“飛交”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とびか50.0%
とびかは25.0%
とびこ12.5%
とびちが12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
娘の帯の、銀の露の秋草に、円髷の帯の、浅葱あさぎに染めた色絵の蛍が、飛交とびかって、茄子畑なすばたけへ綺麗にうつり、すいと消え、ぱっと咲いた。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
またかく大いなるむれ飛交とびかはしつゝ上なる物と花の間をへだつれども、目も輝もこれに妨げられざりき 一九—二一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
雪をあざむく白い顔は前を見詰みつめたまま、すずしい眼さえも黒く動かさない、ただ、おさばかりが紺飛白こんがすり木綿の上をように、シュッシュッと巧みに飛交とびこうている。
菜の花物語 (新字新仮名) / 児玉花外(著)
西から東へと、この広い大空を白い薄雲が刷毛はけでなすったように流れていましたが、いつまで眺めていても少しも動かない。無数の蜻蛉とんぼが丁度フランスの夏の空に高く飛ぶつばめのように飛交とびちがっている。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)