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飛
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と
ふりがな文庫
“
飛
(
と
)” の例文
そこで、ふたりは、
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれながら
空
(
そら
)
を
飛
(
と
)
んできましたが、
小
(
ちい
)
さなこちょうは、おくれがちなので、せみはもどかしく
思
(
おも
)
いました。
二つの運命
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
流
(
なが
)
されるのは、たしかにやせたひばりの
子供
(
こども
)
です。ホモイはいきなり水の中に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
んで、前あしでしっかりそれをつかまえました。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、
疲
(
つか
)
れてきた
羽
(
はね
)
にバサバサと
力
(
ちから
)
を
罩
(
こ
)
めて、
追
(
お
)
ひつかうとするけれど、ラランのやつはさつさと
先
(
さき
)
へ
飛
(
と
)
びながら、
着
(
お
)
ち
つ
(
つ
)
いたもので
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
濁
(
にご
)
れる
水
(
みづ
)
も
色
(
いろ
)
を
添
(
そ
)
へて
極彩色
(
ごくさいしき
)
の
金屏風
(
きんびやうぶ
)
を
渡
(
わた
)
るが
如
(
ごと
)
く、
秋草模樣
(
あきくさもやう
)
に
露
(
つゆ
)
敷
(
し
)
く
袖
(
そで
)
は、
丈
(
せ
)
高
(
たか
)
き
紫苑
(
しをん
)
の
梢
(
こずゑ
)
を
乘
(
の
)
りて、
驚
(
おどろ
)
き
飛
(
と
)
ぶ
蝶
(
てふ
)
とともに
漾
(
たゞよ
)
へり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「ところで、お静殿、——拙者は一人で勝手に頂く、その間に風呂へ入られてはどうじゃ、疲れが直って、
飛
(
と
)
んだ良い心持であろう」
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「ばかな
六部
(
ろくぶ
)
め。よけいなところへ
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
して、
神
(
かみ
)
さまのお
罰
(
ばつ
)
をうけたに
違
(
ちが
)
いない。そのたたりが
村
(
むら
)
にかかってこなければいいが。」
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
海岸
(
かいがん
)
で、
鳶
(
とび
)
と
喧嘩
(
けんくわ
)
をして
負
(
ま
)
けたくやしさ、くやしまぎれに
物
(
もの
)
をもゆはず、
飛
(
と
)
びをりてきて、いきなり
強
(
つよ
)
くこつんと一つ
突衝
(
つゝ
)
きました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
飛
(
と
)
ぶときはその
翅
(
はね
)
が
實
(
じつ
)
に
美
(
うつく
)
しい
色
(
いろ
)
に
閃
(
ひらめ
)
きます。この
鳥
(
とり
)
は
羽
(
はね
)
も
綺麗
(
きれい
)
ですが、
鳴
(
な
)
き
聲
(
ごゑ
)
も
美
(
うつく
)
しく、「ぶっ、ぽう、そう」と
鳴
(
な
)
きつゞけます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
というのは、エルメンリークくんはすばらしい
飛行家
(
ひこうか
)
で、ガンなどとはくらべものにならないほど、ものすごい早さで
飛
(
と
)
ぶからです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「うむ、なあに
俺
(
お
)
れもそれから
去年
(
きよねん
)
の
秋
(
あき
)
は
火箸
(
ひばし
)
で
打
(
ぶ
)
つ
飛
(
と
)
ばしてやつたな」
卯平
(
うへい
)
は
斯
(
か
)
ういつて
彼
(
かれ
)
にしては
著
(
いちじ
)
るしく
元氣
(
げんき
)
を
恢復
(
くわいふく
)
して
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
寄
(
よ
)
れば
触
(
さは
)
れば
高慢
(
かうまん
)
の
舌
(
した
)
爛
(
たゞら
)
してヤレ
沙翁
(
シヱークスピーヤ
)
は
造化
(
ざうくわ
)
の
一人子
(
ひとりご
)
