)” の例文
それへ、ほかほかとこうらを干した、の葉に交って青銭の散ったさまして、大小の亀はウ二十、かわらの石の数々居た。中には軽石のごときが交って。——
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ことに明日あした逢ふ時に、どんな態度で、どんな事を云ふだらうと其光景が通りにも廿にじつ通りにもなつて色々にる。三四郎は本来からんな男である。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
知らずや、貫一は再度の封をだに切らざりしを——三度みたび五度いつたび七度ななたび重ね重ねて百通に及ばんとも、貫一は断じてこの愚なる悔悟を聴かじとこころを決せるを。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
愛宕山あたごさん程の石段が段程も附いて居て、此処ここを降りれば帰りは息かそこらの間にクリツシイのとほりへ出られるのである。石段の口からは巴里パリイなかばが絵のやうに見える。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
弥兵衛やひょうえつかのつるぎ遂に抜きて富子とみこりてふたきだとなす
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
春の水船にたりのさくらびと鼓うつなり月のぼる時
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
指をかゞなふればあまり三歳みとせに及びて秋も暮れたり。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
おほきはまぐりウばかり。(ちう、ほんたうは三個さんこ)として、しゞみ見事みごとだ、わんさらもうまい/\、とあわてて瀬戸せとものをかじつたやうに、おぼえがきにしるしてある。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ことにあした会う時に、どんな態度で、どんな事を言うだろうとその光景が通りにも二十にじっ通りにもなって、いろいろに出て来る。三四郎は本来からこんな男である。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とせかえって江戸をさす故郷 同
古池の句の弁 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
常磐木のもと二十はたもと
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
げん髑髏されかうべ附燒つけやき
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あと、ものの一町いつちやうばかりは、眞白まつしろ一條いちでうみちひらけました。——ゆきうづヲばかりぐる/\とつゞいてく。……
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ああ、すべてとせのまへ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
たび歌よみに与ふる書
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「しゃあっ! 八貫—ウん、八貫、八貫、八貫とウ、九貫か、九貫と十ウだ、……十貫!」
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……やま地平線上ちへいせんじやう遠霞とほがすんで、荒涼くわうりやうたる光景くわうけいあたか欄干らんかんしぼつて、あみをばかり、ぱつとさばいておほきくげて、すゑひろげたのにたとへたのだらう。と、狼狽うろたへてたのである。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、ああ、ウに九ツこれも見納めになろうも知れん、と云うのは(サの字。)の謎の事。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もちろんその娘さんは、私がまだウにならない内にくなったんだ。——
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二十銭というのを、はじめは一ぴきの値だろうと思うと、ウあるいは十五だから、なりは小形でもお話になる。同じいきおいをつけても、鯛の方はどうやら蒼鬣魚より売手が上品に見えるのも可笑おかしい。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其時そのときかゝつたのは、ほこらまへきぎはしから廻廊くわいらうしたけて、たゞいつツではない、なゝツ、それ/\ウにもあまものかたちが、どれ土器色かはらけいろ法衣ころもに、くろいろ袈裟けさかけた、あだか空摸様そらもやうのやうなのが
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
燈心を一束、片手に油差を持添え、揉烏帽子もみえぼしを頂いた、耳、ぼんのくぼのはずれに、燈心はそのなな筋の抜毛かと思う白髪しらがのぞかせたが、あしなかの音をぴたりぴたりと寄って、半ば朽崩れた欄干の
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)