)” の例文
散らばって居る本箱の間を潜り、先ず壁の際に在るのから順に調べる積りで、ある本箱の横手へしゃがんだが、此の時壁の中からでも剣が突き出た様に
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
立出て音羽の町へ至りつゝ路地へは入しが何處で聞んと其所等そこら迂路々々うろ/\爲しゝすゑ見れば大藤がとなりの家にて老婆一にんぜんに向ひ夜食やしよくと云へど未だ暮ぬ長日の頃の飯急めしいそぎ和吉は見やりて打點頭うちうなづき會釋ゑしやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
目科が当ッて砕けろとは如何なる工夫なるや知ざれど、余は又も無言の儘従い行く、行きて藻西の家より遠からざる所に達し、再びある露路に潜みて店の様子を伺い居るに、幾分間か経ちし頃
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)