であると
胴羅魔声
(
どらまごゑ
)
を
振染
(
ふりしぼ
)
り
西鶴
(
さいくわく
)
は
九皐
(
きうかう
)
に
鳶
(
とんび
)
トロヽを
舞
(
ま
)
ふと
飛
(
と
)
ンだ
通
(
つう
)
を
抜
(
ぬ
)
かし
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
これが
西暦
(
せいれき
)
千八百八十三年
(
せんはつぴやくはちじゆうさんねん
)
に
大爆裂
(
だいばくれつ
)
をなして、
島
(
しま
)
の
大半
(
たいはん
)
を
噴
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
ばし、
跡
(
あと
)
には
高
(
たか
)
さ
僅
(
わづか
)
に
八百十六米
(
はつぴやくじゆうろくめーとる
)
の
小火山島
(
しようかざんとう
)
を
殘
(
のこ
)
したのみである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
すると
奇怪
(
きかい
)
にも、
其処
(
そこ
)
に現れた藝術品や藝術論から受ける印象は沙翁の其れにくらべると、
飛
(
と
)
んでもない相違のある事を発見した。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それで
其
(
そ
)
の一
町
(
ちやう
)
四
方
(
はう
)
は
晝間
(
ひるま
)
も
戸
(
と
)
を
締
(
し
)
めたといふほど、ひどい
臭氣
(
しうき
)
が、
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
の
腐
(
くさ
)
つた
人間
(
にんげん
)
の
心
(
こゝろ
)
のやうに、
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
何度
(
なんど
)
も
何度
(
なんど
)
も
雄鷄
(
おんどり
)
は
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
へ
上
(
のぼ
)
りまして、そこから
飛
(
と
)
ばうとしましたが、その
度
(
たび
)
に
羽
(
はね
)
をばた/″\させて
舞
(
ま
)
ひ
降
(
お
)
りてしまひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
おい
昨夜
(
ゆうべ
)
枕元
(
まくらもと
)
で
大
(
おほ
)
きな
音
(
おと
)
がしたのは
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱり
)
夢
(
ゆめ
)
ぢやなかつたんだ。
泥棒
(
どろぼう
)
だよ。
泥棒
(
どろぼう
)
が
坂井
(
さかゐ
)
さんの
崖
(
がけ
)
の
上
(
うへ
)
から
宅
(
うち
)
の
庭
(
には
)
へ
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
りた
音
(
おと
)
だ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あれこそはひとりこの
御夫婦
(
ごふうふ
)
の
御
(
ご
)
一
代
(
だい
)
を
飾
(
かざ
)
る、
尤
(
もっと
)
も
美
(
うつく
)
しい
事蹟
(
じせき
)
であるばかりでなく、
又
(
また
)
日本
(
にほん
)
の
歴史
(
れきし
)
の
中
(
なか
)
での
飛
(
と
)
び
切
(
き
)
りの
美談
(
びだん
)
と
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
見
(
み
)
ると、
太陽
(
たいやう
)
がキラ/\と
輝
(
かゞや
)
いて
居
(
を
)
る
東
(
ひがし
)
の
方
(
ほう
)
の、
赤裸
(
あかはだか
)
の
山
(
やま
)
の
頂
(
いたゞき
)
を
斜
(
なゝめ
)
に
掠
(
かす
)
めて、
一個
(
いつこ
)
の
大輕氣球
(
だいけいききゆう
)
が
風
(
かぜ
)
のまに/\
此方
(
こなた
)
に
向
(
むか
)
つて
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
何故
(
なぜ
)
そう
急
(
きふ
)
に
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
したかとの
君
(
きみ
)
の
質問
(
しつもん
)
は
御尤
(
ごもつとも
)
である。
僕
(
ぼく
)
は
不幸
(
ふかう
)
にして
之
(
これ
)
を
君
(
きみ
)
に
白状
(
はくじやう
)
してしまはなければならぬことに
立到
(
たちいた
)
つた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
