“籐表”の読み方と例文
読み方割合
とうおもて100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ああいう人たちのはく下駄げたは大抵籐表とうおもて駒下駄こまげたか知ら。後がへって郡部の赤土が附着くっついていないといけまいね。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
紅い鼻緒の立った籐表とうおもての女下駄が、日ぐれどきの玄関のうす明りに、ほんのりと口紅のように浮んでいるのを見たとき、たしかに家にいるということが感じられた。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
かしら籐表とうおもてを打った、繻珍しゅちんの鼻緒で、桐のまさという、源次が私生児を引放ひっぱなして、片足打返して差出した。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)