トリスタン
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
撞見
(
でつくわ
)
しては拙からう、と愛想は無けれど真実はある言葉に、お吉嬉しく頼み置きて帰れば、其後へ引きちがへて来る源太、果して清吉に、出入りを
禁
(
と
)
むる師弟の縁断るとの言ひ渡し。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
撞見
(
でっくわ
)
しては
拙
(
まず
)
かろう、と愛想はなけれど真実はある言葉に、お吉
嬉
(
うれ
)
しく頼みおきて帰れば、その後へ引きちがえて来る源太、はたして清吉に、出入りを
禁
(
と
)
むる師弟の縁
断
(
き
)
るとの言い渡し。
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
禁
常用漢字
小5
部首:⽰
13画
“禁”を含む語句
禁厭
呪禁
禁呪
監禁
禁制
禁忌
重禁錮
呪禁師
女人禁制
口禁
禁物
禁錮
禁苑
霖禁
禁裡仙洞
禁酒
殺生禁断
禁軍
禁裡
檻禁
...