大将の鬼は
旦那座
(
だんなざ
)
から一足
飛
(
と
)
びに土間へ
跳
(
は
)
ね下りようとして、
囲炉裏
(
いろり
)
にかけた
自在鉤
(
じざいかぎ
)
に鼻の
穴
(
あな
)
を引っかけてしまった。すると
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
歌
(
うた
)
ってしまうと、
鳥
(
とり
)
はまた
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
きました。
右
(
みぎ
)
の
趾
(
あし
)
には
鎖
(
くさり
)
を
持
(
も
)
ち、
左
(
ひだり
)
の
爪
(
つめ
)
に
靴
(
くつ
)
を
持
(
も
)
って、
水車小舎
(
すいしゃごや
)
の
方
(
ほう
)
へ
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
きました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
『オヤ、
其處
(
そこ
)
に
彼
(
か
)
れの
大事
(
だいじ
)
な
鼻
(
はな
)
が
歩
(
ある
)
いて
行
(
い
)
つてよ』
通常
(
なみ/\
)
ならぬ
大
(
おほ
)
きな
肉汁
(
スープ
)
鍋
(
なべ
)
が
其
(
そ
)
の
側
(
そば
)
に
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
て、
正
(
まさ
)
にそれを
取
(
と
)
つて
去
(
い
)
つて
了
(
しま
)
つたのです。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
蜂
(
はち
)
はそれにとまつて
暫
(
しばら
)
く
夫
(
をつと
)
の
氣配
(
けはい
)
を
窺
(
うかゞ
)
つてゐるらしかつたが、それが
身動
(
みうご
)
きもしないのを
見
(
み
)
ると、
死骸
(
しがい
)
を
離
(
はな
)
れてすぐ
近
(
ちか
)
くの
地面
(
ぢべた
)
に
飛
(
と
)
び
降
(
お
)
りた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
そして
彼等
(
かれら
)
は、その
立派
(
りっぱ
)
な
翼
(
つばさ
)
を
張
(
は
)
り
拡
(
ひろ
)
げて、この
寒
(
さむ
)
い
国
(
くに
)
からもっと
暖
(
あたたか
)
い
国
(
くに
)
へと
海
(
うみ
)
を
渡
(
わた
)
って
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
く
時
(
とき
)
は、みんな
不思議
(
ふしぎ
)
な
声
(
こえ
)
で
鳴
(
な
)
くのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そうして、投げ槍の
飛
(
と
)
び
交
(
か
)
う下で、
鉾
(
ほこ
)
や剣が
撒
(
ま
)
かれた氷のように輝くと、人々の身体は手足を飛ばして間断なく地に倒れた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
吃驚
(
びつくり
)
した鴉は一
足
(
あし
)
二
足
(
あし
)
後方
(
うしろ
)
に
飛
(
と
)
び
退
(
しさ
)
つて、じつと蛇の頭を見てゐたが、急に厭世的な顔をしたと思ふと、その
儘
(
まゝ
)
引
(
ひつ
)
くりかへつて死んで
了
(
しま
)
つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
かなりの早さで
飛
(
と
)
んでいくんだ。じっと見つめているうちに、すこしおどろきがおさまると、
欲
(
よく
)
がむらむらっと起こったんだ
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
吉原
(
よしわら
)
だといやァ、
豪勢
(
ごうせい
)
飛
(
と
)
びゃァがるくせに、
谷中
(
やなか
)
の
病人
(
びょうにん
)
の
知
(
し
)
らせだと
聞
(
き
)
いて、
馬鹿
(
ばか
)
にしてやがるんだろう。
伝吉
(
でんきち
)
ァただの
床屋
(
とこや
)
じゃねえんだぜ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ところがその雄羊が一
匹
(
ぴき
)
小溝
(
こみぞ
)
を
飛
(
と
)
び
越
(
こ
)
えて道のまん中にやって来ました。しかして頭を下げたなりであとしざりをします。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
それでもまあ、
飛
(
と
)
んだ晩においでになりましたもので! ひどい荒れと吹き
降
(
ぶ
)
りじゃございませんか……。こんな道中を
