)” の例文
そこへつるのあるかごにあかすぐりの実を入れて手に持った女中が通り掛かったので、それにこの家は誰が住まっているのだと問うた。
冬の王 (新字新仮名) / ハンス・ランド(著)
宗近君は椅子いす横平おうへいな腰を据えてさっきから隣りのことを聴いている。御室おむろ御所ごしょ春寒はるさむに、めいをたまわる琵琶びわの風流は知るはずがない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
悪戯いたずら好加減いいかげんすかな」と云いながら立ち上がって、縁側へ据付の、の安楽椅子いすに腰を掛けた。それぎりぽかんと何か考え込んでいる。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
悪戯いたづら好加減いゝかげんすかな」と云ひながら立ちがつて、縁側へ据付すゑつけの、の安楽椅子いすに腰を掛けた。夫れりぽかんと何か考へ込んでゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
向い合せの耳をくぐつるには、ぎりぎりとしぶを帯びたを巻きつけて手提てさげの便を計る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
旅行案内をほうり出して宗近君はずしんと畳を威嚇おどかして椽側えんがわへ出る。椽側には御誂向おあつらえむきに一脚の椅子いすが、人待ち顔に、しめっぽくえてある。連𧄍れんぎょうまばらなる花の間からとなの座敷が見える。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
代助はけてゐる椅子の肱掛ひぢかけを両手でにぎつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)