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兔
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と
不好な
處へいや/\ながら
出かけて
行くのかと
怪まるゝばかり
不承無承にプラツトホームを
出て、
紅帽に
案内されて
兔も
角も
茶屋に
入つた。
景色は
大いが
變化に
乏しいから
初めての
人なら
兔も
角、
自分は
既に
幾度か
此海と
此棧道に
慣れて
居るから
強て
眺めたくもない。
兔も
角も
此決心が
定まるや、
彼は
更に
五年の
間眞黒になつて
働きそして、
遂に一の
小學校を
創立して、これを
大島仁藏の
一子大島伸一に
獻じ
自分もチヨークで
畫くなど
思ひもつかんことであるから、
畫の
善惡は
兔も
角、
先づ
此一
事で
自分は
驚いてしまつた。
『
其處に
骨の
人行く』といふ
文句それ
自身がふら/\と
新宿の
停車場に
着いたのは六月二十日の
午前何時であつたか
忘れた。
兔も
角、
一汽車乘り
遲れたのである。