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「
飛
(
と
)
んでもない。役人に見せたら忠と不忠の対照でさあ。僕を社会主義者と間違える位ですからね……ハハハハ……」
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかし
蛇
(
へび
)
だとか、
蜥蜴
(
とかげ
)
だとかゞ、
石
(
いし
)
の
間
(
あひだ
)
から
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
して
驚
(
おどろ
)
かされることがありますから、
注意
(
ちゆうい
)
しなければなりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
こんな
不都合
(
ふつごう
)
極
(
きわま
)
る
汽車
(
きしゃ
)
は
無
(
な
)
いとか、
皆
(
みな
)
盗人
(
ぬすびと
)
のような
奴等
(
やつら
)
ばかりだとか、
乗馬
(
じょうば
)
で
行
(
ゆ
)
けば一
日
(
にち
)
に百ヴェルスタも
飛
(
と
)
ばせて、その
上
(
うえ
)
愉快
(
ゆかい
)
に
感
(
かん
)
じられるとか
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それに無地はもとより、
流描
(
ながしがき
)
、
櫛描
(
くしがき
)
、
指描
(
ゆびがき
)
、
飛
(
と
)
ばし
鉋
(
かんな
)
など様々なやり方を用います。絵ものは一つもありませんが、その代り極めて多彩であります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
ヂュリ おゝ、パリスどのと
祝言
(
しうげん
)
をせう
程
(
ほど
)
なら、あの
塔
(
たふ
)
の
上
(
うへ
)
から
飛
(
と
)
んで
見
(
み
)
い、
山賊
(
やまだち
)
の
跳梁
(
はびこ
)
る
夜道
(
よみち
)
を
行
(
ゆ
)
け、
蛇
(
へび
)
の
棲
(
す
)
む
叢
(
くさむら
)
に
身
(
み
)
を
潛
(
ひそ
)
めいとも
言
(
い
)
はッしゃれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
思わず後の指を抑えて
飛
(
と
)
び
退
(
の
)
いたので、自ら
鞘
(
さや
)
を引いたことにもなって、お通の手には水もたまらぬような光が地を曳いてさッと後ろへかくされた。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
飛
(
と
)
んでもない。そんな、ガラスのような眼は、真ッ平です」陳君は、ベッドを
辷
(
すべ
)
り落ちて、逃げ仕度をはじめた。老人は、じわじわと近寄って来て
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
火星の
表面
(
へうめん
)
は地
球
(
きう
)
の
引力
(
いんりよく
)
の五
分
(
ぶん
)
ノ二しかない だから人は地球にゐるときより二
倍
(
ばい
)
半は高く
飛
(
と
)
べるが しかし、それ
以上
(
いじやう
)
高くは飛べるはずがないのぢや
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
その男は
紛
(
まが
)
いもなく西北原でマナサルワ湖の辺を共に巡礼して居りましたかの兄弟三人の中の一番の弟で、私の横面を
撲
(
は
)
り
飛
(
と
)
ばして倒した男なんです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
飛
(
と
)
び/\に
読
(
よ
)
んでゐるうち、一
度
(
ど
)
何
(
なに
)
かで
読
(
よ
)
んだ
覚
(
おぼえ
)
のある
恋愛論
(
れんあいろん
)
に
出会
(
でつくは
)
しなどするのであつたが、ハイカラな
其青年
(
そのせいねん
)
の
面目
(
めんもく
)
が、
目
(
め
)
の
先
(
さき
)
に
見
(
み
)
えるやうである。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そしてぼんやり人形を
眺
(
なが
)
めていますと、その
背中
(
せなか
)
が、むくむく
動
(
うご
)
きだして、中から、
猿
(
さる
)
が
飛
(
と
)
びだしてきました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
彼れは顔中の血が一時に頭の中に
飛
(
と
)
び
退
(
の
)
いたように思った。仁右衛門は酔いが一時に
醒
(
さ
)
めてしまって馬力から飛び下りた。小屋の中にはまだ二、三人人がいた。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
...
