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梳
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と
ふりがな文庫
“
梳
(
と
)” の例文
びっくりして鏡に向かって髪を
梳
(
と
)
きつけ、例のごとく裸になりますと、その時わたしは思わずもひやっという叫び声を上げました。
メデューサの首
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
いねは頭をさっぱりと
梳
(
と
)
かしてもらい、実枝が奇麗だという、去年着ていった糸織の着物を着、半幅帯を貝の口に結んでもらった。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
暗色の髪は短く刈りこんで、
顳顬
(
こめかみ
)
のところだけちょっと前へ
梳
(
と
)
き出してあった。彼は軍隊式に活発な大またで歩いて来た。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
一寸このくしや/\になつた黒い
鬣
(
たてがみ
)
を、
梳
(
と
)
かすだけですわ。私近くであなたを
熟々
(
つく/″\
)
見たときには、吃驚りするほどでした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
自分はかの女のためにあらゆるものを捨てるであらう。かの女のためには、髪をも
梳
(
と
)
けば眉をも掃いてやるであらう。かの女の
朝化粧
(
あさけはい
)
をするための湯をも沸かしてやるだらう。
赤い鳥居
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
▼ もっと見る
母は私の髪を
梳
(
と
)
きつけて、それを頭に
挿
(
さ
)
してくれた。着物は無論
不断着
(
ふだんぎ
)
一つしかないのだから新しいのには
更
(
か
)
えてくれなかったけれど、でも、きちんと格好よく着せなおしてくれた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
それから二時間ばかり經ツて、周三は
髭
(
ひげ
)
を
剃
(
そ
)
り、頭髪を
梳
(
と
)
き、薄色のサツクコートで、彼としては
研
(
みがき
)
上げた
男振
(
をとこぶ
)
りとなツて、そゝくさ
嚴
(
いかめ
)
しい勝見家の門を出て行ツた。無論お房の家へ出掛けたので。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
馴れない
頭巾
(
もの
)
と見えて、うるさそうに、
解
(
と
)
いて丸めて川の中へフワリと捨てた。——ついでに、下からさッとくる風と、頭巾くずれの
鬢
(
びん
)
の毛を、
黄楊
(
つげ
)
の
荒歯
(
あらは
)
でざっと
梳
(
と
)
いて、そのまま横へ差しておく。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
梳
(
と
)
いているでしょう。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
太く黒い眉、黒い毛を横に
梳
(
と
)
かしてあるので益々
角
(
かく
)
ばつて見える
嚴
(
いか
)
つい
額
(
ひたひ
)
、それでもつて私は彼をあの旅人だと知つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
憤怒と憎悪をもって、彼はスメルジャコフの去勢僧のように痩せこけた顔や、きれいに
櫛
(
くし
)
で
梳
(
と
)
き上げた両
鬢
(
びん
)
や、小さい冠毛のようにふくらました前髪をじっとにらんだ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
そして
捲毛
(
まきげ
)
をよく
梳
(
と
)
かして房々と垂らし、
淡紅色
(
ときいろ
)
の
上衣
(
うはぎ
)
を着け、長い飾帶を
締
(
し
)
め、レイスの
長手袋
(
ミットン
)
をちやんとする頃には、裁判官か何ぞのやうに
眞面目
(
まじめ
)
くさつてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
自分で髪を
梳
(
と
)
かしてやったり、たらいで行水を使ってやったりした。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
梳
漢検1級
部首:⽊
11画
“梳”を含む語句
麻梳
櫛梳
梳手
梳櫛
梳場
梳櫳
髪梳
馬梳
梳髪
梳油
梳毛糸
梳毛一綛
梳毛
下梳
梳棉部
梳張
梳付
尼梳
刷梳