吾
(
わ
)
が
子
(
し
)
に
告
(
つ
)
ぐる
所以
(
ゆゑん
)
は
是
(
かく
)
の
若
(
ごと
)
き
而已
(
のみ
)
』と。
孔子
(
こうし
)
去
(
さ
)
つて
弟子
(
ていし
)
に
謂
(
い
)
つて
曰
(
いは
)
く、『
鳥
(
とり
)
は
吾
(
われ
)
其
(
そ
)
の
能
(
よ
)
く
飛
(
と
)
ぶを
知
(
し
)
り、
魚
(
うを
)
は
吾
(
われ
)
其
(
そ
)
の
能
(
よ
)
く
游
(
およ
)
ぐを
知
(
し
)
り、
獸
(
けもの
)
は
吾
(
われ
)
其
(
そ
)
の
能
(
よ
)
く
走
(
はし
)
るを
知
(
し
)
る。 ...
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
地質学者の間にはアルプの波の
飛
(
と
)
ばっちりと考えられておると聞いたが、何にしても先ずその位の小山であって、登って見たいなんて考えは毛頭おこらなかった。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
物
(
もの
)
いふ
聲
(
こゑ
)
がけんどんで
荒
(
あら
)
らかで、
假初
(
かりそめ
)
の
事
(
こと
)
にも
婢女
(
をんな
)
たちを
叱
(
しか
)
り
飛
(
と
)
ばし、
私
(
わたし
)
の
顏
(
かほ
)
をば
尻目
(
しりめ
)
にお
睨
(
にら
)
み
遊
(
あそ
)
ばして
小言
(
こごと
)
は
仰
(
おつ
)
しやらぬなれども
其
(
その
)
お
氣
(
き
)
むづかしい
事
(
こと
)
と
言
(
い
)
ふては
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夕方
(
ゆふがた
)
の
空
(
そら
)
には、
一
(
いつ
)
ぱい
雲
(
くも
)
が
亂
(
みだ
)
れてゐて、あちらこちらに
早
(
はや
)
く
飛
(
と
)
び
廻
(
まは
)
つてゐる
時
(
とき
)
に
吹
(
ふ
)
きおろす
山風
(
やまかぜ
)
が、あら/\しく
吹
(
ふ
)
いてゐる。その
目
(
め
)
にも
耳
(
みゝ
)
にも、すさまじい
景色
(
けしき
)
。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
すなはち
阿岐豆野
(
あきづの
)
三
にいでまして、御獵したまふ時に、天皇、御呉床にましましき。ここに、
虻
(
あむ
)
、
御腕
(
ただむき
)
を
咋
(
く
)
ひけるを、すなはち
蜻蛉
(
あきづ
)
來て、その
虻
(
あむ
)
を
咋
(
く
)
ひて、
飛
(
と
)
びき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
シューラは
素早
(
すばや
)
くはね
起
(
お
)
きて、
毛布
(
もうふ
)
を
床
(
ゆか
)
へおっぽり
出
(
だ
)
すと、はだしで
冷
(
つめた
)
い
床板
(
ゆかいた
)
をぱたぱたと大きく
鳴
(
な
)
らしながら、ママのところへ
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
き、いきなりこうわめいた。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
そこへ
月
(
つき
)
の
人々
(
ひと/″\
)
は
空
(
そら
)
を
飛
(
と
)
ぶ
車
(
くるま
)
を
一
(
ひと
)
つ
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
ました。その
中
(
なか
)
から
頭
(
かしら
)
らしい
一人
(
ひとり
)
が
翁
(
おきな
)
を
呼
(
よ
)
び
出
(
だ
)
して
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
どこを突いたか、突かれたか、鍛冶倉は縄を持ったなり二三尺
飛
(
と
)
び
退
(
の
)
いて、横腹のあたりを押えながら
面
(
かお
)
をしかめる。血がダラダラ二三滴、熊の皮の敷物の上へ落ちる。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
“飛”を含む語句
飛沫
飛行
飛鳥
飛退
一飛
飛出
飛込
一足飛
突飛
蹴飛
飛翔
飛々
早飛脚
飛魚
飛散
飛交
飛車
飛脚
飛行機
張飛
...